【2008LAオートショー】 レクサス、新型「RX」を発表 外観はキープコンセプト、内部は一新 |
11月19日~30日(現地時間)RX 450h
Los Angeles Convention Center
レクサス(トヨタ自動車)は19日(現地時間)、LAオートショー会場で新型SUV「RX」を発表した。
1998年に初代が発表され、「ラグジュアリーSUV」というジャンルを作ったとされる。日本ではトヨタ「ハリアー」として販売されているが、3代目からはレクサスRXになる予定。米国では2009年2月から発売される。
今回発表されたのは3代目で、外観はキープコンセプトながら、リアサスペンション、フロントセクション、エンジンなどを一新した、まったくの新車となっている。
用意されるのは3.5リッターのV6ガソリンエンジンを搭載する「RX 350」と、やはり3.5リッターV6ガソリンエンジンとハイブリッドシステムを搭載する「RX 450h」。
RX 450h | ||
RX 350 |
RX 450hはガソリンエンジンをプリウスなどと同じアトキンソンサイクルに変更し、燃費を向上させた。また、リアサスペンションはストラットからダブルウィッシュボーンに変更された。
エンジンは、EGR(Exhaust Gas Recirculation:排気ガス再循環システム)でポンピングロスを減らし、排気熱回収システムでエンジン始動時の燃費を改善。また電気システムに新設計の高出力かつ小型軽量なインバーターを採用した。同社では「V8のパフォーマンスと、直列4気筒の経済性」と謳っている。
RX 350のV6 3.5リッターエンジンは275PSを発生。6速シーケンシャルトランスミッションと組み合わされる。
295PSを発生するアトキンソンサイクルエンジンを採用。燃費が8%改善された | 新設計のインバーターシステム | 排気ガス再循環システムと排気熱回収システムを採用 |
RX 450hのパワートレーン。ハイブリッドシステムの電気モーターは後輪を駆動するE-4WDタイプ。ダブルウィッシュボーンに変更されたリアサスペンションも見える | ||
HYBRIDのエンブレムはサイドシルに |
インテリアでは、「ディスプレイゾーン」と「オペレーションゾーン」を持つ「デュアルゾーンコックピット」を採用。
操作系には新たに「リモートタッチ」を採用。BMWの「iDrive」やホンダの「プログレッシブコマンダー」と同様に、カーナビ、オーディオなどを集中操作できるリモートコントローラーだが、BMWやホンダがジョイスティックやダイヤル形状なのに対し、リモートタッチはエルゴノミックマウスのような形状を採用。
デュアルゾーンコックピットを採用。シフトレバーの下にリモートタッチがある | リモートタッチ。親指の位置にENTERスイッチがあり、そのほかの指で前方のコントローラーを操作する | リモートタッチを操作しているところ |
リモートタッチにはMENUボタンやMAPボタン、高速移動スイッチなども付く | ラゲッジルーム容量は5%増えた |
チーフエンジニアの勝田氏 |
会場でトヨタ自動車のレクサスセンター チーフエンジニア 勝田隆之氏に話を聞いた。
――外観は初代からあまり変わっていない。
RXはこのサイズやスタイリングを気に入っているお客様が非常に多いので、キープしている。しかし、中身は一新されているというのが今回のRXだ。
――ハイブリッド車のエンジンをアトキンソンサイクルにしたのはなぜか。
エンジンをGRシリーズにして効率がよくなり、排気量も大きくなった。これでパワーは担保できるので、燃費を追求できるアトキンソンサイクルにした。
エンジン側では排気ガス再循環システムと排気熱回収システムで、電気モーター側は新しいインバーターなどで効率を上げている。
――プラットフォームは現行ハリアーと違うのか。
フロントプラットフォームは2代目のハイランダー(日本名クルーガー。2代目は日本では発売していない)とできるだけ共用するようにしているが、現行ハリアーとはまったく違う。リアはサスペンション形式をストラットからダブルウィッシュボーンに変更したので、現行ハリアーから見るとまったく違うと言える。
――リモートタッチと、iDriveやプログレッシブコマンダーなどとの違いは?
一番気にしたのは「すぐ使える」というところ。縦横2軸で操作できるのが、一番直感的に扱いやすいと考え、このような形にまとめた。
――こうしたインターフェイスはダイレクト操作スイッチをどの程度付けて、どの程度の操作をメニューに入れるかが議論がある。BMWは最近、ダイレクト操作スイッチの数を増やしてきたが、トヨタはどう考えるか。
スイッチの数はコックピットの中の一等地の取り合いになってしまう。現実的にはスイッチ数のリミットがあるから、どの程度のスイッチを残して、どの程度メニューの階層の中に入れるかは、各社いろいろな考えがあると思う。
これには解はないが、できるだけスイッチ数を減らして、かつ深い階層に入れ過ぎないようにと配慮してまとめたのが今回のリモートタッチ。ぜひ試してほしい。
トヨタ、サイオン、レクサスの3ブランドが同居するブース | ||
レクサスIS 250 F-SPORT。204PSの2.5リッターV6エンジンに6MTを組み合わせる | ||
パリモーターショーで参考出品だったISコンバーチブルは、IS250CとIS350Cとして2009年春に発売される | カムリのCNGハイブリッド・コンセプト | カムリのNASCARマシン |
■URL
2008 Los Angeles Auto Show(英文)
http://www.laautoshow.com/
(編集部:田中真一郎)
2008年11月20日