【2010デトロイトショー】
ホンダ、ハイブリッドスポーツ「CR-Z」の量産型を公開

「燃費のよいクルマ」としても評価されたCR-Xの後継

CR-Z量産型

1月11日(現地時間)公開



ホンダの伊東社長

 本田技研工業は1月11日(現地時間)、「2010 North American International Auto Show」(デトロイトショー)のプレスカンファレンスで、ハイブリッドスポーツカー「CR-Z」の量産型を公開した。北米では2010年夏発売の予定、日本では2月に発表される。価格は明らかにされていない。

 CR-Zはシビック・ハイブリッドやインサイト同様に、同社独自のハイブリッドシステム「IMA」を搭載したFFスポーツカー。3ドア・ファストバックボディーのフロントに、IMAを搭載する。内燃機関を電気モーターが常時アシストし、ニッケル水素充電池を採用するのは従来のIMAと同じだが、ガソリンエンジンの排気量がインサイトの1.3リッターから1.5リッターに拡大される。インサイトと同じくi-VTECを名乗るが、動弁機構は異なる。

 また、トランスミッションはCVTのほかに6速MTが用意され、ドライビングモードは「ノーマル」「ECON」に、「スポーツ」が加えられる。またサスペンションのロアアームにアルミを採用するなど、軽量化も図られている。

アメリカ・ホンダ・モーターのジョン・メンデル エグゼクティブ・バイス・プレジデントが運転する赤いCR-Zがプレスカンファレンスのステージに登場した
6速MTを用意。システム出力は122HPスポーツモードを備える

 プレスカンファレンスでは、同社の伊東孝紳社長が登場。ホンダとしては燃料電池をゼロ・エミッション車の本命としているものの、当面の環境対策としてハイブリッド車を展開しており、CR-Zもその一環と述べた。ステージ上のスクリーンには伊東社長もシャーシの開発に加わったと言う「バラードCR-X」が映し出され、スポーティーであると同時に「燃費のよいクルマ」としても評価されたCR-Xの精神を受け継いだものとして、CR-Zを紹介した。

 CR-Zをスポーツカーとして開発するにあたって、開発責任者である本田技術研究所の友部了夫 LPL 主任研究員は「(タイプRのような)ピーキーなエンジン特性や固められた足まわりという方向の、“汗をかいて運転する”というような演出はしていない。私は“インテリジェント・スポーツ”と呼んでいるが、軽量化やスタイリングでスポーツカーらしさを出した。本来スポーツカーは軽量で、エンジンの効率、そして空力がよいという点でエコカー」としている。

 また、6速MTの採用はスポーツカーとしての要件のほかに、欧州のこのクラスではMTが圧倒的多数だからと言う。フィアット500やアルファ・ロメオ ミト、アウディA1、MINIといった、プレミアムAセグメントカーとしての役割も負っているようだ。

会場には白いモデルも展示された
IMAを搭載するエンジンルームCR-Zのカットモデル。後部にニッケル水素充電池を搭載する
コクピット。インサイト同様にエコトレーニング機能を備える

「アコード・クロスツアー」も展示

LAショーで公開されたアコードのクロスオーバーモデル「アコード・クロスツアー」も展示されていた

(編集部:田中真一郎)
2010年 1月 12日