【2010デトロイトショー】 GM、今年は怒涛のダウンサイジング攻勢 |
破産法適用から1年が経とうとしているGMだが、今回のデトロイトショーでアピールするのは、「ダウンサイジング」だ。もちろん、これまでどおりフルサイズのピックアップやSUVのラインアップがいきなりなくなるわけではないが、プレスカンファレンスに登場したのも、ブースの一等地を占めるのも、欧州車と見紛うコンパクトカーとハイブリッドカーだ。
まず核となるのが1.4リッター直列4気筒ターボエンジン。世界戦略車「クルーズ」に搭載するほか、このエンジンを搭載する「シボレー・アヴェロRS」と「GMCグラナイト」の2種のコンセプトカーを2種類用意した。
アヴェロRSは、クルーズより小さな5ドアのコンパクトカーで、若いユーザー層に向けのスポーティカーだ。トランスミッションとして6速MTを搭載し、三菱のジェットファイターグリル風フロントマスクと、後方に向かってなだらかに下がるルーフラインが特徴のアグレッシブなスタイリングを持つ。2011年の販売を目指すだけあって、コンベンショナルな作りとなっている。
ピックアップなどを手がけるGMCブランドのグラナイトも若者向けで、トヨタbB(米国ではサイオンブランドで販売)などを仮想敵とするコンパクトワゴンだ。こちらは観音開きのドアを持つなどショーカー然としたもの。
クルーズと、1.4リッターターボエンジン | ||
クルーズと同じパワープラントを搭載するスポーツモデル、シボレー・アヴェロRS | ||
GMCブランドの1.4リッターターボ搭載車はグラナイト | ||
グラナイトは観音開きのドアを持つハイトワゴンだ |
この1.4リッターターボ3兄弟とは別に、2009年からリリースを予告しているリッターカー「スパーク」が展示された。前回のデトロイトでは「ビート」の名で出展された3ドアコンパクトだが、今回は5ドアとなり、ルーフレールを持つユーティリティビークル風のスタイリングになった。
プラグイン・ハイブリッドカーの「ボルト」は、2010年後半に、ミシガン州とカリフォルニア州で先行販売されると発表された。ショーカー自体は、前回展示されたものとあまり変わらないように見えるが、ボンネットのオープニングラインが異なるなど、販売に向けて変更が加えられていることがわかる。
5ドアになったシボレー・スパーク | ||
今年後半の発売に向けてより現実的になってきたプラグイン・ハイブリッドのボルト |
キャディラックのプレスカンファレンスに自走して登場したXTSプラチナム |
前回はプラグイン・ハイブリッド・クーペのコンセプトカー「コンバージ」を展示したキャディラックブランドだが、今年のコンセプトカー「XTSプラチナム」はプラグイン・ハイブリッド・サルーンだ。3.6リッターV型6気筒直噴エンジンにモーターを組み合わせたハイブリッドシステムは、最高出力260kWで、4輪を駆動する。
同時に出展されたのは、LAショーで発表されたCTSクーペのハイパフォーマンスバージョン「CTS-Vクーペ」だ。6.2リッターV型8気筒エンジンにスーパーチャージャーを組み合わせ、415kWを発揮する。ブレーキはブレンボ製で、6速MTとパドルシフト付ATが用意される。北米では初夏に発売される予定だ。
North American International Auto Show(英文)
http://www.naias.com/
(編集部:田中真一郎)
2010年 1月 14日