【2010パリショー】BMW、オート・スタート・ストップ機能を搭載した新型「X3」公開
2+2シーターの「コンセプト 6シリーズ クーペ」もワールドプレミア

パリモーターショーでワールドプレミアとなった新型X3

会期:10月2日~17日(現地時間)
会場:フランス パリ Paris Expo Porte de Versailles



BMWグループ取締役のイアン・ロバートソン氏

 BMWは、ここフランスの地で新型SAV(スポーツ・アクティブティ・ビークル)「X3」と「コンセプト 6シリーズ クーペ」をワールドプレミアした。

 プレスカンファレンスには、BMWグループの販売/マーケティング担当取締役のイアン・ロバートソン氏が登壇。新型X3についてサスペンションが進化したことや、ターボディーゼルエンジンのCO2排出量が抑えられたことなどについて触れた。

 また、コンセプト 6シリーズ クーペのデザインは同社のヴィルヘルム・ホフマイスター氏によって手がけられたことのほか、スレンダーなピラー、コンパクト化したキドニー・グリル、Cピラーのホフマイスター・キンク(Hofmeister kink)などがデザインの特徴であることを述べた。

颯爽と会場に登場した新型X3やコンセプト 6シリーズ クーペ、アクティブE。コンセプト 6シリーズ クーペ登場前にはデザインの礎となったBMW 3.0CSLが登場する計らいも

 新型X3は、従来モデル同様にフルタイム4WDシステム「xDrive」を標準装備するが、新型はハンドリング性能とトラクション性能のブラッシュアップを目的に、一定速度でのコーナリング中に駆動力をより多く後輪に配分する味付けがなされると言う。

 サスペンションとパワーステアリングも一新された。

 サスペンションはフロントのダブル・ジョイント・スプリング・ストラット・アクスルに5リンク・リア・アクスルを組み合わせたことで、俊敏性と快適性を両立したと言う。Xシリーズで初となる電子制御ダンパー内蔵の「ダイナミック・ダンピング・コントロール」システムがオプションで設定され、センターコンソールのボタンにより走行状況に応じたダンパーの減衰力調整が可能となる。

 また、パワーステアリングはEPS(エレクトリック・パワー・ステアリング)を採用したほか、オプションで用意される新開発のバリアブル・スポーツ・ステアリングを装着することで、鋭角コーナーを最小限のステアリング操作で舵角変更が可能と言う。

 グレードは4気筒ターボディーゼルエンジンを搭載する「X3 xDrive 20d」と、6気筒ガソリンエンジンを搭載する「X3 xDrive 35i」の2ラインアップ。

4気筒ターボディーゼルは各シリンダーに高圧で燃料を供給するコモンレール式燃料噴射システムを採用し、最高出力135kW/4000rpm、最大トルク380Nm/1750-2750rpmを発生し、0-100km/h加速は8.5秒、最高速度は210km/h、CO2排出量は149g/km。

6気筒ガソリンエンジンは最高出力225kW/5800rpm、最大トルク400Nm/1300rpmを発生し、0-100km/h加速は5.7秒、最高速度は245km/h、CO2排出量は204g/km。

 トランスミッションはxDrive 20dが6速MT(オプションで8速ATも設定)、xDrive 35iが8速ATを標準装備し、8速AT搭載車はエンジンを自動的に停止/再始動する「オート・スタート・ストップ機能」が搭載される。

 会場には、2011年から導入されるX3 Mスポーツ・パッケージ装着車も展示されていた。

グレードはxDrive 20dとxDrive 35iの2モデル構成
Mスポーツ・パッケージ装着車

 コンセプト 6シリーズ クーペは、「プレミアム・クラスの2+2シーター」をコンセプトに、美しさと運動性能に対するBMWの情熱を具現化したもので、「ロング・ノーズ」「ショート・オーバーハング」「ロング・ホイールベース」「低い姿勢のシルエット」「ダイナミックなルーフ・ライン」など、かつてのBMWクーペ特有のデザインをモチーフにデザインされたと言う。

 エクステリア上での大きな特徴は、クルマの動きに合わせて照射方向を変化させるアダプティブ・ヘッドライト機能を内蔵した新開発「フルLED式ヘッドライト」の採用で、鮮やかな白色光を放つと言う。

 リアエンドではL字型テール・ライトを装着し、ユニット内部はLEDライト・ストリップを2本組み込むほか、ターン・インジケーター、テール・ライト、ブレーキ・ライトにもLEDを使用する。

かつてのBMWクーペ特有のデザインをモチーフにデザインしたと言うコンセプト 6シリーズ クーペ

 そのほか、ディーゼルエンジンとモーターのハイブリッドパワートレーンを持つコンセプトカー「ビジョン・エフィシエント・ダイナミクス」や、EV専用バッテリーを搭載する「アクティブE」のほか、コンパクトなリチウム・イオン・バッテリーを搭載し、後輪に電気モーターを内蔵する電動二輪車「MINI スクーター E コンセプト」を登場させ、クルマのみならずモビリティ全体で環境性能の改善を図るという、同社のビジョンを示していた。

ビジョン・エフィシエント・ダイナミクス
MINI スクーター E コンセプトX6 アクティブ・ハイブリッド118d カブリオ
325d カブリオZ4 sDrive 35is
335i クーペ

(編集部:小林 隆)
2010年 10月 7日