長期レビュー

マツダ「アテンザ ディーゼル 6速MT」カスタマイズリポート

その9:ドアパンチにバンパーキズ、傷だらけのアテンザを修理するの巻

アテンザ顔面移植中の絵

 どーも、瀬戸です。今回もすっかり間が空いてしまっておりますね。スミマセン。

 そろそろ年も越えてしまいそうですが、読者の皆さまは2016年はいかがでしたでしょうか? 実はアテンザ的にはさんざんな年でした。先日風水に詳しい友人に会ったのですが、自分は風水的にダメな方ばかりを選んでいるそうです。ん~、だからダメなのか。

 ちなみに調べると、2017年は風水的なやつで「水」の年だそうです。ラッキーカラーは「エメラルドブルー」。ってエメラルドブルー!? エメラルドって緑じゃん! とか思ってしまう偏屈な自分がいます。気になって「エメラルドブルー」を調べてみたところ、ニンテンドー ゲームキューブのコントローラーでエメラルドブルーが見つかりました。んん~、微妙。やっぱりコレ、緑じゃね?

 そういえば子供のころ先生に「信号が青に変わったら渡りましょう」と言われて「あれ緑じゃん、いつになったら青になるんですか~?」とか執拗に突っかかってた記憶があります。ろくな子供じゃありませんな。そんなことを思い出して、来年は素直に周囲の言うことを聞ける大人になろうと思いました。

不運続きのアテンザ

 さて、もうすぐ3年目の車検を迎える我がアテンザですが、風水的なやつのせいでしょうか、はたまた後厄のせいでしょうか? 今年は不運続きでした。クルマが傷だらけです(泣)。ということで、今回は修理のお話です。

 ある日、ふと駐車場の愛車を見ると、なんか運転席のドアに縦のうっすらとした線が見えました。あれ? なんだろナー、と思って近寄って見てみると、なんということでしょう!! ドアがヘコんでおりました。

 え? なぜ?? しばし頭が真っ白です。よく見るとドアの中腹だけでなく、下部のプレスラインのところもガッツリヘコんでます。

あれ? クルマに変な線がついてるなーと思ったら……
少し分かりにくいですが、線に沿ってヘコんでいます。線はホコリによるものでした
と思ったら、下側のプレスラインのところもがっつりヘコんでいました! ショック!!

 ショック!! やられました~。ドアパンチです(泣)。前の週に洗車したときにはヘコミはなかったので、前日に行ったホームセンターの駐車場でやられたのでしょう。そこのホームセンターは駐車場の間隔も広く、よほど無神経にドアを開けない限りぶつけられるようなところではなかったのですが……。

 なんというか、この心の持って行きように困りますね。オレわるくないのにって。以前にも2回当て逃げされたことがあって、いつもクルマの駐車場所には気を遣っているんですよ。

 ちょっと話がそれますが、たとえば駐車場内の一番端、壁際や柱の隣などの駐車枠。これなら隣の車は1台になるのでぶつけられる可能性は半減します。しかもできるだけ壁寄せで駐車。左端の場合は、先に同乗者に降りてもらってから、できるだけ左に寄せておけば、それだけぶつけられる可能性が下げられます。ほかにも、万が一にも自分がぶつけないため、できれば隣が空いている場所、入出庫の際に内輪差などでぶつけたりぶつけられたりしないため、まっすぐ出入りできるような場所、逆にほかのクルマが近づかないような、一番奥まった場所など。

 それと、隣のクルマにも気をつけていて、傷だらけのクルマやシニアのクルマの横は避けます。あとステアリングが切れたまま駐車しているクルマ、小さな子供がいそうなクルマも念のため避けます。でもミニバンはスライドドアなので実は安心です。特に運転席側。あとは営業車などで助手席に荷物が置いてあるようなクルマの助手席側とか、いかにもクルマ好きが乗っていそうなピカピカなクルマの運転席側も安心ですね。

 まぁそんな感じで、アテンザは大きいこともあって、ロードスターのとき以上に駐車スペースには気を遣っていたんですけどね、それでも隣のクルマは入れ替わりますし、無神経な隣人には勝てないですね、ホント。

 しかもプレスラインがガッツリとヘコんでいるので、相当な力で押した感じです。そのくせ塗装面に傷はないので、買い物のカートがぶつかったとかではないと思います。ガツンとぶつかっていれば傷が付くはずなので。たとえば助手席に大きな荷物を積もうとして、ドアを全開にして、ぶつかっているのにも気がつかずにグイグイとドアを押したとかでしょうか? 正直、考えにくい状況ですが、相当な力じゃなければここまでヘコまないハズなので、よほど無神経な相手だったのかと。といってももう泣き寝入りするしかないんですけど……。マジでヘコむ……。

