【2009フランクフルトショー】
メルセデス・ベンツ、ガルウィングのスーパースポーツ「SLS AMG」

ハイブリッドから燃料電池まで、全方位の環境車を展示

ダイムラーAGのメルセデス・ベンツ部門を率いるディーター・ツィッツェ博士

2009年9月15日~27日(現地時間)
独フランクフルト
Messe Frankfurt



 メルセデス・ベンツは楕円形のアリーナを持つホール2を独占し、同グループのSmartやマイバッハとともに展示した。

 同社は従来どおり電気自動車、ハイブリッド車、燃料電池車などの各種環境車と、「Eクラス」に新しく加わったエステートボディーを展示。しかし会場で一番の人気を集めたのは、伝説の名車「300SL」を思い起こさせる「SLS AMG」だった。

 SLS AMGはAMGの6.3リッター V8ユニットをフロントに縦置きし、トランスアクスル形式を採るスポーツカーだ。300SLからインスパイアされたと思われるスタイリングは、300SLが世界で初めて採用したガル・ウィング・ドアを備える。パワートレーンを電気モーターに置き換えた「ゼロ・エミッション・スーパースポーツ」の提案もされている。

楕円形のアリーナを持つホール2は2階建て。メルセデス・ベンツはそのすべてを使って展示したプレスカンファレンスは華やかなパフォーマンスで幕を開けたEクラスエステートの紹介はキャンディ・ダルファーのサックス演奏で始まった
SLS AMG
エアプレーンタイプ風フィラーキャップなどのディテールも凝るリアには格納式のスポイラーを備える
よみがえったガルウィングドア。サイドシルの幅が広いドアハンドルは走り出すと自動的に格納される
黒と銀のインテリア。シフトレバーはT型
パワートレーン。エンジンとトランスアクスルは太いチューブで結ばれる
こちらはより300SLらしいシルバーのモデル
内装はタン。クラシカルな雰囲気のアナログメーターは0が下にあるタイプ

 

 セダン、クーペに続いて発表されたEクラス3番目のボディー「エステート」。新型Eクラスのスクエアなスタイリングがよくマッチしているボディーには、E 220 CDI、E 350 CGI、E 250 CGI、E 500、E 63 AMGと豊富なエンジンを搭載する。

 荷室にはテールゲートと連動して持ち上がるトノカバーや、ゲート開口部のすぐ脇にあるレバーで後席を倒せる仕掛けなど、使い勝手をよくする仕組みが用意されている。


E 220 CDIE 350 CGIE 250 CGI
E 63 AMG
E 500
トノカバーはテールゲートに連動して持ち上がる。もちろん外してたたむこともできるテールゲートは電動で閉めることができる
開口部脇のレバーは後席を倒すためのものこれはCクラスの直噴ガソリンターボモデル「C 250 CGI」。日本でも発表されたが、このモデルは日本に導入されない4MATIC

 

 日本でも先日SクラスHYBRID(S 400 HYBRID)が発表されたが、会場ではより大きなリチウムイオン充電池を積み、外部からの充電が可能な「S 500 PLUG-IN HYBRID」が発表された。

 S 400 HYBRIDはエンジンルーム内の鉛バッテリーをリチウムイオン充電池に置き換え、モーター駆動用バッテリーとしていたが、このS 500 PLUG-IN HYBRIDはより大容量のリチウムイオン充電池をリアに搭載している。

 この結果、3.2Lのガソリンで100kmの走行が可能、つまり約30km/Lの燃費を実現。これをもって同社はS 500 PLUG-IN HYBRIDを「3リッター・ラグジュアリーサルーン」と称する。また30kmをモーターだけで走行することもできる。

 このS 500 PLUG-IN HYBRIDは将来のSクラスのためのスタディだと言う。

S 500 PLUG-IN HYBRID
充電プラグはリアのナンバープレートの裏センターモニターにはエネルギーモニターが表示されている

 

 このほか会場には「Bクラス」の燃料電池車、Smartの電気自動車、そしてコンセプトカー「Blue ZERO」が展示されている。Blue ZEROは同じボディー、同じフォーマットで電気自動車、ハイブリッド車、燃料電池車を作り分けることができるというコンセプトカー。「環境車の答えは1つではない」(ツィッチェ博士)という同社は、さまざまなタイプの環境車をタイミングに応じて投入していく予定。その際、どんなパワートレーンを選んでも使い勝手に影響を与えないBlue ZEROのコンセプトが生きてくるはずだ。


2台のBlue ZERO。左がハイブリッド車の「E-CELL Plus」、右が電気自動車の「E-CELL」これは燃料電池車の「F-CELL」のコンセプトモックアップハイブリッドのE-CELL Plusはリアに内燃機関を積むため、リアドアの後にエアインテークを持つ
E-CELL Plusのラゲッジスペース。床下に内燃機関を収めるE-CELL PlusもE-CELLもパッセンジャールームは同じBクラスの燃料電池車
パッセンジャールームはノーマルのBクラスと同じだが、それ以外の部分はフロントにモーター、リアにバッテリー、床下に燃料電池と水素タンクと、燃料電池関連の機器で埋め尽くされている
Bクラスの“二重底”構造を利用して床下前部に燃料電池、後部に水素タンクを収める
Smartの電気自動車。こちらも外観やインテリアはノーマルのSmartと同じだが、リアには電気モーター、床下にバッテリーを積む
エンジンの代わりに搭載されたモーター充電プラグ
会場にはさまざまな環境対応技術が展示されていたが、その中でもひときわ目を引いたのがF1用ハイブリッド、つまりKERS。マクラーレン・メルセデスに搭載されているもので、現在のF1用KERSではもっとも“使える”と言われている。一番大きなユニットが充電池
S 400 HYBRIDのパワートレーン(左)とリチウムイオン充電池
燃料電池ML 450 HYBRIDの2モーターハイブリッド。走行状況に応じて2つのモーターが、目まぐるしく駆動/発電の役割を切り替える
コンセプトモデルのF-CELLロードスター。燃料電池車を、史上初のガソリンエンジン車「ベンツ・パテント・ワーゲン」風にまとめたもの。細く大きなワイヤーホイール、リアに置かれたパワーユニット、1本のレバーによる操舵システムなど、ディテールも似ている
会場入り口には新旧モデルを対比させる展示も

【お詫びと訂正】記事初出時、「E 250 CGI」を「CDI」と記述しておりました。正しくはCGIです。お詫びして訂正させていただきます。

(編集部:田中真一郎)
2009年 9月 16日