CES 2016

Qualcommの「Snapdragon 602A」を採用した「Audi A5」が2017年に登場、LTE Advancedサポート

自動車向けSoC「Snapdragon 820A」も発表

2016年1月6日〜9日(現地時間) 開催

「Snapdragon 820A」を搭載した車載システムのデモ

 Qualcommは1月5日(現地時間)、米ラスベガスで1月6日から開催される「CES 2016」に合わせてプレスカンファレンスを開催し、2014年に発表した「Snapdragon 602A」がAudiに採用されたことや、オートモーティブ向けの上位プロセッサ「Snapdragon 820A」「Snapdragon 820Am」を発表した。

 プレスカンファレンスに登壇した同社CEOのSteve Mollenkopf(スティーブ・モレンコフ)氏は、「自動車産業への取り組みは我々にとって新しいものではなく、すでに3億4000万個のASICを、20の異なるOEM、50の異なるブランドへ出荷している」と、継続的な取り組みを強調。そのうえで、2014年に発表し、2015年のCESで車載デモを披露したSnapdragon 602Aの採用パートナーとしてAudiを紹介した。AudiではSnapdragon 602Aを採用した車載システムを2017年に発売する「A5」を皮切りに搭載し、「A4」「Q5」へと拡げていく計画であるという。

Qualcomm CEOのSteve Mollenkopf氏
オートモーティブ向けプロセッサ「Snapdragon 602A」がAudiに採用されることを発表

 壇上に招かれたAudi Vice President Electronics Development(電気開発担当副社長)のRicky Hudi(リッキー・フーディ)氏は、Audiがこれまで取り組んでいたコネクティッドカーのシステム「Audi Connect」について説明。3G、LTEのモバイルブロードバンドモジュールを搭載してきた結果、シームレスに統合されたアプリケーション環境を提供できているとする。

 そして、クラウドベースのナビゲーションシステムにおいて、より高解像度のマップデータをストリーミングで受信できるLTE Advancedを次世代のAudi Connectに搭載。さらに、より高解像度のデータを低遅延で受信できる5Gを目指すとした。

 AudiではインフォテイメントシステムをMIB(Modular Infotainment Platform)という形でモジュール化して搭載しているが、その中心部であるAudi MMX(Multi-Media eXtension)ボードに新たに採用されるものがSnapdragon 602Aとなる。フーディ氏は、このSnapdragon 602Aの搭載を新たなチャプターであると表現。同チップを採用した理由としては「高性能なコンピューティング」「ワイヤレスコミュニティ機能」「安全のための技術が盛り込まれた強力なロードマップ」の3点を挙げた。

Snapdragon 602AのMMXモジュールを手にするAudi Vice President Electronics DevelopmentのRicky Hudi氏
Audi Connectの技術変遷を紹介。2017年にSnapdragon 602Aを搭載したシステムでLTE Advencedをサポートする
モジュール化されたインフォテイメントシステムの中心部であるAudi MMXモジュールにSnapdragon 602Aを採用
「Snapdragon 820A」「Snapdragon 820Am」を発表

 その後、モレンコフ氏は、自動車向けSoCとして「Snapdragon 820A」「Snapdragon 820Am」を発表した。14nm FinFETプロセスで製造され、64bit CPUの「Kryo」、GPUの「Adreno 530」、DSPの「Hexagon 680」を搭載するほか、Snapdragon 820Amには下り600Mbpsに対応するLTEモデムを統合する。モレンコフ氏は「自動車メーカーはより高度な演算性能、接続性、センサーデータのすべてを手に入れることができる」と同チップをアピールした。加えて、アップグレードも容易に行なえるよう、このSnapdragon 820Aをモジュールの形でも提供することが発表されている。

 カンファレンスでは、このSnapdragon 820Aを利用したライブデモも実施。4枚のディスプレイ、4K/UHDのディスプレイを利用した車載システムをイメージしたデモ環境が用意され、スマートフォンを利用した運転手パーソナライズシステムや、高解像度な3Dレンダリングやメーター部分への表示も可能なナビゲーションシステム、ディープラーニングにより車線や標識認識を行なえる運転手支援システム、搭載カメラで運転手の顔を読み取る安全運転支援システムなどの紹介が行なわれた。

Snapdragon 820A/Amの特徴
アップグレードを容易にするため、モジュールの形でも提供する
スマートフォンと連携して運転手の認証や、システムのパーソナライズを行なう機能の紹介
ナビゲーションシステムは、スピードメーターへの表示やスムーズな3Dマップ表示をデモ
レーンの認識やディープラーニングによる標識の解析も行なう
カメラを利用した安全システムでは、よそ見を一定時間続けると警告を発するデモを披露
最大4枚を制御可能なディスプレイ別にナビゲーションや動画再生などを、異なる技術を同時に管理できることを示したデモ

【お詫びと訂正】記事初出時、64bit CPUの名前が間違っておりました。正しくは「Kryo」です。お詫びして訂正させていただきます。

(編集部:多和田新也)