【2012 パリショー】 ポルシェがPHVのコンセプトカー「スポーツツーリズモ」を先行公開 パリショー前夜に「フォルクスワーゲングループナイト」開催 |
モーターショーのプレスデー前日に開催される恒例イベント「フォルクスワーゲングループナイト」。直近のモーターショーとしては、北京、モスクワ、サンパウロに続き、今回のパリでも開催される運びとなった。
南欧各国の債務危機から派生した欧州危機という厳しい状況に陥っているヨーロッパだが、フォルクスワーゲングループは、グローバルで今年の1-8月の間に600万台の販売を記録した。欧州危機の中でも堅実な進捗を見せていて、今後もR&Dなどに10億ユーロを投資するなど各分野で変わらない進化を遂げていく予定。
この欧州危機を乗り越えるために、フォルクスワーゲングループでは若年層の職業訓練や、南欧各国の博士や修士課程を卒業するエンジニアを積極的に採用していくと言う。若年層の職業訓練では、仕事をしながらキャリアアップができるようなトレーニングや人間教育を重視し、より多様性のある人材を育てていく。
そして、フォルクスワーゲングループは、2018年までに自動車メーカーでトップのセールスを目指して開発やテストを行っており、その目標を達成するために欠かせないのがPHV(プラグインハイブリッド)モデルになる。PHVは都市での移動はEV走行のみで動くことを想定し、中長距離ではエンジンで駆動させる。そのためEVでネックとなる航続距離の心配もなく、近い将来のメインボリュームとしていくそうで、積極的に新たなモデルを導入していく。
現時点で分かっている新たなPHVモデルは、フォルクスワーゲンのゴルフやパサート、フェートンなど、アウディのA6、A8、Q7、ポルシェの918スパイダー、パナメーラハッチバックなど。その他にも多くのモデルでPHVがリリースされることになっていて、フォルクスワーゲングループの各ブランドからPHV車両が販売されることになる。
今回のフォルクスワーゲングループナイトのハイライトとなったのは、ポルシェの「スポーツツーリズモ」。パナメーラのハッチバックモデルで、前述の通りにPHVで登場することになる。また、フォルクスワーゲンは、先日ワールドプレミアを行った7代目ゴルフのもっともエココンシャスなブルーモーションを公開した。その他では、アウディのA3スポーツバックやランボルギーニの新型ガヤルドなどが挙げられる。
明日から始まるパリモーターショーでは、グループナイトで公開されたモデル以外にも多くの注目車両のワールドプレミアが予定されているので、順次リポートしたい。
パナメーラのワゴンモデルとなる「スポーツツーリズモ」。パワートレーンは、パナメーラSハイブリッド、カイエンSハイブリッドに採用するパラレル方式のハイブリッドシステムを進化させたPHV。モーター単体で約70kW(95PS)、スーパーチャージャー付きV型6気筒3リッターエンジンで245kW(333PS)を発生し、システム全体で306kW(416PS)のパワーを生む |
こちらも初公開となった「991型カレラ4S」 |
北京モーターショーで初公開されたA3の5ドアモデル「A3スポーツバック」 |
ランボルギーニは新型となったガヤルドLP560-4などを公開 |
7代目となる新型ゴルフのブルーモーション。消費燃料は3.2L/100km、CO2排出量は85g/km。先代に比べ15%の性能向上を果たしている |
フォルクスワーゲンの商用部門から発表された「Cross Caddy」。商用以外にもファミリーユースを想定している |
ベントレーはコンチネンタルGTをベースにしたGT3車両を公開。2013年には各国のサーキットで走行する姿が見られると言う |
フォルクスワーゲングループに参画したドゥカティも新型モデルを公開した |
(真鍋裕行)
2012年 9月 27日