スズキ、ハンガリー産のコンパクトカー「スプラッシュ」を発売
欧州生まれのデザイン、走行性と快適な居住性を両立

スプラッシュ
10月21日発売
123万9000円



  スズキは、新型コンパクトカー「スプラッシュ」を10月21日より発売する。販売価格は123万9000円。

  スプラッシュは、同社が「スイフト」「エスクード」「SX4」に続いて世界戦略車として位置付けているコンパクトカー。スズキがOEM供給しているOpelと共同開発した製品で、Opelの提案を取り入れつつ、スズキがパッケージング、設計、日本や欧州での開発テストを行ったという。生産は、ハンガリーの製造子会社である「マジャールスズキ」によって行われ、日本へは同社初となる輸入販売を行う。なお、欧州では2008年3月からハンガリーをはじめ、24カ国での販売を開始している。

スプラッシュの車名の由来スプラッシュの特長

  エクステリアでは、スズキのデザイナーやモデラー9名が欧州に駐在してデザインなどの開発を実施。スイフトのプラットフォームをベースとしつつも、車体のコンパクトさと十分な頭上空間のある居住性を両立させたという。

  インテリアでは、オーバル(楕円形)をモチーフとしたデザインを採用した。メーターは視認性に優れた大型単眼メーターを採用し、メーター内には時刻/外気温/燃費/航続距離などを表示するインフォメーションディスプレイを装備。フロントシートは視界と乗降性を向上させるため、高めの位置に設置されているほか、シフトレバーも操作しやすい位置に装備されている。

  インテリア機能では、引き出し式のカップホルダーやリッド付きインパネアッパーボックス、インパネトレーなどを装備。リアシートは6:4分割可倒式を採用し、背もたれを倒すのみでラゲッジルームの拡大が可能で、ラゲッジルームのフロア下には容量36Lのラゲッジアンダーボックスを装備する。オーディオレスが標準となるが、フロント/リアの4スピーカーとルーフアンテナは標準装備される。

欧州で行われたスプラッシュの開発からテストの模様を公開
スプラッシュのコックピットシートポジションの高さやシフトレバーの位置など、運転しやすさをアピール
ラゲッジルームとラゲッジアンダーボックス

  動力性能では、直列4気筒 DOHC 16バルブ VVT(可変バルブ機構)の1.2リッターエンジン「K12B型」を搭載し、最高出力は65kW(88PS)/5600rpm、最大トルクは117Nm(11.9kgm)/4400rpm。燃費は10・15モードで18.6km/Lとしており、燃費基準で「2005年排出ガス基準75%低減レベル」と「2010年度燃費基準+15%」を達成し、グリーン税制に適合している。トランスミッションはCVTを搭載。駆動形式は前輪駆動のみとなるが、標準で寒冷地仕様車となっている。

  ボディは、スイフトのプラットフォームをベースとしてスイフトの走りのよさを継承したとしているほか、亜鉛メッキ鋼版を採用して耐久性を向上。フロントフェンダーカバーや吸音タイプのルーフライニング、ドアの2重シールなどを採用して優れた静粛性も実現した。サスペンションはフロントでマクファーソンストラット式を、リアでトーションビーム式を採用しており、欧州各地のテストでサスペンションやステアリング、ブレーキなどのチューニングを行ったという。このほか、タイヤにはスプラッシュ向けにチューニングした独コンチネンタル製の185/60 R15タイヤを採用している。

  安全性能では、衝突安全ボディー「TECT(Total Effective Control Technology:テクト)」を採用。フロントやサイドなどに6つのSRSエアバッグを標準装備しているほか、フロントサイドフレームには低速衝突時の衝突エネルギーを吸収するクラッシュボックスを内蔵している。また、歩行者傷害軽減機能では、欧州の衝突安全評価「ユーロNCAP(European New Car Assessment Programme」にて3スターを獲得したという。このほか、ABS、EBD(電子制御制動力配分装置)、全席の3点式シートベルトとヘッドレスト、イモビライザー、セキュリティーアラームシステムを標準装備としている。

K12B型エンジンの性能と燃費独コンチネンタル製のタイヤを装備
ボディーに施された静粛性対策ボディーに内蔵されているクラッシュボックス

  ボディーカラーは、「ラグーンターコイズメタリック2」「コスミックブラックパール」「スプラッシュグリーンメタリック」「ブライトレッド5」「カシミールブルーメタリック4」「スペリアホワイト」の6色を用意。インテリアカラーは、ラグーンターコイズメタリック2/コスミックブラックパールで「ターコイズ」、スプラッシュグリーンメタリック/ブライトレッド5で「ブラック」、カシミールブルーメタリック4/スペリアホワイトで「ブルー」となる。

  本体サイズは3715×1680×1590mm(全長×全幅×全高)で、重量は1050kg。1.2リッター、CVT、2WDの1グレードのみとなる。

ラグーンターコイズメタリック2(リア)コスミックブラックパールスプラッシュグリーンメタリック
ブライトレッド5カシミールブルーメタリック4スペリアホワイト
ターコイズインテリアブラックインテリアブルーインテリア
ボディーカラーとインテリアカラーの組み合わせ

  スズキは、スプラッシュの発売にあわせて発表会見を実施。取締役社長の津田紘氏が出席し、「自動車販売が厳しい世の中で、きちんとしたコンパクトカーを作ろうと思った」と開発の経緯を説明。「スイフト譲りのキビキビした走りを受け継ぎつつ、洗練されたおしゃれなヨーロッパ育ちのコンパクトカー」と特長を紹介し、「乗って楽しい、わくわくするような、スズキらしいコンパクトカーとしてラインナップを拡充し、幅広い年齢層の方にお乗りいただきたいと思う」とコメント。「ハンガリー生まれのスプラッシュが、多くの方にご愛顧いただけることを願っている」と期待を表した。なお、日本国内での月間販売台数は500台を目標としている。

スズキ株式会社取締役社長の津田紘氏とスプラッシュスプラッシュの開発を担当した第4カーライン チーフエンジニアの日比敏勝氏。「スイフトの開発を通じて、欧州で通じる車作りのノウハウを得た」とコメントマジャールスズキの紹介パネルや、ハンガリー産ワインなどを展示。ハンガリーワインはスズキの子会社である「スズキビジネス」が日本に輸入している
スプラッシュのTVCM。欧州生まれであることをアピールしている

URL
スズキ株式会社
http://www.suzuki.co.jp/
ニュースリリース
http://www.suzuki.co.jp/release/a/2008/1021/index.html
製品情報
http://www.suzuki-splash.jp/

(編集部:大久保有規彦)
2008年10月21日