最新の模型やラジコンカーが見られる「全日本模型ホビーショー」
18日から一般公開。クルマの模型の新製品が一堂に

10月16日、17日(業者招待日)
10月18日、19日(一般公開日)



国産プラモデル50周年となる今回のショーでは、「国産プラモデル誕生50年の歩み展」など特別展示も行われている。写真の右側はタミヤのホンダF1だが、その右にあるのはイマイのホンダF1
  模型店や町のおもちゃ屋さんに行くと、多くの模型やおもちゃなどが売られている。最近は、家電量販店などでもそれらの製品が販売されるようになり、その中でもクルマの模型やラジコンカーなどは、一つのジャンルとして定着している。 

  そんなクルマの模型やラジコンカーの新製品をはじめ多くの製品が展示されるのが、千葉県幕張メッセで開催中の「全日本模型ホビーショー」だ。今年で48回目を数え、数多くの模型メーカーが本拠地を構える静岡で毎年春に行われる「静岡ホビーショー」と並ぶ展示会である。今年は10月16日から10月19日までの4日間開催され、16日、17日は業者招待日、土日となる18日、19日は一般公開日となっている。業者招待日は主に問屋やお店から商品の注文を受ける日のため、即売会などが行われる一般公開日と展示内容の異なる部分もあるが、本記事では16日の業者招待日で見かけた、クルマに関連する模型やラジコン関連製品を紹介していく。

クルマの模型などの大量展示を行った青島文化教材社
 青島文化教材社(アオシマ)は、展示面積の半分近くをクルマ関連に割き、数多くの製品を展示していた。デコトラ(デコレーショントラックの略で、映画「トラック野郎」シリーズで一躍有名になった。アートトラックとも)の模型でかつてヒットを飛ばしたアオシマらしく、大型車の新製品などを展示。1/32(32分の1、実車の32分の1のスケールであることを示す)三菱ふそうの「スーパーグレート ダンプ」や、1/32東京都交通局バス(日野ブルーリボンII)、京都市交通局バス(いすゞエルガ/ノンステップ)をはじめ、「うまい棒」や「井村屋肉まんあんまん」のラッピングバスも展示されていた。 

  そのほかトイRC(最初から組み立て済みのラジコンカー)のデコトラや塗装済みのプラモデルなど、買ってきたらすぐに楽しめるものが多かったのも印象的。また、アオシマはクルマのトレンドにも敏感で、従来からのグラチャン仕様(かつて富士スピードウェイで開催されていた、グランチャンピオンレース開催時に集まった改造車のトレンド)のクルマに加え、今や一部で大ブームとなっている痛車(イタシャ、アニメキャラクターなどの絵をペイントもしくはカッティングシートなどで貼ったクルマ)の新製品も展示。「クラナド」の1/24ソアラの展示や、「魔法少女リリカルなのは」の1/24チェイサーの発売予告が行われていた。 

  ちょっと変わった製品としては、1/5 13Bロータリーエンジンを展示。半透明のプラスチックでできており、実際のロータリーエンジンの動作を手で動かすことで楽しめるものだ。1ローターの模型ながら、ローターやエキセントリックシャフトの動きを実感できる。 

アオシマの1/32「三菱ふそう スーパーグレート ダンプ」。トラック好きにはたまらない三菱ふそうのダンプカー。展示員の方によると、トラックをはじめバスなどの大型車の模型にはある一定のファンがいるとのこと手軽に楽しめるラジコントラック「デコトラ船団」シリーズ。荷台のデザインによって、「傾奇者」「一番槍」「婆娑羅」「梵天丸」の4種類が用意されているミニカースケールの1/43で発売される「スカイライン HT 2000 GT-E・S(KHGC211)」。スカイラインジャパンの愛称で親しまれたモデル
1/32東京都交通局バス(日野ブルーリボンII)と京都市交通局バス(いすゞエルガ/ノンステップ)。1/32のバス模型は意外と迫力があり、窓を大きく取ったルーミーなデザインもよく再現されている売れ行き絶好調の1/24痛車シリーズ最新作。「クラナド」の1/24ソアラに加え、「魔法少女リリカルなのは」の1/24チェイサーが置いてあったが、なのはチェイサーに関しては白塗色。交渉がいろいろあるらしく、初日の展示には間に合わなかったとのこと痛車づく、アオシマの次なる一手は、1/64痛車ミニカーコレクション。第1弾は「らき☆すた」となる。手のひらにものる大きさでコレクションにも適する
1/5 13Bロータリーエンジン。ペリトロコイド曲線のまゆ型ハウジングもきちんと再現されており、その内側を三角おむすびのローターが回る様子をしっかり見ることができる。但し、1ローターなので2ローターにしたい場合は、一部自作が必要となる

