パリモーターショーには、日本メーカー各社も出展。トヨタは11月下旬に日本で発売する予定の新型ラクティスの欧州版「Verso-S」、ホンダは10月8日に日本で発売するフィット ハイブリッドの欧州版「ジャズ ハイブリッド」、三菱は欧州版「i-MiEV」などを披露。その内容を、メーカーごとに紹介する。

プレスカンファレンスで登壇した欧州トヨタのディディエ・ルロワ社長

■トヨタ自動車
　コンパクト2BOXの「Verso-S」は、1.3リッター デュアルVVT-iガソリンエンジンと1.4リッター コモンレール式直噴ディーゼルエンジンの2モデルをラインアップ。トランスミッションは6速MTと7速シーケンシャルシフトマチックを採用する。

　ボディーサイズは3990×1695×1595mm（全長×全幅×全高）、室内サイズは1875×1420×1310mm（室内長×室内幅×室内高）で、足下スペースの広さと高さのある荷物を載せられるラゲッジスペースの収納力の高さがポイントとなる。現行モデル同様、開放感のあるパノラマルーフも備える。

　トヨタブースには、そのほかにも欧州32カ国ですでに販売されている「オーリス ハイブリッド」のほか、小型FRスポーツコンセプト「FT-86 Concept」やコンパクトハイブリッドのコンセプトモデル「FT-CH」、EVコンセプトカー「FT-EVII」、「プリウス プラグイン ハイブリッド」などを展示していた。

Verso-S

オーリス ハイブリッド
FT-CH
FT-EVII
FT-86 Concept	プリウス プラグイン ハイブリッド

■本田技研工業
　10月8日に日本で公開となるフィット ハイブリッドの欧州版「ジャズ ハイブリッド」を展示。

　直列4気筒1.4リッターエンジンに、コンパクトなハイブリッドシステム「IMA（インテグレーテッド・モーター・アシスト）」を組み合わせ、エンジン単体で65kW/121Nm、モーター単体で10kW/78Nmを発生する。

　なお、燃費については欧州複合モードにおける燃費測定で、100km走行するのに必要なガソリン量を4.4L（22.7km/L）としている。CO₂排出量は104g/km。

ジャズ ハイブリッド
CR-Z	シビック TYPE R EURO	インサイト

■三菱自動車工業
　12月からフランス、イギリス、ドイツなど14カ国で販売が始まる電気自動車（EV）「i-MiEV」の欧州版を出展。

　日本仕様との違いは、前後バンパーの意匠と、インストゥルメントパネルの中央部を改良して居住性が高められたこと。機能面ではASC（アクティブ スタビリティ コントロール）やサイド＆カーテンエアバッグが標準装備されている。

　また、10月6日には岡山県倉敷市の水島製作所において、欧州仕様のi-MiEVおよびPSAプジョー・シトロエン向けの「iOn」「C-ZERO」の生産を開始しており、PSA向けとあわせて5000台の車両を生産する。

欧州市場向けのi-MiEV
ランサーエボリューション	パジェロ ロング 3.2 DI-D	ピックアップトラックL200

■マツダ
　マツダは、Mazda 2（日本名：デミオ）の2011年モデルを欧州で初公開。

　デザインDNAである「アスレチック」表現をさらに進化させ、「動き」の表現を追求したと言う。オーバーハングは切り詰められ、ウェッジシェイプデザインが与えられた。

　ブースでは2.2リッターディーゼルエンジン（173PS）の「MAZDA CX-7」、1.6リッターディーゼルエンジン（115PS）の「MAZDA 3（日本名：アクセラ）」、1.6リッターディーゼルエンジン（115CH）の「MAZDA 5（日本名：プレマシー）」なども出展。

　そのほか、初代「MAZDA MX-5（日本名：ロードスター）」や「コスモ スポーツ」、「R360 クーペ」といった懐かしい顔ぶれも並んでいた。

Mazda 2
MAZDA CX-7	MAZDA 3	MAZDA 5
初代MAZDA MX-5	コスモ スポーツ	R360 クーペ

■スズキ
　スズキは新型スイフトを展示。欧州向けのモデルは、1.2リッターガソリンエンジン車と1.3リッターディーゼルエンジン車が設定され、新たにアイドリングストップ機構が設けられた。欧州市場向けの供給拠点であるハンガリーのマジャールスズキで6月から生産が始まり、9月から市場に投入されている。

　そのほか、内外装の一部をスポーティにしたスズキの旗艦モデル「キザシ」のスポーツバージョンも展示されていた。

1.3リッターディーゼルエンジンを搭載したスイフト
キザシ スポーツバージョン