東京オートサロン2015

トヨタ、「GRMN」や「G's」ブランドのカスタマイズモデルを多数展示

2014年のコンセプトモデルが市販バージョンとしてデビュー

2015年1月9日~11日開催

北ホール9~10のトヨタ/GAZOO Racingブース

 1月9日、年明け恒例となったクルマ好きのためのイベント「東京オートサロン 2015 with NAPAC」が幕張メッセ(千葉県千葉市美浜区)で開幕した。トヨタ/GAZOO Racingブースは前回同様、北ホール9~10で広いスペースを確保。カスタマイズカーやレーシングカーが多数展示されている。その中から注目のモデルを中心に紹介していく。

マークX“GRMN”

 2014年はコンセプトモデルとしてお披露目されたが、いよいよ発売が決定した「マークX“GRMN”」。会場では市販モデルをひと足先に見ることが可能となっている。ベースとなるのは車名どおりFRセダンのマークX。V型6気筒DOHC 3.5リッターの「2GR-FSE」ユニットを搭載したハイパフォーマンスモデルに専用6速MTを搭載したほか、スチール製ルーフ比で約10kgの軽量化を実現する専用CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastic)ルーフパネルの採用、加えて数々のボディー補強やサスペンションチューニングなどが施されている。3月1日から受注開始で、全国限定100台となっている。価格は540万円。

ボディーカラーはオプション(3万7800円高)のホワイトパールクリスタルシャイン
専用のフロントバンパーを装着。左右にCFRP製のスポイラーが付く
Cピラーにはトヨタ車で定番となっているエアロスタビライジングフィンを装着
トランクにも専用CFRPリアスポイラーが装着される
スクエア形状のテールエンドを持つマフラーも専用アイテムだ
専用の19インチ鍛造アルミホイールはBBS製。タイヤはブリヂストン RE050Aでフロント(写真右)は235/40 R19、リア(写真左)は255/35 R19。フロント側のブレーキはGRMNロゴが入る専用の対向4ピストンキャリパーを採用
ボディーカラーはブラックが標準色という扱い
ステアリングは表皮に「ウルトラスエード」を採用した小径タイプ
金属調の文字盤を採用したオプティトロンメーターも専用アイテム。スピードメーターは280km/hスケール
コンセプトモデルから若干の変更を受けたシフトまわり。シフトノブ&パーキングブレーキにも「ウルトラスエード」を使う
ペダルはアルミタイプの3ペダル仕様
エンジンスイッチはGRのロゴ入り
GRMNよりひと足先にデビューしたマークX G'zも展示されている。ボディーカラーは2014年12月に追加されたアウェイクンイエロー

GRMN86 Prototype

 ニュルブルクリンク24時間レースに参戦する車両のロードゴーイングバージョンとなるモデルのプロトタイプが「GRMN86 Prototype」。ボディーブレースなどの追加によってねじり剛性をノーマルの1.8倍にまで高めたほか、ブレーキ強化、ギア比のクロスレシオ化、車高調整式サスペンションの採用、さらにカーボン製のボンネットやルーフ、トランクリッド、リアウイングなどにより軽量化も実施。これらに加え、エンジン内部の低フリクション化、吸排気系の変更など、パフォーマンス面でもリファインを行い、走りの質が全面的に高められている。

カーボンパーツが目立つGRMN86 Prototypeのエクステリア
GTウイングタイプのリアウイング。翼端板にはGRロゴが入っている
リアバンパーはディフューザー付。マフラーはセンター出しのシングルテールタイプ
タイヤはブリヂストンのポテンザ RE71Rの専用スペックモデルで、フロント(写真右)が215/40 R17、リア(写真左)が235/40 R17。ブレーキキャリパーはフロントがモノブロック対向6ピストン、リアがモノブロック対向4ピストン
ボンネットはカーボン製で大きな冷却ダクトが開いている
冷却ダクトはエンジンルームの熱を効率よく排出できるよう、周囲に微妙な盛り上がりが付けられている
エンジンは自然吸気のままだが、等長エキゾーストマニホールドの採用などによりフィーリングが向上
専用レカロシートなどを採用するインテリア。ステアリングやシフトノブの表皮はアルカンターラ

MIRAI ラリー仕様車

 2014年12月に発売された水素を使って走る燃料電池車(FCV)の「ミライ」。そのプロトタイプを元に製作されたのがこのクルマだ。実際に昨年行われた新城ラリーでモリゾー選手(トヨタ自動車 代表取締役社長 豊田章男氏)がステアリングを握り、00カーを務めている。

ラリー用の灯火類が外されているので、カラーリング以外の見た目はノーマル然としている
タイヤ&ホイールはラリー用のモノ。タイヤサイズは225/55 R17。サスペンションにはラリー用の専用チューニングが施されているという
ロールケージやバケットシートがレーシングカー的な佇まいを演出
ステアリングにマーキングが施されている辺りはラリー車的だ
リアシートはノーマル形状のままだが、フロントに合わせて表皮が変更されている