URL
株式会社青島文化教材社
http://www.aoshima-bk.co.jp/

大人気にミニッツシリーズに力を入れる京商など 
  ラジコンメーカーとして有名な京商は、ミニラジコンカー「ミニッツ」シリーズを大量展示。車種によっても異なるがミニッツシリーズは全長20cm前後のミニラジコンカーで、家の中でも本格的なラジコンが楽しめることで近年人気となっている。1/24スケールの、2007年シーズンF1マシン「ボーダフォン マクラーレン メルセデス MP4-22」や、2006年シーズンの「フェラーリ 248 F1」、そして模型のアイテムとして大人気の「日産 GT-R」などの新製品も。そのほか、1/10ラジコンカー「ROCK FORCE 2.2 スズキ ジムニー」など、ここのところ人気になりつつある岩山コース向けの製品も展示されていた。 

  また、ラジコン用の送受信機のメーカーとして、そして2足歩行ロボットのメーカーとして知られている近藤科学は、大人気のミニッツシリーズ用の2.4GHz ICS(Interactive Communication System)を展示。これを使えば2.4GHz帯の電波を使うミニッツシリーズ用の細かな設定がパソコンから可能になる。この2.4GHz帯は、従来の27MHz帯、40MHz帯よりも多くのチャンネルを設定でき、同時にレースを行える台数が増えるというメリットがある。ここ数年この電波帯域を使う送信機/受信機が増えており、どのバンド(チャンネル)が利用されているのか確認可能なバンドモニタリングシステムもミニノートPC上でデモが行われていた。 

京商のミニッツブースに展示されていた「ボーダフォン マクラーレン メルセデス MP4-22」。再現度も高く、これを実際に無線操縦で動かせるのだからたまらない「フェラーリ 248 F1」も展示。ミニッツシリーズはオプションパーツも豊富に用意されており、自分好みのチューニングに仕上げることができる最新のGT-Rもミニッツシリーズに登場する。ボディカラーも複数ある
1/10ラジコンカー「ROCK FORCE 2.2 スズキ ジムニー」などの展示。河原などで遊んでみたい製品だ近藤科学のブースに展示されていた、「マルチセッティングアダプター ミニッツ2.4GHzカードセット」。ラジコンカーの一大分野となったミニッツでは、細かいセッティング変更用のパーツが投入されている

URL
京商株式会社
http://www.kyosho.com/
近藤科学株式会社
http://www.kondokagaku.jp/

業界最大手のタミヤはソーラー発電工作セットも
   模型業界において世界のトップクラスに位置するのがタミヤ。クルマの模型はもちろん、RCカー(ラジコンカー)やミニ四駆などクルマ関連の製品が盛りだくさん。その中でもタミヤらしい先進的な製品が「ソーラー発電工作セット」。これは、2.0V125mAのソーラーパネルで発電した電気を、クルマに内蔵したキャパシターに蓄電し、その電力でクルマを走らせるというもの。屋外で3~5分の蓄電で、3分ほど走行でき、太陽光の持つパワーを実感できる。

  また、ブースではタミヤが新たに「タミヤ掛川サーキット」に開いた、「ロッククローリングフィールド」の告知も行われていた。このロッククローリングフィールドは、天然石を無数に配置した高低差3.5mのチャレンジセクションで、今回展示されていたCR-01シャーシを持つラジコンカーなどで楽しめるとしている。第1回のイベントは11月3日に予定されているので、近くに在住の方は参加してみるのもよいだろう(申し込み締め切り日は10月20日)。

URL
株式会社タミヤ
http://www.tamiya.com/japan/
日本最大級のロッククローリングフィールドが掛川に誕生!
http://www.tamiya.com/japan/info/081003kakegawa/index.htm
RCイベント情報
http://www.tamiya.com/japan/rc/event/gp_calendar/index.htm 

