【2012ジュネーブショー】 BMWはラグジュアリーな4ドアクーペ「6シリーズ グランクーペ」を公開 M6クーペ、Mパフォーマンスなどもワールドプレミア |
BMWがジュネーブモーターショーで公開したモデルは、ニューレンジとなる6シリーズ初の4ドアモデル「グランクーペ」や、BMWの中でもっともハイパフォーマンスなMシリーズの「M6クーペ」「X6M」など、コンセプトカーではなく数多くの市販モデルだった。
また、1や3シリーズでは、アクティブハイブリッドや116dなど環境性能や省燃費性に優れた高効率モデルも展示され、ハイパフォーマンスからエココンシャスなモデルまで、幅広いラインアップを展開していたのが会場での特徴となっていた。
ワールドプレミアの中でもっとも注目を受けたのが、6シリーズに新たに追加されたグランクーペ。メルセデス・ベンツがCLSで開拓したラグジュアリーでスポーティな4ドアクーペシリーズは、その後ポルシェのパナメーラやアウディのA7スポーツバックなどが追いかけ、今ではセダンの中でも大きなマーケットとして確立している。
グランクーペは、6シリーズクーペが持つ流れるようなルーフラインを4ドア化しつつも維持しているのが最大の特徴。ボディーサイズは5007×1894×1392mm(全長×全幅×全高)と、全長が6シリーズクーペより長くなり、リアシートのスペースを確保するためにホイールベースは113mm延長された。
搭載されるエンジンのラインアップは、直列6気筒3リッターツインターボのガソリンとディーゼルモデル。640iのガソリン仕様は320HP、640dのディーゼル仕様は313HPの最高出力を発生する。トップエンドとなるグレードは650iで、V型8気筒4.4リッターツインターボエンジンを搭載。最高出力は450HPで最大トルクは650Nm。組み合わせるトランスミッションは8速ATで、スタート&ストップやエコプロモードといった省燃費性を併せ持っている。
グランクーペは、5シリーズや7シリーズと同じディンゴルフィング工場で生産され、発売開始は6月から。まず640iからリリースされ、秋にはV8ツインターボの650iを市場に導入すると言う。
「6シリーズグランクーペ」。ボディーサイズは5007×1894×1392mm(全長×全幅×全高)と、全長が6シリーズクーペより長くなった。ラゲッジスペース容量は460Lだが、リアシートを倒すと最大で1265Lまで拡大できる |
ワールドプレミアモデルで注目を受けたもう1台は「M6クーペ」。6シリーズの持つエレガントさを保ちつつ、Mシリーズのスポーティさを各部に加えている。ルーフはカーボンに材料を置換していて、カーボンルーフはボディーカラーとのコントラストでスポーティさを演出している。
エンジンは、新型M5で新たに搭載された直噴のV型8気筒4.4リッターツインスクロールターボ。バルブトロニックも組み合わせていて最高出力は560HP/6000-7000rpm、最大トルクは680Nm/1500rpmをマークする。最高速はMドライバーズパッケージで305km/h。通常は250km/hリミッターで制御される。0-100km/h加速は4.2秒、0-200km/h加速は12.6秒。パワー、トルクともにMシリーズの先代エンジンよりも向上しつつ、燃費性能を9.9L/100kmと約30%も改善した。
V型8気筒エンジンにセットするトランスミッションは7速DCT。ローンチコントロールやロースピードアシストの機能が付く。また、リアの左右輪のトルクを制御するアクティブMディファレンシャルやサスペンションを制御するダイナミックダンパーコントロール、ダイナミックスタビリティコントロールなどの電子制御を装備する。
「M6クーペ」 | |
X6シリーズのMモデル「X6M」 |
その他には、BMWの新しいカテゴリーとなるMパフォーマンスの車両が公開された。Mパフォーマンスは、M社がドライブトレーンやサスペンション、エアロパーツをセットアップしたモデル。まずは、「M550d xDrive」「M550d xDriveツーリング」「X5 M50d」「X6 M50d」の4台がMパフォーマンスとして登場する。
4台に共通するのは、直列6気筒3リッターディーゼルエンジンに3つのターボチャージャーをセットしたハイパフォーマンスエンジン。最高出力は381HPで最大トルクは740Nm。組み合わせる8速AT、4WDのxDrive、サスペンションもM仕様となっている。
「M550d xDrive」 | |
「X6 M50d」 |
モデルチェンジを行った1シリーズのMスポーツモデル「M135i」 |
3シリーズの「アクティブハイブリッド」。EVモードでの走行も可能なガソリンエンジンとモーターのハイブリッドモデルとなる。今秋に市販する予定 |
ラインアップ中でもっとも環境性能に優れた「116d」 |
http://car.watch.impress.co.jp/backno/event_repo/index_c270s1407.html
(真鍋裕行)
2012年 3月 13日