【2009フランクフルトショー】 フォルクスワーゲン、“21世紀のビートル”を謳う「E-Up!コンセプト」 「1L」コンセプトカーやフェイスリフトされたバンも |
E-Up!コンセプト |
フォルクスワーゲンは、同グループのアウディ、ベントレー、シュコダ、セアト、ランボルギーニらとともに、ホール3の1階を占領。その中でアウディと並ぶ面積のフォルクスワーゲンブースでは、2つのコンセプトカーや、「ゴルフR」などが展示された。
「E-Up!コンセプト」は「21世紀のビートル」を標榜し、2011年の市場投入を目指すウルトラコンパクトカーをベースとしたもの。サイズは3190×1640×1470mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2190mmは同社ラインアップ最小の車となる。
シティユースに割り切ったマイクロカーとしてすでに発売されているトヨタ「iQ」と同様に、E-Up!コンセプトは、「3+1」のシートレイアウトを採用した。助手席を運転席より50mm前進させ、その後ろの席のレッグルームを確保している。運転席の後ろのシートは緊急用という位置づけだ。
ショーカーはリチウムイオンバッテリーとモーターによる航続距離130kmの電気自動車となっており、こちらは2013年の投入を目指すと言う。ルーフには太陽電池を備え、現行プリウスのそれと同様に駐車中の車内換気システムのほか、車載機器にも電力を供給する。
ルーフの太陽電池は、室内換気以外の用途にも使われる | ||
コンセプトカーは動力としてモーターを採用 | ||
新開発のディスプレイなども搭載する | コストダウンのためか、サイドウインドーは手動開閉 | iQと同じく3+1のシートレイアウトを採る |
3人乗車時のラゲッジスペースはiQよりも広い | E-Up!コンセプト付近に展示されていた電動スクーター。スマートフォンをハンドルに装着し、ディスプレイやコントローラーとして使う |
もう1台のコンセプトカーは「1L」。1Lの燃料(1Lの場合は軽油)で100km走れる車、というのがそのネーミングの心。2008年に発表された同名のコンセプトカーをさらにリファインしたもので、2013年に発売するとしている。
最大の特徴は細長い形状で、このために乗員2名は前後に並んで乗ることになるが、Cd値は実に0.195になると言う。またモノコックにCFRPを採用し、車重は380kgに抑えられている。
エンジンは2気筒ターボディーゼルで、電気モーターのアシストが付く。このハイブリッドシステムは回生やアイドリングストップにも使われる。さらにトランスミッションにデュアルクラッチATの7速DSGを採用している。
3代目シロッコ、6代目ゴルフなどと同様に“ダ・シルバ顔”になった1L。シートをタンデムに配置し、車体を細長くすることで空気抵抗を減らしている | ||
バックミラーの代わりにディスプレイが置かれたインパネ | 1Lのパワートレーン。モーターはエンジンと7速DSGの間に入る | 1LのCFRP製モノコック |
市販車では、ゴルフに追加される「R」が展示された。最強モデル「R32」に代わるもので、すでにシロッコにも「R」モデルが登場している。エンジンは2リッターの直列4気筒ターボで、R32の3.2リッターV6エンジンよりも20PS高い270PSの出力を誇る。駆動系はR32と同じく4輪駆動「4モーション」を採用する。
さらにこのRのイメージを取り入れた「R-Line」がゴルフ、シロッコ、パサートCCに設定される。R-Line専用のボディーカラーとトリム、前後スポイラーなどを装備する。
またジュネーブショーで公開されたコンパクトカー「ポロ」には3ドアモデルが追加された。
ゴルフの最強モデル「R」。エクステリアはGTIよりアグレッシブでR32よりおとなしい雰囲気。中央2本出しのエキゾーストパイプや18インチホイールを装着する | ||
R専用デザインのシートやステアリングホイールを装備する |
こちらはゴルフ「R-Line」。Rと同じステアリングホイールに専用デザインのシートやエアロパーツを装着する | ||
R-LineはシロッコとパサートCCにも設置される |
ポロのエントリーグレードになる3ドア。プレスカンファレンスではデザイナーのワルター・ダ・シルバ氏が登場し、ポロのダイナミックなスタイリングの魅力を語った |
フォルクスワーゲンの2ボックストールワゴン「マルチバン」も3代目シロッコ同様のフロントマスクに | ||
ポップアップルーフやコンロ、シンク、冷蔵庫などでキャンパーに仕立てられた「カリフォルニア」 |
ボディーをリフトアップし、オフロードタイヤを履かせてオフローダー風に仕立てた「パナメリカーナ」。車内の床に鉄板を敷いてタフな雰囲気に |
(編集部:田中真一郎)
2009年 9月 18日