TES-CROSS

「TES-CROSS」はトヨタ社員による「トヨタ技術会」のメンバーが、「曲がるクルマ」をコンセプトに開発したクルマ。ヴィッツをベースにボディーを200mmワイドトレッド化したほか、リアサスペンションをダブルウイッシュボーンに変更し、さらにオープン化&CFRP/FRP製のボディーパネルの採用、スーパーチャージャー付1.0リッターエンジンの搭載など多岐に渡るカスタマイズを実施。最低地上高が170mmとベース車より高くなっているものの、オープン化や992kgと軽量なボディーなどにより低重心化を実現。2014年9月には製作が完了し、実際に走行して走りのよさも確認済みだという。

もはや説明されなければ、このクルマがヴィッツをベースにしているとは分からないエクステリア
ヴィッツに搭載されている1.0リッターエンジン「1KR-FE」をベースにスーパーチャージャーを追加。最高出力は77kW(105PS)/6000rpm、最大トルクは135Nm/5000rpmまで高められている
サスペンションタワー部には200mmものワイドトレッド化を実現した痕跡が残る。まさに力技という言葉がピッタリだ
リアシートもしっかりと用意され、4人乗車が可能。ボディー後方にはラゲッジスペースもある
シートは軽量なバケットタイプ
ヴィッツそのままという雰囲気のインパネまわり。5速MTのシフトレバーとアルミペダルに走りを意識したモデルらしい雰囲気が漂う
スイッチ操作によってドア上部からフレームが伸び、ボディー側と接続する電動伸縮式ロッドを採用。効果的にボディー剛性アップが実現できるという

style LB

「FJ CRUISER×Style Cb」や「86×Style Cb」と続くスタイルシリーズ。その最新作がミニバンをベースに華やかさを追求した「style LB」だ。車名の“LB”は“ル・ボルドー”を意味し、ワインをイメージした車両。そのイメージを強く演出するボディーカラーは、なんと8コート塗装により深みと輝きを実現しているという。

ワインをイメージした深みのあるボディーカラー
シート表皮は本革とエクセーヌのコンビネーション。専用シートのように見えるが、実はシートカバーとのこと
シックなカラーでコーディネートされたインテリア
センターコンソール部の加飾パネルにも独特のパターンを採用している

G's

 ステージ横にはG's各車を展示するゾーンを用意。初登場となるのは昨年発売が開始された「ハリアー G's」と「プリウスα G's」の2台。ハリアーはフロントグリルや前後バンパー、シートなどの専用アイテムを装着することでG'sならではの差別化が図られているほか、18個所に及ぶ溶接の打点追加や剛性アップパーツの装着、35mmダウンのサスペンションなどにより走行性能も高められている。一方のプリウスαも専用チューニングサスペンションやボディー補強が加えられているが、どちらかと言えば本命はインテリア。合成皮革やピアノブラック塗装の加飾により室内の質感が大幅に高められている。

ハリアー G's。昨年のオートサロンにも出展されていたが、フロントグリルの仕上げがカーボン調からピアノブラックに変更されている
専用シートなどにより、ハリアーのラグジュアリーなイメージにスポーティなエッセンスを追加
プリウスα G'sの外観では、フロント&リアバンパー、フロントグリル、サイドマッドガード、マフラーなどが専用アイテム
シートはG's共通のスポーティタイプ
ステアリングは専用ディンプルが施された本革タイプ
マルチインフォメーションディスプレイには専用オープニング画面のほか、タコメーターの表示も追加される
助手席前やステアリング前方などには合成皮革のソフトパッドが貼られる。シルバーステッチやメッキ加飾とも相まって、上質な印象に仕上げられている
ドアトリムにも合成皮革&シルバーステッチが使われている
すでにおなじみとなったプリウス G's
同じくアクア G'sも展示されている

そのほか

人気男性雑誌「GOETHE(ゲーテ)」とのコラボレーションにより誕生した「FJ CRUISER×GOETHE Customed by IKURA」
ステアリングはREAL社製の特別カラー
ドアトリムにはハンドペイントによるピンストライプが施されている
ステージ下はピットをイメージしたエリアとなっている
昨年のニュル24時間レースに出場した「LEXUS LFA(48号車)」
同じく昨年のニュル24時間レースに出場した「TOYOTA 86(86号車)」
期間限定での発売が決まった空色と若草色のクラウンアスリート
全日本ラリー選手権 JN5クラスで優勝したラック GR86。ライトポットがステキ
昨年のTRDラリーチャレンジで年間チャンピオンを獲得したNTP 名古屋トヨペット 86
昨年の86/BRZ Raceで谷口信輝選手がドライブし、シリーズチャンピオンを獲得したKTMS 86
昨年のスーパー耐久シリーズ ST-4クラスに出場したGAZOO Racing SPIRIT 86
GAZOO Racingのキャラクター「ルーキー」も登場!?

安田 剛