 ただ、塗装に傷がなかったのは不幸中の幸いでした。デントリペアでなんとかなるかもしれません。アテンザの白はちょっと複雑な塗装なのでできれば再塗装はしたくないんです。メタリックやマイカ(パール)の塗装は、単純に色がそろうかどうかだけでなく、塗膜内のアルミ片やパール片の立ち方でも、光が当たったときの見え方が変わってしまいます。なので、できることなら再塗装は避けたいという思いがあります。

 なんて思っていたら、不幸は続くものです。というか、これは完全に僕のミスですが、バンパーをこすりました。駐車場でギリギリいけるだろうと思ったらバンパーのカドを「カス」っと。相手はコンクリートの壁で問題なかったのですが、こちらは塗膜が削れて黒いバンパーの素材が見えている状態。

 すっかりアテンザの車両感覚にも慣れてきたナー、という慢心が原因です。本当に反省しています。

バンパーについた傷。黒いボディだったら目立たなかったでしょうに
まさに塗膜一枚削れた感じです。あと少しクリアランスがあれば大丈夫だったのに……
リップの部分は削れてしまってました。写真の上のほうの小さい点は飛び石によるものですね

どうやって修理するか?

 さて、ドアパンチとバンパーの傷をどうやって直すか? です。ドアパンチはできれば再塗装が不要のデントリペアで直すつもりですが、バンパーの傷はどうするか? 傷ついたバンパーの修理方法はいくつかあります。

 まずはタッチペンで自分で修正するもの。これまで乗った中古車でタッチアップの腕は磨きましたが、メタリックやマイカの補修は激ムズです。ソリッドの塗装なら失敗しても修正ができますが、メタリックやマイカは一発勝負。素人は絶対に失敗するので、傷のある場所だけを最小限レタッチして、妥協するのが最善の策だと思っています。今回の場合も、面積としてはそれほど大きくないので、「遠目に見れば分からない」程度に仕上げることはできると思います。が、まだ最初の車検も迎えていないクルマでそれはやっぱりヤだなーと。

 次にマツダの「マツダQBpit」という低価格な修理メニュー。マツダによれば、本格的な板金にも見劣りしない仕上がりとのことでしたが、確認してもらったところバンパーの樹脂部も削れていて難しいとのこと。

 3つめは傷ついたバンパーを板金修理してもらうもの。この場合、塗装は現物と色あわせするので、よりマッチした色にできるハズです。でも、パテは将来的にやせてしまう可能性があるのと、樹脂バンパーとの組み合わせだとひび割れも心配。

 そして自分が選んだのはバンパーの交換。理想は未塗装のバンパーを買って色あわせしてもらって塗るのがベストですが、もう1つの選択肢として、塗装済みのバンパーを買う方法もあります。この場合、バンパー代は少し上がりますが、あとで塗装するよりは安く済みます。ただし、色あわせするわけではないので、塗装の色が合わない可能性もあります。

 ただ、もともと樹脂のバンパーと金属のボディでは、厳密に言えば新車であっても色はそろわないもの。なので、塗装済みのバンパーを選びました。結果としては、部品代が備品込みで5万5000円程度、工賃は1万円しないで済みました。

 心配していた色の問題も、まだ3年目でそこまで古くなく、屋根付き駐車場に置いていたせいかもしれませんが、素人目にはまったく問題ない仕上がりになりました。もっと簡易な修正ですませれば3万円ぐらいでも直ったかもしれませんが、飛び石の傷なども一掃されたので満足です。

バンパーを外して丸ごと交換します
手前のスタンドに乗っているのが新しいバンパー、塗装済みです
古いバンパーからフォグランプやグリルなどを移植します
グリルなど一式移植し終えたところ。こう見ると結構備品が多いですな
当然ですが傷1つありません!
一応再利用もできるそうですが、バンパーをひっかけるリテーナーという部品を新品に交換しています
2人掛かりで装着。じつはDIYでのチャレンジも考えてたんですがやらなくてよかった
トーイングフックカバーを装着して終わり。ちなみにバンパーとは別売です
すばらしい!! オレのアテンザが帰ってきました! やっぱりかっこいいなぁアテンザは(しみじみ)

デントリペアができない!!

