【2010デトロイトショー
フォルクスワーゲン、ハイブリッド・クーペ「NCC」を公開


フォルクスワーゲンのブース

1月11日~24日(現地時間)
米国ミシガン州デトロイト
Cobo Center

 フォルクスワーゲンは1月11日(現地時間)、「ニュー・コンセプト・クーペ(NCC)」を世界初公開した。

 NCCのサイズは4540×1780×1410mm(全長×全幅×全高)、ホイールベース2650mm。「ゴルフ」に近いサイズの3ボックスクーペだ。プレスリリースでは3ドアクーペ「シロッコ」と4ドアクーペ「パサートCC」の間に位置するとしている。

 3ボックス形状を採るところから、次期「ジェッタ」のデザインを予告するものとも考えられるし、こうしたクーペの市場がある北米などに向けて企画されているのかもしれない。

2009年のデトロイトではミッドシップのライトウェイトスポーツカーのコンセプトモデルを公開したフォルクスワーゲン。あの時と同じように、デ・シルヴァ氏がコンセプトカーを運転して登場した

 パワートレーンは1.4リッター直列4気筒直噴ターボエンジンの「TSI」と電気モーター、7速のデュアルクラッチAT「DSG」を組み合わせ、前輪を駆動する。最高出力はエンジンが110kW(150PS)、モーターが20kW(27PS)。モーター用のバッテリーは1.1kWhのリチウムイオン。

 このパワートレーンはモーターのみでの走行モードを持っており、同社はNCCをフルハイブリッド車に分類している。モーターはエンジンとDSGの間にあるが、モーターのみで走行する場合は、エンジンとモーターの間にあるクラッチを切り、エンジンによる走行抵抗をなくしている。

 スタイリングは、フォルクスワーゲンらしいクリーンかつシンプルで、コンサバティブな3ボックスクーペ。5角形の前後ランプクラスター、ヘッドライトを結ぶ横長のグリル、張りのある面に前後ランプクラスターを結ぶキャラクターライン、張り出したホイールハウス、太いリアクォーターピラーなど、3代目シロッコ、6代目ゴルフ、5代目ポロでおなじみになったワルター・デ・シルヴァのデザイン言語を、NCCも纏う。スポイラー様の造形になったトランクリッドに、リアで跳ね上がったキャラクターラインがつながるところや、張り出したフロントマスクの“おでこ”といったディテールは、デ・シルヴァ氏がデザインしたアウディA4、A5などを思わせる。

 2ドアクーペとしては長いホイールベースが(ちなみに6代目ゴルフは2575mm)を活かして、室内はゆとりをもって4人が乗れる広さになっている。トランク容量は明らかにされていないが、やはりゆとりのある大きさで、ドイツ車らしい実用的なクーペになっている。

開けてよいのはトランクだけで、エンジンルームや室内を開けて見ることはかなわなかった。しかし、室内、トランクとも余裕のある広さであることが見て取れた。後席は独立した2座

North American International Auto Show(英文)
http://www.naias.com/

(編集部:田中真一郎)
2010年 1月 12日