CES2015

JVCケンウッド、フルHDカメラ&デジタルコクピットを「マクラーレン 650S」でデモ

JVCの映像技術とケンウッドのインターフェースデザインを融合

会期:2015年1月6日~9日(現地時間)

会場:Las Vegas Convention and World Trade Center(LVCC)、LVH、The Venetian

JVCケンウッドブースに展示されていた「マクラーレン 650S」

 JVCケンウッドは、「2015 International CES」において、さまざまなカーナビ&カーオーディオ製品を展示していたが、その中でもひときわ目を引いていたのが「マクラーレン 650S」をベースにして作り上げたデジタルコクピットシステムだ。

 よく知られているように、マクラーレンF1チームの無線システムはケンウッドの製品が使われている。もちろんこれはケンウッドがマクラーレンチームのオフィシャルサプライヤーになっていることもあるのだが、ケンウッドの無線関連製品がレースに耐える品質であるのが大前提になっている。その関係もあって、CESで展示したデジタルコクピットは、ケンウッドがマクラーレンと協力して作り上げたものだという。

KENWOOD with McLaren Mercedes

http://www.kenwood.com/f1/jp/

JVCケンウッドがデザインしたデジタルコクピット。マクラーレン 650Sのスタンダードコクピットと思えるほどの仕上がり。デジタルメーターパネル上部にある、3つのディスプレイがカメラビュー用
フルHDカメラの取付位置
このような形で取り付けられていた。空気抵抗低減にも寄与すると思われる
お話をうかがったJVCケンウッドのスタッフ。左からi-ADAS事業化タスクフォース 黒本裕明氏、プロデューサー デザイナー 小岩智太郎氏、i-ADAS事業化タスクフォース 東谷伸吾氏

 そのコクピットの特長は、横長のフルデジタルメーターパネルの上部に、3つのモニターが並べられていること。このモニターには、650Sのサイドやリアに取り付けられたJVCのフルHDカメラからの映像が表示されている。つまり、デジタルサイドミラーやバックミラーを備えているわけだ。もちろん単にデジタル映像化しただけでなく、デジタルの特性を活かして、ナイトビジョンや上方から見たサラウンドビュー映像も生成可能としている。

JVC KENWOOD McLaren 650S Digital Cockpit

 メインとなる横長のフルデジタルメーターパネルは、ノーマルモード、スポーツモード、トラック(サーキット)モードに変更可能。また、フロントウィンドウにはデジタルタイプの速度計などを投影することができる。センターコンソールには全面タッチ液晶の「INFOTAINMENT DISPLAY」を装備。フリック操作などで音楽やナビゲーションを操作できるほか、ソーシャルネットワークへの接続機能も持つとしている。

各モードの説明ビデオ
これは実車のコクピット。サラウンドビュー(ケンウッドではトップビュー)やナイトビジョンの表示画面

 説明していただいた、JVCケンウッド i-ADAS事業化タスクフォース 黒本裕明氏によると、INFOTAINMENT DISPLAYなどすべての機能が実装されているわけではなく、あくまで1つの提案であるとのこと。しかしながら反響は大きく、マクラーレン 650Sが目立つこともあって、常に多くの人がJVCケンウッドブースに立ち寄っていた。また、オーディオ・ビジュアル系のメーカーだけあり、オーディオ部分はしっかり作り込んであり、Aピラーに埋め込まれたスピーカーなどにより音の前方定位を実現。スポーツカーのAピラーということもあり、このスピーカーの設置には苦労したそうだ。

大型のタッチ液晶を使ったINFOTAINMENT DISPLAY
ドラッグ&ドロップやフリック入力が可能
Aピラーに埋め込まれたスピーカー。スポーツカーの狭いコクピットで、しっかりとした前方定位の音場を作りだす

 デジタルコクピットが高級車やスポーツカーから普及し始めているが、その際にはハードウェアスペックも重要となるが、あらゆる表示が可能となるため、デザイン力や表示要素の構成力が問われてくるだろう。また、地図なども表示でき、そうした場合、カーナビ開発経験の有無が重要になってくる。実際、今回のデジタルコクピット展示においても、デジタルメーターパネル内の3Dマップは、彩速ナビと同様のものが使用されていた。

編集部:谷川 潔

http://car.watch.impress.co.jp/