 バンパー交換は無事終わりましたが、デントリペアで直るだろうと高をくくっていたドアパンチの方が問題でした。

 現物を見てもらうなり、「これ無理ですね」とか。……なんですとっっ?

 聞けば、上の縦のスジ状のヘコミは問題なく直せるけど、プレスラインの部分が難しいとのこと。「プレスラインがこんなにヘコむって、どれだけ強く押したんですか?」って、知らんがな!!

 要は、プレスラインのような硬い場所がここまでヘコんでしまうと、おそらくきれいに戻すことは難しいので、板金修理をオススメしますとのこと。もちろん試しにやってみたら意外と柔らかくてきれいに直る可能性もゼロではないけど、まず跡が残ってしまうだろうとのこと。

運転席ドア中腹にある縦に入ったヘコミ。これは問題なく直せるとのこと
運転席ドア下部にあるプレスライン部分のヘコミ。これが直すのが難しいとのこと
こうしてみると、プレスラインのてっぺんがヘコむかわりにその横が盛り上がっているのが分かります

 瀬戸、悩みましたとも。いや、ウソです。悩みませんでした。心はデントリペアと決めてましたので。

 実は以前デントリペアの取材をしたことがあって、その際も、ここは難しいよ~、と言いながら、素人目にはぜんぜん分からないぐらいきれいに直してくれたことがあって、今回もなんとかしてくれるんじゃないの~? という甘い期待が5割。それに、場所としては足下のほうで、目が行く場所ではないので、ある程度目立たなくなってくれれば充分という気持ちが5割。それに少しでも安く済ませたいという気持ちが10割の合計200%の気持ちでデントリペアに決定です。

 ちなみにデントリペアというのは、先の細い棒でヘコんだ部分を押し戻すというものになります。しかし、鉄板というのは1度伸びたものは縮みません。ヘコんでいるというのは、鉄板が伸びた状態なので、ただ裏から押し出すだけでは、伸びてしまった分の逃げしろがありません。板金修理の場合は、熱や特殊なハンマーで絞って伸びた分を戻しますが、デントリペアの場合はというと、実は真っ平らにするのではなくて、裏から押すのと表から叩くのを繰り返して、ちょうど山折りと谷折りを細かく繰り返したような状態に持っていきます。クルマの塗装というのも、拡大してみると実は小さな凹凸がありますので、それと同じサイズの凹凸にすることで、見た目には分からなくしているのです。ただヘコんだ所を押し戻すのかと思いきや、結構大変な作業なのです。

いろいろな形の先のとがった棒。このツールを使って裏側から押し戻します
ドアのすきまからツールを入れて少しずつ押し戻します
裏から押したらその周囲を表からコツコツと叩く。これを繰り返してヘコミを取っていきます
修正前の上部のヘコミ。蛍光灯を映り込ませるとヘコミの具合が分かると思います
修正後。テープでマーキングしておかなければどこを作業したのか分かないほどきれいに直りました

 で、最初の説明どおり、上側のヘコミはすぐに直ったのですが、下のプレスラインのところがなかなか戻らず。かなりがんばってくれたのですが、これ以上やると塗装が割れてしまう可能性があるとのことで途中で断念となりました。

 ただ、確かに手で触ったり、よく見れば折り目が残った感じですが、最初の状況から比べたら、全然目立たなくなりました。駐車場においてあってもまず気がつかないレベルです。もちろん完璧に直ればよかったですが、ここまで目立たなくなれば十分満足です。むしろ自分よりも職人さんのほうが不本意そうでした。

プレスラインのヘコミ。蛍光灯を映り込ませると、ひどいっ! なんかもう直る気がしませんな
上のヘコミとは違って時間がかかります
ドアの裏のサービスホールから作業していました
塗膜が割れないよう温めながら作業を進めます
ここまでで断念。たしかに蛍光灯を当てると跡が残りますが、最初の状態と比べればむちゃくちゃよくなりました
光を当てないとこんな感じ。よく見れば分かるぐらいでしょうか
普通に立った時の視点だとこんな感じ。もはや写真では分からないと思います

 しかし、自分はぶつけることなんてないぜぇ~、とか思っていましたが、やるときはやってしまいますね。職業柄、借り物のクルマを運転することもあるので深く深く反省です。それと新居の駐車場は入り口が狭くてとても出し入れが難しいので、サイドカメラを付けたいナーと思っております。正月休みに作業するつもりなので、進捗があったらお伝えします。あぁ~、それと1月には車検ダー。お金がないのでユーザー車検にしようかしら……。

瀬戸 学