【2012ジュネーブショー】 ハイブリッドカーのラインアップ拡充を図るトヨタ 「ヤリスハイブリッド」や次世代コンパクトハイブリッドカー「FT-Bh」を公開 |
アンベールされる「ヤリスハイブリッド」 |
トヨタは、ジュネーブモーターショーでプレスカンファレンスを行い、「欧州市場ではこれまでよりもハイブリッドカーへの期待や需要が増えている」と言い、ハイブリッドカー技術をリードしてきたトヨタとしては、さらなるシェアの拡大を目指していることを語った。欧州ではすでに100万台のハイブリッドカーが走っているが、さらなる需要を掘り起こすにはコンパクトセグメントが必要とのことで、Bセグメントの欧州用「ヤリスハイブリッド」を導入する。
ヤリスハイブリッドに搭載される1NZ-FXEは、国内ではすでにアクアで採用している。モーターの出力は、アクアが最高出力45kW/最大トルク169Nmなのに対し、ヤリスハイブリッドは60kW/207Nmと、出力をアップしている。最高速は165km/hをマークし、0-100km/h加速は11.8秒としている。欧州基準の燃費は3.5L/100kmで、CO2の排出量は79g/km。どちらも同セグメントではトップとなる。ボディーサイズは3905×1695×1510mm(全長×全幅×全高)。
ヤリスハイブリッド |
また、次世代のコンパクトハイブリッドカーと予想される「FT-Bh」のワールドプレミアも行った。
FT-Bhは、燃費や環境性能の効率性を求めるためにエンジンのダウンサイジング、ボディーの軽量化、空気抵抗を低減するボディーデザインを採用。搭載するエンジンは2気筒1.0リッターで、高圧縮化と直噴技術を盛り込んでいる。2気筒にすることで大幅にエンジン本体の軽量化が可能で、プリウスが搭載する4気筒に対して38kgも軽いと言う。
ボディーサイズは3985×1695×1400mm(全長×全幅×全高)。環境性能向上のため空気抵抗のドラッグを抑制するエクステリアデザインを採用している。結果としてCd値は0.235とスポーツモデル並みの値に抑えられた。また、コンパクトサイズながら室内空間の居住性や使い勝手も考えられていて、4人の大人が不自由なく座れると言う。
エンジンの高効率化とともに求めているのが軽量化。エンジンやバッテリー、モーターなどの機関部品を軽くすることや、ボディー材質などを置換することにより、Bセグメントでは圧倒的な786kgという重量を実現している。
軽量化とエンジン、そしてボディーデザインの高効率化により、燃費は2.1L/100km、CO2の排出量は49g/kmと、4人が乗車できるコンパクトカーとしてはこちらも圧倒的な数値を記録している。
FT-Bh |
そして、ワールドプレミアではないものの、欧州で初公開となったモデルがいくつかある。市販モデルでは、国内で4月に発売を開始する「86」の欧州版「GT86」。ステアリング位置の違いこそあるが、ボディーデザインやインテリアなど、専用となっている個所は少ないようだ。
GT86 |
先行開発としてニュルブルクリンクでの耐久レースに参戦していた86 |
デトロイトモーターショーで公開された「NS4」は、市販化されるプリウスプラグインハイブリッドの次世代を担うモデル。ボディーサイズは4650×1770×1370mm(全長×全幅×全高)と、プリウスよりも大柄なボディーとなる。
NS4 |
燃料電池車の「FCV-R」は、東京モーターショーで公開されたコンセプトカー。2015年からの発売を想定していて、現在実証実験などを行っている。
FCV-R |
「diji」も東京モーターショーで公開されたコンセプトカーで、東京では「Fun-Vii」と呼ばれていた。スマートフォンによってエクステリアの表示を変更することや、ネットワークを使ってシステムをアップデートすることを可能にしている。
diji |
http://car.watch.impress.co.jp/backno/event_repo/index_c270s1407.html
(真鍋裕行)
2012年 3月 8日