2012 SEMA SHOW
色とりどりなカスタムカーを揃えたGM、フォード、クライスラー


会期:10月30日~11月2日
場所:LAS VEGAS CONVENTION CENTER



GM
 シボレーブランドのラインアップで飾られたGMブース。特にコンパクトモデルのスパークやソニック、クルーズをベースとしたカスタマイズカーやコンセプトカーを多く展示していたのが特徴だ。

 シボレーブランドのコンパクトカーは、米国内で若年層を中心として多くの支持を受けることにより、販売記録を伸ばしていると言う。9月の販売台数は、ソニックが7525台を記録しており、1~9月までの累計は6万5000台。クルーズは同クラスのベストセラーとなっていて、9月までの販売台数は18万台をマーク。どのモデルもこれまでの販売台数を大幅に伸ばすとともに、シェアを拡大している。

 好調なコンパクトモデルの販売を後押しするためもあり、スパークはさまざまなイベントやコンテンツとコラボレーションした車両を展示し、新たなユーザーの獲得や提案を行っている。

 また、ミドルサイズセダンのインパラには「2014インパラコンセプト」、マリブには「マリブターボパフォーマンスコンセプト」というそれぞれのコンセプトモデルが披露された。

「SPARK SINISTER CONCEPT」。カーボンフラッシュメタリックという外装色にオレンジのアクセントを入れたコンセプトカー。エクステリアもフロント、サイド、リア、グリルなどを変更している
「SPARK THE COLOR RUN CONCEPT」。アメリカ各地で行われているTHE COLOR RUN 5Kシリーズのペースカーとして使われているスパーク。外装色は、カラーランに合わせてカラフルなカラーに仕上げている
「SPARK MTV COVER THE WORLD CONCEPT」。シボレースパークがタイアップしている、オンラインで音楽を披露する「COVER THE WORLD」の名前が付いたデモカー。KICKERのオーディオシステムをリアシートとラゲッジにインストールしている
「SPARK Z-SPEC CONCEPT」は、アグレッシブなシボレーの純正アクセサリーを装備したコンセプトカー。Z-SPECはソニックなどにも用意されているアクセサリーで、スポーティさを演出できる内外装のパーツがトレードマークとなる
「SONIC B-SPEC SPORT RACE CAR CONCEPT」は、シボレーのパフォーマンスレーシングチームと同じカラーリングをまとったマシン。室内にはロールケージが装備され、15インチのホイールにスリックタイヤを履かせている
「SONIC Z-SPEC1 SEDAN CONCEPT」は、シボレーのパフォーマンスパーツとアクセサリーの両方を取り入れたデモカー。ボディーパーツや内装はアクセサリーパーツで構成され、ブレーキや排気類はパフォーマンスパーツが装着される
「CRUZE UPSCALE CONCEPT」は、ブラッククロームの19インチホイールに専用のフロント、サイド、リアのボディーキットを組んでいる。シックな外装に合わせてインテリアは、レザーのシートやパネルでコーディネイト
「MALIBU PERFORMANCE CONCEPT」は、マリブのラインアップでもっとも高性能なモデル。2.0リッターターボは259HPの最高出力と35.9kgmの最大トルク発揮し、0-100km加速は6.3秒、最高速は250km/hとなっている
「2014 IMPALA」は、今年のニューヨークショーで初公開された新型のインパラ。フルサイズセダンのインパラは、直噴のV型6気筒3.6リッターエンジンに6速ATを組み合わせている
「GUY FIERI 427 CORVETTE CONVERTIBLE CONCEPT」。シボレーを好きで知られるテレビ司会者や作家として活躍するGUY FIERIの名前を用いたコンセプトカー。ドライサンプの7.0リッターエンジンのピークパワーは505HPで、ローンチコントロール機能が付いた6速ミッションを組み合わせている
V型8気筒6.2リッターエンジンにスーパーチャージャーを組み合わせたハイパフォーマンスモデル「CAMARO ZL1 TONY STEWART SHOW CAR CONCEPT」。20インチのホイールには外装色に合わせてリム部分が赤く塗られている
シボレーブースの入り口に設置されたHOT WHEELSのディスプレイには、現行モデルのカマロと1967年製のカマロを並べて展示していた

フォード
 SEMAショーのセントラルホール中央に設けられたフォードブースには、70台を超えるコンセプトカーやレースカーが展示され、多くの来場者が興味深く見入っていた。

 ディスプレイのメインとなるのは、フォードレーシングが製作したラリーやNASCAR、ジムカーナ、オフロードなどの競技車両。マシンのカラーリングは、新しいダウンサイジングターボエンジンの「ECO BOOST」というロゴと、ブラックとブルーのストライプで統一されている。また、フォーカスやエスケープ、マスタングを始めとした市販ラインアップのカスタマイズや、1931年製のモデルAロードスターもお披露目されていた。

