【2011フランクフルトショー】 【フランス】多数のコンセプトカーとニューモデルを公開したフランス勢 プジョーは「508RXH」、ルノーは新型「トゥインゴ」を発表 |
■プジョー
プジョーがフランクフルト・モーターショーで発表した「508RXH」は、508シリーズのクロスオーバーモデル。2012年春に発売を開始する予定となっている。
エクステリアデザインはセダンやステーションワゴンと共通だが、フロントダクト部のLEDデイタイムライトや前後のバンパープロテクター、フェンダーアーチなど、RXH特有のキャラクターも随所に見ることができる。また、ホイールが18インチになるとともに車高が上げられており、走破性も高めていると言う。
パワートレーンは3008にも搭載される「ハイブリッド4」で、2.0リッター 4気筒のディーゼルエンジンにモーターがセットされる。最高出力は147kW、最大トルクは450Nm。燃費は4.2L/100kmでCO2排出量は109g/km。
また、走行モードを選択でき、「オートマチック」「ゼロ・エミッション」「スポーツ」「4WD」の4種類が用意される。
ボディーサイズは4823×1864×1525mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2815mm。現行ラインアップでもっとも大きい508SWと比べてみても、バンパースポイラーやフェンダーアーチの分だけサイズアップしているのが分かる。
508RXH |
エンジンはディーゼルハイブリッドの「ハイブリッド4」。トランク容量は423L |
「508RXH」がプロダクションモデルなのに対し、「HX1」はプジョーが新たに提案するMPVのコンセプトカー。
ボディーサイズは4954×1990×1373mm(全長×全幅×全高)で、MPVと言いつつそのスタイリングはかなりロー&ワイド。流麗なシルエットにより空気抵抗も抑えられていて、Cd値は0.28と優れた数値をマークする。
インテリアは独立した4つのシートが並び、ドアは観音開きとガルウイングを両立するという特徴がある。
搭載エンジンは、ディーゼルハイブリッドのハイブリッド4。2.2リッターのディーゼルエンジンは最高出力150kWで、モーターの最高出力70kWと合わせたシステム出力は220kWとなる。燃費は3.2L/100kmで、CO2排出量は83g/km。バッテリーはプラグインで充電することができ、EVモードにより30kmの走行が可能としている。トランスミッションは6速AT。
HX1 |
昨年のパリサロンで公開されたEVコンセプトカー「EX1」 |
■シトロエン
シトロエンが発表した「Tubik(トゥビック)」は、クルマで旅に出たくなるような空間を演出したコンセプトカー。
9人乗りの室内は、快適なラウンジスタイルを実現。シートレイアウトも多彩で、横に倒したり向かい合わせにしたりできる。室内へのアプローチは上下に大きく開くドアから行う。そのドアは、トラックのウイングタイプのように開くのが特徴となる。
Tubikに搭載されるエンジンはハイブリッド4で、車体による空力効果の向上とともに低エミッションを特徴としたサルーンとなる。
Tubik |
上海ショーで公開されたDSラインのハイエンドモデル「DS5」 |
■ルノー
ルノーはフロントまわりのデザインを大幅に変更した新型「トゥインゴ」を発表した。
この新しいフロントフェイスはルノーの新たなブランドアイデンティティになるとしており、ルノーのラインアップは今後、このトゥインゴに似たフロントフェイスへと変更していくようだ。
ルノーの新たなブランドアイデンティティになるフロントフェイスを採用した新型トゥインゴ |
インテリアはカラーと素材が変更されている |
また、会場にはトゥインゴのマイナーチェンジとともに、2012年モデルのトゥインゴ RSも公開された。
シリウスイエローとブラックのツートーンカラーに塗られたボディーに、F1をモチーフにしたフロントバンパーを装備。その他の部分についてもF1をバックボーンとしたルノー・スポールのこれからの方向性が見られると言う。
インテリアにもRSの特徴を見ることができ、メーターパネルやエアコン吹き出し口、シフトゲートなどはグロスブラックに塗られている。
オプションとして「クリオ RS」「メガーヌ RS」にも装備される、オンボードテレメトリーを取り付けることも可能としている。
トゥインゴ RS。ホイールはニューデザインの16インチとなる |
新型「トゥインゴ・ゴルディーニ」も公開。エンジンは1.2リッター 100HPのガソリン仕様と85HPのディーゼル仕様を用意し、今後「ゴルディーニ RS」として1.6リッター 133HPのホットモデルも登場すると言う。
そのほか、ピュアEVのコンセプトモデル「FRENDZY」も展示された。商用のバンや、ファミリーユースを想定した小型MPVとなる。
Bピラーレスのドアは後席側がスライド式となっていて、そこには37インチのワイドスクリーンをインストール。モニターは商用の広告などに利用できる。リアシートを除いた最大積載スペースは2250Lで、こちらも商用バンとしては十分な容量を確保。
バッテリーはリチウムイオン電池を使用。モーターの出力は60HPで、最大トルクは226Nm。最高速は130km/hと公表されている。
ボディーサイズは4091×1872×1743mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2691mm。
ピュアEVのコンセプトモデル「FRENDZY」 |
昨年のパリサロンに出展した、5ドアハッチバックのEVコンセプトカー「ZOE」 |
(真鍋裕行)
2011年 9月 22日