【2009デトロイトショー】
やじうまデトロイトショー(1)

一般公開日に見る、エコカーの人気度

一番人気はCadillac Converj
1月11日~25日(現地時間)
米国ミシガン州デトロイト
Cobo Center


 デトロイトショーは1月11日に開幕したが、11~13日が報道関係者のみ入場できる「プレスプレビュー」、14~15日が自動車業界関係者向けの「インダストリープレビュー」、16日がチャリティープレビューとなっていて、17日になってやっと一般公開を迎える。

 17日は土曜日で3連休の初日(19日はマーティン・ルーサー・キング・デイで米国は祝日)とあって、折からの寒波と大雪にもかかわらず、朝9時の開場から多数の人がCobo Centerに来場した。

 日本でのデトロイトショーの報道では、「閑散とした」という形容がよく見られたようだ。実際、出展をキャンセルしたメーカーのスペースを埋めようとして埋め切れなかった形跡も見られた。しかし、プレスプレビューやインダストリープレビューは、ブース内でプレスカンファレンスを行うため、多数の報道関係者を収容する空間を作り、アピールするものを際だたせるるべく展示車を絞り込むため閑散としがちなもので、一般公開日となると様相が異なる。

 一般公開日となると、展示を組み替えて多数の車を並べ、、コンパニオンが車の側に立ち、プレゼンテーションを繰り広げ、一気に華やかな雰囲気になる。また会場を満たすのが、どこかしらシラケ顔の報道関係者たちではなく、クルマへの興味と熱意に満ちた一般参観者であることも、プレスプレビューと一般公開日の雰囲気を大きく変える要因になっていると言える。

朝から多数の人が訪れたデトロイトショー。会場の入口ではUAW(全米自動車労組)らが「Buy American」と書かれた袋を配っていた一般公開日に突如ブースを開いたカスタマイズブランドの「DUB」一般公開日にSecretary of State(州務長官)のオフィスからやってきたキモカワキャラ。州務長官は、運転免許や自動車のナンバープレートなど、自動車に関する行政サービスを管轄する部署で、オンラインで各種手続きができることをアピールしていた

 さてその一般公開日初日に訪れた人々の反応を見ていると、会場で最も人気があるのはGMのコンセプトカー「Cadillac Converj」、次いで同じくGMの「Volt」のようだ。どちらも「Extended-Range EV」と呼ばれるハイブリッドカーで、内燃機関は発電のみに使われ、電気モーターで走行する。非常にスタイリッシュなのも2台に共通するポイントで、とくにConverjのまわりに集まった人々からは「ビューティフル」「エレガント」という声が多く聞かれた。

 日本で話題のハイブリッドカー3車種、ホンダ「インサイト」とトヨタ「プリウス」、レクサス「HS250h」だが、こちらはコンパニオンによるプレゼンテーションがないためか、車の周囲にはあまり人がいない。唯一、人だかりがしていたのはHS250hのカットモデルの前で、トヨタ独自のハイブリッドシステムには大いに興味が持たれているようだ。

 欧州勢ではAudi「Sportback concept」、Volkswagenの「Concept BlueSport」の人気が高い。オートショーという場なので、華やかな展示や非日常的なもの、夢の車に注目が集まる傾向は大いにあるが、エコカーでも「華」「かっこよさ」といったものが求められているのも事実ではないだろうか。

Voltにも注目が集まるちょっと寂しい日本勢のブースだが
HS250hのカットモデルには人だかりアメリカのオトーサンたちが好きなのはやっぱりこういうクルマ

URL
North American International Auto Show(英文)
http://www.naias.com/

(編集部:田中真一郎)
2009年1月26日