日立、コーナーリングをスムーズにする自動ブレーキシステム
熟練ドライバーの操作を制御装置に応用

  日立製作所は10月21日、ハンドル操作に合わせてブレーキやアクセルを自動制御してコーナーリングをスムーズにする技術の効果を、実験により確認したと発表した。

  同社と神奈川工科大学は共同で、熟練ドライバーのアクセル、ブレーキによる加減速操作が、ハンドル操作による横方向の加速度と相関関係があることを見い出した。これにより、熟練ドライバーの運転技術を抽出し、ブレーキ制御システムに応用した。これにより車両運動がスムーズになり、乗り心地と安全性の向上、タイヤ摩耗の軽減、燃費向上などの効果がある次世代運転支援システムが可能になるという。

  実験では、ドライバーでなく制御装置がブレーキを操作する車両で、半径20mのコーナーを走行。この結果、

  1. コーナーへの進入速度が50km/hから70km/hに向上した
  2. オーバースピードで進入しても、自動制御で適切に減速された
  3. 車両の前後左右の傾き運動が連携することで、不快な車両の傾きを低減できた
  4. 「路面にはりつくように曲がる」「安心感を持ってハンドル操作ができる」という試乗体験者の感想を得た

という。

  なおこの成果は、10月22日から名古屋で開催される自動車技術会秋季大会で発表される。

 

URL
株式会社日立製作所
http://www.hitachi.co.jp/
ニュースリリース
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2008/10/1021.html

(編集部:田中真一郎)
2008年10月21日