タミヤならではの製品「ソーラー発電工作セット」。ソーラーパネルやキャパシターを搭載した電動カーが付属する。右の写真の真ん中に見えるのがキャパシター搭載カー。透明なカバーに覆われた黒い円柱状のものがキャパシターだ。単に利益を追求するするだけでなく、科学する心を育ててくれる製品を市場に投入するのがタミヤの心意気岩場でも楽しめる強靱なシャーシ「CR-01」を持つラジコンカー「ジープ・ラングラー」。すでにCR-01シャーシを持つラジコンカーはいくつか出ており、このジープ・ラングラーはその最新製品となる
トヨタが米国市場で販売している「TUNDRA」も1/10のラジコンとなってお目見えタミヤのラジコンモデルの頂点に位置するのが、この「TRF416 ワールドエディション」。TRFとはTamiya Racing Factoryのことを意味し、ラジコンの世界選手権に向けたマシン。ベルトで4輪を駆動する最新鋭の4WDマシン
「F103RM」はリア2輪駆動のラジコン用シャーシ。先ほどのTRF416と比べるとそのシンプルさがよく分かる。実際の操縦はF103RMのほうが難しく、スロットルコントロールとステアリングコントロールのリズム感が大切市販型のGT-Rをいち早く模型化したタミヤからは、Super GTに参加している「XANAVI NISMO GT-R」がお目見え。右の写真が全部品の写真だが、市販型と共用化できた部品はテールランプのみと、まったく別物に仕上がっている
「マルティーニ ポルシェ 935 ターボ」は、タミヤの1/24スポーツカーシリーズの最初の製品。デカールも定評のあるカルトグラフ製のものになったエッチングパーツなどが同梱されて発売となった「タイレル003」。1971年にジャッキー・スチュワートの手によってチャンピオンを獲得したマシン塗装済みの各パーツが額縁に入れられている「パーツパネルコレクション」。タミヤのカタログには、そのときの最新製品が同様の方法で写真として掲載してあり、自分も一度はと思った人もいるはず。その夢を叶えてくれるのがこの商品だ
ミニ四駆好きが大好きなシンガー、桃井はるこさんのスペシャルマシンも発売される。ド派手なオレンジカラーが印象的で、箱の写真も桃井はるこさんになるという新たなミニ四駆ブームが始まっていることを説明したパネル。このブームを加速するよう、タミヤもミニ4駆関連商品を多数出品していた



模型としても人気のあるGT-R 
  ざっと会場を見て回ってやはり目に付くのは、日産GT-Rの模型化の数々。最新版のR35 GT-Rをはじめ、そのレーシングモデル、そして初代GT-Rなど会場のあちらこちらで模型化されていた。そのほかフェラーリのF1マシンも人気のアイテムで、やはり複数のメーカーが新製品の展示を行っていた。18日、19日は一般公開日となるので、模型ファンはもちろん、模型やラジコンに興味のある方は訪れてみてはどうだろう。ここで紹介したクルマ関連以外にも、飛行機やロボットなど数多くの模型が展示されているので、じっくり見て回れば1日ゆっくり楽しめるだろう。 

1/43ミニカーで著名な「エブロ」と「トミカ」のコラボレーションモデルが、この「イエローハットYMS トミカGT-R 08モデル」。長谷見昌弘監督率いる長谷見モータスポーツのレーシングGT-Rハセガワからは1/20スケールのフェラーリ312T2が会場発表された。1976年にニキ・ラウダが戦ったマシン312T2に搭載される水平対向12気筒のエンジン。この当時のフェラーリは水平対向エンジンを使っており、それがフェラーリF1マシンの特徴でもあった
バンダイからは塗装済みキットの新旧GT-Rが登場する。組み立ては必要なものの、最初から塗装されており、通常のプラモデルよりは完成が容易だ。左のR35 GT-Rは最新のGT-R、右のPGC10 GT-Rは4ドアで登場した初代GT-Rフジミからは、1990年フランスGP仕様のフェラーリ641/2が発売される。アラン・プロストがゼッケンナンバー1を付けて闘ったマシンだ

 

URL
JPM 日本プラモデル工業協同組合(全日本模型ホビーショー)
http://business1.plala.or.jp/plamodel/2008/index.html 

(編集部:谷川 潔)
2008年10月17日