【2008パリモーターショー】
日本メーカー各社のブースめぐり(1)

日産、マツダ、スズキ、スバル編
3列シートのデュアリスや顔が変わったロードスター

会期:10月2日~19日(現地時間)
会場:フランス パリ Paris Expo Porte de Versailles

   2008 Mondial de l'Automobile(パリモーターショー)は、開幕2日目の10月3日(現地時間)も、報道関係者向けのプレスデイとなる。会場を取材していると、ムービーカメラを持ったチームが目につき、コンセプトカーなど、そのブランドの象徴となる展示の前で、キーマンにインタビューする光景もよく見られる。

   さて本稿では、日本メーカー各社のブースを紹介していく。

日産、7人乗りデュアリスや2代目ムラーノ

プレスカンファレンスでお披露目されたNuvu
  EVコンセプトカー「Nuvu」(ニュービュー)をブース中央に置く日産では、都市型SUV「Qashqai」(キャシュカイ、日本名デュアリス)の7人乗りバージョン「Qashqai+2」に注目が集まっていた。


  Qashqai+2は、Qashqaiのホイールベースを210mm伸ばして、3列目のシートを追加し、7人乗りとしたもの。3列目はやや狭く、子供用と考えたほうがよさそうだ。

Nuvuは3人乗り電気自動車のコンセプトモデルフェイスリフトされたノート
Qashqai+2Qashqai+2の運転席
Qashqai+2の3列目シートQashqai+2のカットモデルで、3列目を折りたたむ様子をデモ
2代目ムラーノGT-Rは特別室で展示。窓の向こうにポルシェのブースが見える
新興市場向けの小型車「Pixo」エクストレイルに搭載されたクリーンディーゼルエンジン「M9R」に6ATを組み合わせたパワートレーン。欧州ではX-TRAILとQashqaiに搭載済み。もちろんQashqai+2にも採用される

マツダ、「清」やロードスターマイナーチェンジモデル

  マツダブースでは、コンセプトカー「清」(きよら)を中心に、ロードスターやアテンザの小変更モデルを展示。

  清は小型のシティコミューター。マツダが独自開発した「SISS」(スマートアイドルストップシステム)を搭載する。スマートアイドルストップシステムは、アイドルストップ時にピストンの位置を最適な位置に移動することで、再始動に必要な時間と燃料を減らす。水と空気の流れをテーマとした外観は、空気抵抗軽減による燃費向上にも役立っているという。


  また、マイナーチェンジしたMX-5(日本名ロードスター)も注目の的。RX-8風のフロントマスクを与えられより精悍になった。このほか、ディーゼルエンジンを新たに搭載したMazda 6(日本名アテンザ)、Mazda 2(日本名デミオ)も展示されている。

清(きよら)
マイナーチェンジされたロードスター
デミオとアテンザのディーゼルエンジン搭載モデル日本未発売のトラック「BT-50」
おなじみの水素ロータリー搭載車「RX-8 HYDROGEN RE」。水素でもガソリンでも動く

スズキ、世界戦略車「Alto」と「Splash」

Altoと鈴木俊宏海外営業本部長
  スズキはインドのMaruti Suzukiで生産する世界戦略車「Alto」をデビューさせた。アルトといえば日本では軽自動車だが、こちらはAセグメントに属し、1リッターエンジンを搭載する。

  また、ハンガリーのMagyar Suzukiで生産されている日本未発表の小型車「Splash」も展示。1.2リッターエンジンを搭載し、背高ながらハイトワゴンともひと味違うスタイリッシュなボディを持つ。


Alto
明るくおしゃれな内装も用意。低価格だけが売りではないことをアピールSplash
Splash
SX4 WRCこちらは海外で販売されているディーゼルエンジンのジムニー
燃料電池バイク「Crosscage」。125ccのバイクと同じくらいの大きさのようだ

スバルはボクサーディーゼルをアピール

  スバルブースでは、水平対向ディーゼルエンジンがもっとも大きなトピック。レガシィ、アウトバックに加え、インプレッサ、フォレスター各車の搭載車が展示された。いずれも2リッター4気筒のエンジンだが、出力などのチューンが微妙に異なる。

  このほか、電気自動車のR1eや、やはり電気自動車コンセプトカーのG4eを展示するほか、同社50周年にからんで、同社の前身となる中島飛行機製作所時代からの歴史を振り返るコーナーも設けられている。

ボクサーディーゼルによるシンメトリカルパワートレーン
ディーゼルエンジンを搭載するインプレッサ。「スポーツ」を銘打たれるやはりディーゼルエンジンのフォレスター。若干トルク重視のセッティング
R1eG4e。2007年の東京モーターショーで展示されたコンセプトカー
インプレッサのWRCマシン
スバル(富士重工業)の歴史を紹介するコーナー。写真左がスバルブランドの起源となるスバル360、写真右が同社の歴史を紹介するパネル。パネルに掲載されている飛行機は、富士重工業の前身となる中島飛行機製作所が戦前に製造していた「中島フォッカー・スーパー・ユニバーサル旅客機」

URL
Mondial de l'Automobile(英文)
http://www.mondialautomobile.com/

(編集部:田中真一郎)
2008年10月6日