長期レビュー

カメラマン高橋学のはたらくスバル「レヴォーグ」

第7回:3万km走ったからこのへんで燃費報告、の巻

納車から1年、安全装備もさらに充実し進化した最新型の乗り味も気になるところではありますが初期型のこの1年の燃費データがまとまりましたのでご報告いたします(ちなみに写真は右手前が改良が施された新型モデル、左奥が我がはたらくレヴォーグであります)

 Car Watchの読者のみなさまこんにちは。我がレヴォーグも納車からあっという間に1年が過ぎ、走行距離も3万kmを超えたところです。エアコン全開の猛暑日から雪道までひととおり過ごしましたので、このへんで燃費のご報告などをさせていただきます。ちなみに走行のほとんどが1名乗車(寂しい……)で、荷物は測ったわけではないですけど、ラゲッジと後席合わせて大体60~80kg程度じゃないかと思います。全走行距離の60%程度は高速道路で周りに合わせた走行を心がけているので、流れをリードする事はまずありません。状況に応じてEyeSightのクルーズコントロールも使用しています。ザックリ言ってそんな運用状況での燃費は以下の表のとおり。

期間走行距離給油量(L)実燃費(km/L)表示燃費平均(km/L)表示燃費誤差(km/L)
2014年7月1260.0109.6311.4912.040.55
2014年8月1755.2153.3511.4511.980.53
2014年9月3512.1284.9812.3213.070.75
2014年10月2160.9177.9812.1413.141.00
2014年11月(純正装着タイヤ)1986.8160.4612.3813.651.27
2014年11月(スタッドレス)1245.9105.6311.7913.501.71
2014年12月2299.2209.2410.9911.420.43
2015年1月1832.2170.7710.7311.180.45
2015年2月1960.1175.7111.1611.870.71
2015年3月2168.4196.7611.0212.081.06
2015年4月(スタッドレス)1481.6125.1011.8412.430.59
2015年4月(純正装着タイヤ)287.127.1910.5611.100.54
2015年5月3311.8260.6512.7113.150.44
2015年6月2588.1207.2812.4913.270.78
2015年7月3360.3267.6012.5613.300.74
2014年7月22日〜2015年7月28日31209.72632.3311.8612.480.62

満タン法による1年間の通算燃費は11.86km/Lでした

 給油ごとに計算する限り、車載の燃費計は誤差が少ないので表示燃費がほぼ実燃費といった印象です。車重の重いステーションワゴンであり、かつ4WDの安心感を考えた場合、この数字がいいのかわるいのかよく分かりませんので、その評価はみなさんにお任せしますが、個人的にはもう少しいい数字を期待していたのが正直なところです。なにしろ東京モーターショーでの発表時に1タンク1000kmの走行を前面に打ち出した新開発FB16ターボ、いわゆる流行りのダウンサイジングターボが搭載されたモデルですから。ちなみにレヴォーグは60Lタンクですから16.7km/Lで1タンク1000kmを達成できます。

 なお、ダンロップ製純正タイヤ装着期間の燃費は11.9km/L、スタッドレス(ミシュランX-ICE XI3)装着期間は11.0km/L。実際に使っている時にはあまりその差を感じませんでしたし走行条件があまりに違うので比較にはなりませんがそのような感じでした。

1年間本当によく働いてくれました。データでみるとスタッドレスタイヤ装着期間の燃費は落ちてはいますが、路面状況や、あの安心感と引き換えの数字である事を考えると満足です

「はたらく」レヴォーグだからこそ気にしてみるコストの話

 燃費なんて数字の話以上でも以下でもないので結果は表に記したものがすべてですが、ここからは少し脱線して「たられば」の話を少々。

 この1年間に使ったガソリンは約2632.33L、燃料代は38万2930円。結構な出費です。使える時はなるべく電車やバス等の公共交通を使うようにしていますが、機材の量や行動する時間帯、現場の交通の便を考えると、やっぱりカメラマンの移動手段はクルマが主力になってしまうんですよね。これが例えばハイオク車で1L当たり10円高いと年間2万6323円のコスト高。燃費が11.86km/Lから10%向上して13.0km/L程度なら、年間約232Lのガソリン消費を抑えられ、単価が143円と仮定すると約3万3200円の節約となるわけです。

 スバルのユーザーには珍しくはないのですが年間3万kmの世界って、そんな世界。仕事のコストって考えると切実な問題でもあるような、それでいて、個人的にはこの程度の差なら踏みまくって楽しんだ方がお得とも思えるような微妙な数字ではあります。(踏みまくったらもっと差が出るとは思いますが……)

 積載量や燃費だけを考えれば、レヴォーグ以上のクルマはありますし、これからドンドン増えてくるかもしれせん。でもね、やっぱり筆者にとってもクルマはそれだけではないんですよね。仕事で使いながら営業車っぽく見えないパーソナル感とでもいいましょうか、要はデザインの好み。というか雰囲気。そして、なにより3万kmも共に過ごすといやでも芽生える愛着。

 さてさて、ノーマル状態のレヴォーグは十分味わいました。今は、いいヤツだけど決して優等生でもなさそうなコイツをこれからどうしましょう、って気分です。アクセルペダルを踏む右足の動きと車速の関係をもう少し自分好みにしたかったり、半年ものあいだオーディオレスで過ごして全然平気だったくせに、イザ装着するともう少しグレードアップしてみたかったりします。そしてなにより何とかしたいのがやはり車高。色々と検討しているのですが、どうもEyeSight装着車の車高変更はハードルが高いようで難航中。というか、そもそも車高を上げるという発想は下げるユーザーと較べて圧倒的に少数派である事を実感したりして、ちょっと長い道のりになりそうな予感。

 と、色々と思案中の我がレヴォーグですが、ちょうど1年経ったので今回は燃費のご報告ということで。そもそも燃費の話などは個々の使用条件や走行条件、またなにより個人の運転の技量によって大きく変化するものなので、参考程度に考えていただければ幸いです。

ノーマルのレヴォーグは十分味わいました。今は、これから先の20万kmのために小さな不満を潰し、さらなる満足を得るためにどこから手をつけようか思案中です

高橋 学

1966年 北海道生まれ。下積み時代は毎日毎日スタジオにこもり商品撮影のカメラアシスタントとして過ごすも、独立後はなぜか太陽の下で軽自動車からレーシングカーまでさまざまな自動車の撮影三昧。下町の裏路地からサーキット、はたまたジャングルまでいろいろなシーンで活躍する自動車の魅力的な姿を沢山の皆様にお届けできればうれしいです。 日本レース写真家協会(JRPA)会員