F1にもエンジンを供給するコスワースとフォードレーシングが共同で製作した「Focus ST Cosworth CS330」。コスワース製のエンジンパーツをセットした2.0リッターターボエンジンは、最高出力330HP、最大トルク44.6kgmを発生する
XゲームのメダリストTanner Foustの名を付けた「Focus ST Tanner Foust Edition」。ストリートでの使い勝手も考慮しつつ、サーキットなどのハードな走行も許容するマシン。KW製のサスペンションは、オリジナルセッティングを施していると言う
500HPを出力できるというウエストゲート式のターボチャージャーをセットした「Focus SE Sedan by VACCAR」。強烈な加速感をもたらすエンジンを搭載しつつ、俊敏でありながら快適性を持つハンドリングと乗り味にセッティングしたと言う
ストリート向けにカスタマイズされた「Escape SE by Heide Performance Products」。外装は、フロントグリルやフェンダーアーチ、LEDデイライトが装備される。ホイールはメッキの20インチを履く
リベット打ちされたオーバーフェンダーでボーイズレーサー風に仕上げられた「Mustang GT RTR Spec3」。車両を製作したMothersは、ワールドチャンピオンシップドリフトで活躍しているチーム。V型8気筒5.0リッターエンジンは、650HPを発生する
フォードレーシングが製作した「Focus ST-R」は、ニュルブルクリンク24時間レースやGrand-Am STといった米国内のツーリングカーレースに参戦するためのマシン。エンジンは2.0リッター EcoBoost
米国内のラリー選手権仕様となっている「Fiesta Rally Car」。1.6リッターターボエンジンは4段階の出力モードを持ち、もっともパワフルなモードでの最高出力は295HP。ショックアブソーバーはReiger製で、ブレーキはWilwoodの4ピストンキャリパーを装備する
今回のSEMAショーがデビューとなる「Cobra Jet Concept Engine」を搭載した「Cobra Jet Twin Turbo Concept」。V型8気筒5.0リッターエンジンをベースに、ボルグワーナー製のターボチャージャーを左右に2基セットする
来年度のNASCAR車両となる「2013 NASCAR Fusion」。ベースとなっているのはフュージョンセダンで、エンジンやシャシーなどはNASCARの規定に合わせて製作。2013年の2月末に開催されるデイトナ500でデビューを飾る
「F-150 Off Road Racer」は。砂漠を走破するオフロードレース用のマシン。搭載されるエンジンはV型6気筒3.5リッター EcoBoostで、ライバルのV8モデルに対しても引けを取らないパフォーマンスを発揮している
フォーミュラフォードのマシンとして使われる「Formula Ford 1.0L EcoBoost Road Car」。3気筒1.0リッターエンジンながら最高出力は202HPを発揮し、ニュルブルクリンクの北コースでのテストでは7分22秒のラップタイムをマークしている
史上初の量産車両として知られるT型フォードの後継モデルとなるモデルAをベースとした「Model A Roadster Pickup」。モデルAタイムマガジンという雑誌とのコラボレーションでレストアされた車両となる

クライスラー
 クライスラーブースには、ジープ、ダッジ、クライスラー、フィアットといった同ブランドのフルラインアップが揃っていた。

 ただ、並べられたすべてのマシンは、クライスラーのカスタマイズブランドのMOPERによってアレンジされたもの。フィアット500やジープラングラー、ダッジダート、クライスラー300など、ベースとなったのは多種多様なタイプで、どれも内外装に手が入れられている。方向性もサーキット仕様からラグジュアリー系など色とりどりで、クライスラーとMOPERの多様性を示していた。

ダッジダートをベースとした「DART SLINGSHOT」は、ストリートとサーキットの両面で楽しめるようにセッティングされたマシン。エンジンは1.4リッターターボが搭載される
MOPERのパーツでライトチューンされた「DART LEADFOOT BLUE」。機能面ではエキゾーストやサスペンションパーツを変更。ホイールやグリル、ボディーパーツなどがMOPERブランドのものを使っている
「MOPER '12 300」は、クライスラー伝統のHEMIエンジンを搭載するハイパフォーマンスモデル。黒で統一された外観はシックな印象を受けるが、5.7リッターエンジンに合わせてブレーキや足まわりは専用のパーツを装着する
「JEEP WRANGLER SAND TROOPER」は5.7LのHEMIエンジンを搭載したスペシャルモデル。内外装ともに多くのMOPERパーツを装備した1台
西海岸の雰囲気を感じさせる「FIAT 500 BEACH CRUISER」。MOPERブランドの吸排気システムを装備する。ユニークなデザインのホイールもMOPERのプロトタイプになる
「FIAT ABARTH CAFE RACER」は、1950~1960年代のカフェレーサーをイメージして製作された
アバルトの精神を具現化した「ABARTH VENOM」。外装はノーマルのままだが、ブレーキはブレンボ製のキットが装備され、足まわりもMagneti Marelliのスプリングによりローダウンされている

(真鍋裕行)
2012年 11月 9日