【2009フランクフルトショー】
ジャガー、新型「XJ」がモーターショーデビュー

アストンマーチンのスポーツサルーンやレース用エヴォーラなど

プレスカンファレンスには新型XJのデザイナー、イアン・カラム氏が登場

2009年9月15日~27日(現地時間)
独フランクフルト
Messe Frankfurt



 ジャガーは7月に発表された新型「XJ」をフランクフルトで公開した。モーターショーへの登場はこれが初めて。また、アストン・マーチンは5ドアサルーン「ラピード」を、ロータスは耐久レース用の「エヴォーラ124」を公開した。

 1968年のシリーズ1以来頑なに守られてきたXJのスタイリングだが、イアン・カラム氏の手になる4代目はXF、XKと共通するテイストでまとめ上げられ、横からは一見5ドアサルーンに見える大胆な変更となった。

 その一方で、異型カバーの奥には丸目の4灯ヘッドライトが残り、ウエストラインがリアに向かって絞り込まれていくボディーと、小さなグリーンハウスという要素は引き継がれ、XJらしさは失われていないように思える。実際、プレスカンファレンスでXJに被さったヴェールが取り除かれると、歓声と拍手がわき起こった。

 操作系にはやはりXF、XK同様に、エンジン起動とともにせり上がるダイヤル型コマンダー「ジャガー・ドライブ・セレクター」が採用されている。インパネからアナログ計器がなくなり、1枚のディスプレイになったこと、センターコンソールのインフォテインメント用ディスプレイが、1枚で運転席と助手席に違う映像を表示できるデュアルビュー・ディスプレイになったことなど、変更点は数多い。

歴代XJのスタイリング要素を、巧みにXF、XKと共通のイメージに巧みにまとめ上げられた新型XJ
カンファレンスが終わり、建物の外に出ると、そこには新型XJが勢揃いしていた
外観からは大きなグラスルーフを備えているように見えるが、内側から見ると2つのサンルーフになっていた
インパネは1枚のディスプレイになり、状況に応じて表示を変える
唯一残されたアナログ計器がこの時計運転席側と助手席側からでは違う映像が見えるデュアルビュー・ディスプレイオーディオはアビー・ロード・スタジオでも使われているBowers&Wilkins
シフトレバーはジャガー・ドライブ・セレクターになった

 

 アストンマーチンがワールドプレミアとしたのは、5ドアスポーツサルーンの「ラピード」。ほかのアストンマーチン車と共通するイメージを持つ5ドアボディーは、4枚のドアと4つのシートを備え、リアシートを倒すとラゲッジスペースを広げることもできる。

 エンジンは6リッターV12で、6速ATを介して後輪を駆動する。2010年からデリバリーが開始されるが、ポルシェ・パナメーラの好敵手になることが予想される。

アストンマーチン伝統のグリルにティアドロップ形状のヘッドライト、長いフロントオーバーハングなど、アストンマーチン車共通のスタイリング要素を持つ
リアシートはセンタートンネルで区切られ、定員は4名となっている
リアシートを倒すとラゲッジスペースを広げることができる。また、仕切りを立てて、ラゲッジスペースとパッセンジャースペースを隔絶することもできる

 ロータスは「エヴォーラ」の耐久レース仕様「タイプ124」を発表した。エヴォーラはトヨタ製3.5リッターV6エンジンをミッドシップに横置きし、2+2シート仕様もあるスポーツカーだ。

 タイプ124のエンジンは、市販タイプ同様トヨタがベースだが、チューンにより400PS以上を絞り出す。カーボンのエアロパーツやロールケージで武装し、2010年のニュルブルクリンク24時間を皮切りに世界を転戦する。

エヴォーラ タイプ124
カーボンの巨大なウィングが付くこれはベースになった市販タイプのエヴォーラ
太いロールケージにバケットシート、シンプルなインパネなど、完全にレース仕様になった室内

(編集部:田中真一郎)
2009年 9月 18日