【2010北京ショー】メルセデス・ベンツ、2つのワールドプレミア
中国での販売、2010年は10万台超目指す

メルセデス・ベンツブース

2010年4月23日~5月2日
中国 北京市 中国国際展覧中心



 メルセデス・ベンツは北京国際自動車展覧会(Auto China 2010)で2台のワールドプレミアを披露した。

 1台は「コンセプト・シューティング・ブレーク」。自らコンセプト・シューティング・ブレークを運転してステージに登場したディーター・ツェッチェ会長は「この魅力的なクルマは、自動車界の2つの結論、つまり“実用的なワゴン”と“セクシーなクーペ”を融合したもの」と紹介。

 2008年のパリ・モーターショーで発表したデザインスタディ「ファシネイション」を思わせるスポーティーなワゴンだが、ファシネイションが3ドアだったのに対し、こちらは5ドア。しかし同社のスポーツ同様に、スリーポインテッドスターはフロントグリルに収められている。また、現行Eクラス(W212)と同じくリアフェンダーはポントン・スタイルとなる。室内はセンターコンソールが室内を区切る完全な4シーターだ。

 ドアハンドルが格納式だったり、荷室に“ゴルフボール入れ”があったり、インストルメントパネルの表面処理がやや特殊なほかは、奇をてらったことはしておらず、すぐにでも発売できそうな仕上がりだ。

クーペのようなルーフラインとフォルムと彫りの深い顔立ちを持つ「コンセプト・シューティング・ブレーク」。シューティング・ブレークとは狩猟用の軽快な馬車に端を発するボディ形状で、ジャガーXJSなどのスポーティーなクーペの後部をワゴンに改造したものが代表的。したがって多くは3ドアだが、このクルマは5ドア
ゴルフボール入れ(右下)以外は突飛なことはやっていない、すぐにでも発売できそうなインテリア

 もう1つのワールドプレミアはW212 Eクラス セダンのホイールベースを140mm伸ばしたロングバージョン。伸びた分のスペースは後席のレッグルームにあてられ、ショーファードリブンカーとしての利用が想定されている。

 Eセグメント車のストレッチバ-ジョンは中国市場独特のもので、アウディA6やボルボS80のロングバージョンがあるほか、今回のショーではBMWが新型5シリーズのストレッチバージョンを発表している。メルセデス・ベンツは最後発で、これが同社にとって初の中国市場専用車でもある。

日本風に言えば「Eクラス ロング」。展示車はE 300ベースだが、E 260 CGIベースのBlueEFFICIENCYモデルもある
後席は電動でスライド、リクライニングが可能

 

コンセプト・シューティング・ブレークを運転して現れたツェッチェ会長2010年第1四半期は前年同期比112%増の約2万4000台を販売。通年で10万台超を目指す
続いてステージに登場したのはSLS AMG。ドライバーズシートからミカ・ハッキネンが降り立ったSLS AMGは電気自動車版の計画も
リオナ・ルイスの歌とともに紹介されたEクラス カブリオレ。ステージに登場した実車から、リオナ本人が登場した
最後にEクラス ロングが登場
メルセデス・ベンツ ブースに掲げられた見事な書。実はみなアルファベットを組み合わせたもの。左から「ELEGANCE」「EXCELLENCE」「SAFETY」

(編集部:田中真一郎)
2010年 4月 25日