やじうまパリモーターショー2008(2)
パリ自動車名所めぐり その1


シャンゼリゼの自動車ショールームめぐり

シャンゼリゼ通りのCitroenのショールームの前から凱旋門を望む
  シャンゼリゼ通りは凱旋門からコンコルド広場をつなぐ約2kmの通りだ。Louis Vitonなどの高級ブランドも出店するスノッブな繁華街で、東京でいえば銀座にあたるのだろうか。

  このシャンゼリゼ通りに、Peugeot、Mercedes-Benz、トヨタ、Renault、Citroenといった自動車ブランドがショールームを出している。もちろん車が展示されていたり、カタログを配布していたりしているのだが、いずれもクルマの販売よりは、会社や製品のイメージを伝えることが目的のようで、凝ったディスプレイと、アパレルやミニカー、書籍といった関連グッズのショッピングを楽しめる。

  では、凱旋門からコンコルド広場に向かってシャンゼリゼ通りを下りながら(シャンゼリゼ通りにはゆるい傾斜がついている)、ショールームを巡っていこう。

 

まずは通りの左にPeugeotのショールーム「Peugeot Avenue Paris」が現れる(この写真は凱旋門側ではなくコンコルド広場側から撮影した)訪れた当日は「Shopping Day」というテーマで展示車とショールーム全体を装飾。今どきの女の子のお洒落で楽しいショッピングをイメージして、ファッションデザイナーとコラボレーションしたとのこと
この1007は外装だけでなく内装にも注目。シートだけでなく床もカスタマイズされているただでさえかわいらしい207CCが、スティッチ模様を入れるとさらにおもちゃっぽく
Peugeot版アウトランダーこと4007。ハードなSUVも女の子向けにアレンジスクーターや自転車もPeugeotのプロダクト
ペッパーミルもPeugeotの現役製品グッズコーナー。ミニカーやキーホルダー、書籍などがある。コンセプトカーのミニカーなど、なかなかお目にかかれないものがたくさん
Pugeoutの並びを数十m進むと、にMercedes-Benzが登場する。こちらは多数の現行車やカタログを用意し、いかにもショールーム然とした雰囲気。受付のカタログは頼めばもらえる
地味な雰囲気のMercedes-Benzのショールームだが、グッズもたくさん販売されている。やはりコンセプトカーのミニカーなどもあるが、ちょっとお高め。アパレルが充実している
通りを渡るとトヨタ。「Le Rendez-Vous Toyota」(レ・ランデブー・トヨタ:トヨタとの出会い)と名付けられている。入り口ではコンセプトカーがお出迎えiQとプリウスを展示。iQはやっぱりこうやって並べたくなる
メッセージを書かせたり、折り紙を折らせたり、来場者が参加するタイプの展示がトヨタの特徴トヨタのグッズ販売はコーナーも小さく品数も少ないのだが、和テイストを押し出したひと味違うグッズを揃えている
2階はF1のコーナー。ドライブシミュレーターや反応速度テストと、やはりこちらも参加型展示2階にはカフェがある。最近始めたという「KAISEKI BENTO」は日本人シェフが厳選素材で作り上げた逸品で、50ユーロ。このほか蕎麦などもある模様。パリで日本食が恋しくなったらLE RENDEZ-VOUS TOYOTAに行く、というのもアリか
トヨタの並びにあるのが「Atelier Renault」(アトリエ・ルノー)。訪れたときは低価格車Loganを全面的にアピール。Loganがいかに世界中で愛されているかを強調する展示だ。家賃の高そうなシャンゼリゼであえて低価格車をアピールするRenaultの姿勢は興味深い
最新モデルのMeganeはクーペが入口に1台あるだけ一応やってます、という感じのF1の展示。10枚程度のパネルがショールームの裏の狭い通路に飾ってあるだけここもやっぱりグッズが豊富。ドーフィン、ゴルディーニなどクラシックなRenaultのミニカーが目立つのが面白い
Renaultを出て再度通りを渡ってCitroenのショールーム「C42」へ。特徴的な建物は、通りの反対側からもすぐわかるC42は2007年9月にオープンしたばかり。有名建築家が建物とインテリアを手掛けた。中央の吹き抜けのクルマの展示が圧巻。訪れた時はブランニューのC3 Picasoを展示
C42は地上4階、地下1階と、シャンゼリゼの自動車メーカー中最大の規模。各階でC3 Picasoを眺めたり、景観を楽しむことができる。地下はWRCカーの展示
1階奥のブティック。品揃えはここも豊富。仕事を忘れてショッピングに夢中になって撮り忘れたのだが、Citoroenのクルマなどの写真がプリントされたオリジナルチョコレート(9ユーロ)、なんてのもある

Le Rendez-Vous Toyota
http://www.toyota-europe.com/rendezvous/
Atelier Renault
http://www.atelier-renault.com
Citroen C42
http://www.c42.fr/index_en.php

2CV 60周年記念展開催中
  シトロエン2CVといえば、フォルクスワーゲン・ビートルやモーリス・ミニと比肩する大衆車として名高い。2008年はその発売から60周年ということで、パリモーターショーのシトロエンブースにも特別仕様の2CVが展示されていたが、パリ北東部La Villetteの「Cite des sciences et de l'industrie(科学産業博物館)」では、「2CV EXPO SHOW」と銘打って、2CVを紹介する企画展を4月から開催している。会期は11月30日まで。

  内容は、年代によってさまざまなバージョンが作られた2CVから、12台をピックアップして展示し、各種の資料とともに2CVの歴史や特徴を振り返るもの。あまり大きなスペースは使われていないものの、4台しか現存が確認されていない1939年製の試作車や、1950年製初代モデル、右ハンドルモデル、4WDモデルやラリーレイドモデルなど、珍しい2CVの実車が含まれている。

  単一車種での企画展というのも興味深いし、たったひとつのモデルからここまで豊かなバリエーションが生まれるのにも驚かされる。

  またこの科学産業博物館には自動車に関する常設展示もあり、こちらでもシトロエンZXのラリーレイドモデルやルノー・ドーフィンなどが楽しく展示されていて、2CVファンならずとも興味深いはず。基本的に子供向けの施設だが、車好きならぜひ足を運んでほしい場所である。

 

Cite des sciences et de l'industrie2CV EXPO SHOWの入り口に、空から2CVが降り立つ
2CVのプロトタイプ
初代モデル1966年型
1966年型。トランクリッドも備わって、フツー(?)の自動車に2CVのパワートレーン。左が前方で、空冷水平対向2気筒エンジン、その後ろ(写真では右)にトランスミッションとデファレンシャルギアがある前輪と後輪を1つのスプリングで結んだ前後関連懸架装置は2CVの特徴のひとつ
さまざまな2CV 9台が順ぐりに展示される「2CVパレード」一見、珍しいオーナメントが付いただけの2CV。しかし、よく見ると右ハンドル!
前後にエンジンを載せて4WD化した「2CV Sahara」ラリーレイド(長距離ラリー)仕様の2CVこちらはラリークロス(オフロードサーキットレース)仕様
2CVのミニカー大集合。本当に作られたとは信じがたい2CVがたくさん
こちらは常設展

2CV EXPO SHOW(英文)
http://www.cite-sciences.fr/cs/Satellite?c=Page&cid=1195217152775&pagename=Portail%2FEXPOS-temporaires%2FPortailLayout&pid=1195217152805
科学産業博物館(英文)
http://www.cite-sciences.fr/english/indexFLASH.php