【2011フランクフルトショー】 2台の都市型モビリティコンセプトを提案するアウディ プロダクションモデルでは「S6」「S7」「S8」を公開 |
前回のフランクフルトショーでは、フォルクスワーゲングループと同じホールに出展していたアウディ。しかし今回は、中庭にショー専用の大型ドームを建てて、その中でカンファレンスや展示車両を並べるという力の入れようだった。
公開された2台のコンセプトカーは「A2コンセプト」「アーバンコンセプト」。ともに都市型の自動車として通勤や買い物などの短距離走行を想定した電気自動車(EV)となる。どちらもアウディが得意とする軽量化技術を使って車両重量の軽減を行っており、その結果A2コンセプトの車両重量は1150kgで、アーバンコンセプトはわずか480kgに収まる。バッテリーやモーターを搭載することで内燃機関搭載車よりも重量が増えがちなEVだが、アウディが作れば軽量なモデルができるという技術力を示したことになる。
発表されたボディーサイズやスペックだが、A2コンセプトは3804mm×1693mm×1494mm(全長×全幅×全高)。搭載するバッテリーはリチウムイオンで、サンドウィッチ構造のフレーム内に収容される。サイズは24kwhもしくは31kwh。フル充電までの所要時間は、400Vの急速充電で1.5時間、230Vで4時間。充電方法は非接触式のワイヤレス充電が可能と言う。一方のモーターの最高出力は116HP、最大トルクは160Nm。0-100kmの加速は9.3秒、スピードリミットは150km/hに制限されている。
外観での特徴は、「マトリックスビームLED」と呼ばれるヘッドランプで、ハイビーム、ロービームのまわりには無数のLEDが埋め込まれる。ボディーサイドにもLEDが使われていて、乗車時はブルー、走行中はオレンジとカラーが切り替わる。また、ルーフも特徴の1つで、採光性のよいモークが入ったガラスルーフになっている。
軽量技術、デザイン性などアウディ独自のノウハウを各所に詰めこんだのが、このA2コンセプトと言えよう。
A2コンセプト |
ステアリングは楕円形 | センターコンソールにはインターネット接続できるモニターを装備 | |
シートは薄型でホールド性のよさそうなもの | ||
ドアハンドルはボディー側に内蔵される | ホイールデザインはe-tronファミリーに共通したクラシカルなツインスポーク |
一方のアーバンコンセプトは、縦に独立した2つのシートが並ぶ独創的なEV。レースカーやオープンカー、ファンカー、都市型モビリティなどのデザインやノウハウを融合したモデルと言う。ボディーサイズは3219mm×1678mm×1189mm(同)。エクステリアデザインは1930年代のレースカーをモチーフにした。
バッテリーはシート下に置かれていて容量は7.1kwh、重量は90kg。航続可能距離は73kmで、充電時間は400Vの急速充電で20分、230Vの充電で1時間となっている。モーターはリアホイールを駆動し、最高出力は20HP、最大トルクは47Nm。0-100km/h加速が16.9秒。最高時速は100km/hでリミッターが作動する。
縦に独立した2つのシートが並ぶ独創的なEVのアーバンコンセプト |
コンセプトカー以外には、エンジンや足まわり、エクステリアデザイン、内装装備など、あらゆるセクションに手を入れられたスポーツラインの「S6」「S7スポーツバック」「S8」に注目が集まっていた。
新開発エンジンのV型8気筒直噴4リッターツインターボを搭載するS8。このV型8気筒エンジンのスペックは最高出力382kW(520HP)、最大トルク650Nm。車重は2tに迫る1975kgという数値だが、0-100km/hは4.2秒。燃費性能にも優れており、10.2L/100kmという値をマークする |
S7スポーツバックもV型8気筒直噴4リッターツインターボエンジンを搭載するが、スペックは最高出力309kW(420HP)、最大トルク550Nmとなる。0-100km/hの加速は4.9秒で、最高速は250km/h。ホイールは20インチだが19インチも選択できる | |
S7と同じエンジンを搭載するS6 |
(真鍋裕行)
2011年 9月 15日