スズキ、Cセグメントのクロスオーバー「SX4」を世界初公開

プレスカンファレンスでは習字のパフォーマンスを使ってSX4の特徴を披露した

　スズキがジュネーブモーターショーに用意したワールドプレミアモデルは、昨年のパリモーターショーでコンセプトモデルとして公開した「S-Cross（Sクロス）」の市販版である新型「SX4」。

　新型SX4は、先代モデルの流れを汲みながらも、4300×1765×1575mm（全長×全幅×全高）とボディーサイズを拡大することで、スズキ初のCセグメントクロスオーバーとなった。4WDシステムを採用した本格的なSUVでありながら、街乗りでの扱いやすさも十分に考慮しているそうで、「クロスオーバーと一般的な実用車の中間である」という説明もあった。

　プレスカンファレンスで発表されたSX4のデザインにおけるキーワードは、「エモーション（感情）」「クオリティ（質感）」「エアロダイナミックス（空力）」の3つになる。デザイナーによると、特に力を入れたのはフロントバンパーからフェンダー、ピラーに流れるラインで、優雅さとスポーティさを表現していると言う。流れるようなフォルムは空力特性の向上にも影響を与えているそうで、ホイールやミラーの低抵抗デザインと併せてボディー全体で空気抵抗の削減を実現している。

　搭載されるエンジンのバリエーションは、ガソリンとディーゼルの2種類。ともに4気筒の1.6リッターで、トランスミッションはCVTまたは5速MT。最高出力はディーゼル、ガソリンともに88kWと同じで、最大トルクはディーゼルが320Nm、ガソリンは156Nm。 CO₂の排出量は、2WDのディーゼルモデルで110g/km。この数値は同セグメントのSUVでは圧倒的な少なさで、クラストップとなる。

　駆動方式は、2WDか4WDを選ぶことができ、4WDは「オールグリップ」と呼ばれる新たな駆動システムが採用された。オールグリップは、4WDモデルを発売してから40年の経験を持つスズキがノウハウを注ぎ込んだシステムで、あらゆる路面状況でも最適なグリップが得られると言う。セレクターにより走行モードが選べ、「オート」「スポーツ」「スノー」「ロック」を使い分けることが可能。

　スズキではコンパクトで経済的なモデルに的を絞ることで、欧州でも順調なセールスを記録しているそうで、今後は毎年、何らかの新モデルを欧州市場に投入していくという意欲的な発表も行っていた。

新型SX4。ボディーカラーは10色を用意しており、ホイールサイズは16インチか17インチから選択可能となっている

ラゲッジルームは430Lの収納スペースを誇る