「パイオニア・カロッツェリア ラリージャパン」レース前日リポート2
ラリーショーとセレモニアルスタートで前夜祭

札幌ドーム内に特設されたスーパーSS用コースに、ラリーショーのために出場する全車が並べられた
10月31日～11月2日競技開催



  世界ラリー選手権（WRC）第14戦「パイオニア・カロッツェリア ラリージャパン」が開幕した10月30日、本格的な競技開始を明日に控え、大会本部のある札幌ドームでは「ラリーショー」と「セレモニアルスタート」が行われた。

  ラリーショーは、ファンサービスとして行われるイベントで、16時から出場する86台のラリー車全車の展示と、選手のサイン会が行われた。

  ラリー車は、ドームに設けられたスーパーSS（スペシャルステージ）用のコースに置かれ、観客もコース内に入り、間近でマシンを見ることができた。またドライバーやスタッフが傍らにいて、観客と交流したチームもあった。

  サイン会は17時30分から20分間行われた。現在ポイントリーダーのセバスチャン・ローブ選手をはじめとするWRCのドライバー、併催されるPCWRC（プロダクションカー世界ラリー選手権）のドライバー全員がサインをするもの。コースの中で本物のマシンを前に、本人からサインをもらえるとあって、長い列ができた。

ラリーショーではラリー車のごく近くに行くことができるWRC出場車はさすがに柵の内側に置かれるが、それでも手が届きそうな近さ
WRC出場車も全車並べられるラリーショーで注目を浴びていた奴田原文雄選手のPCWRC用ランサー・エボリューションXもうひとりの人気日本人選手、新井敏弘選手のPCWRC用インプレッサ
キャンギャルのいるチームもラリーショーの最中もコックピットで作業にいそしんでいたコドライバーの地神潤選手。レッキ（試走）で作ったペースノート（SSのコース状況を記述したノート）を書き直していたとのこと“ハコ”だらけのエントラントの中で唯一のスポーツカールックで異彩を放つインテグラ TypeR
これも注目を浴びていたハセ・プロチームのランサー・エボリューションVIII。ハセ・プロのカーボンシート「MAGICAL CARBON」を全体に貼ってあって、まるで全部カーボンでできたボディのように見える。MAGICAL CARBONは480×600mmで1万3440円。このマシンの仕様でいくらかかるかは「まだ計算していません」とハセ・プロの代表取締役にしてドライバーの長谷川智秀氏。「レッキでコンクリートウォールにヒットしちゃったんですけど、コンクリートは割れてもMAGICAL CARBONには傷がつきませんでしたよ」とのことスーパーSSのスタートゲート。ラリーのSSは通常1台ずつスタートするが、スーパーSSは2台同時にスタートする。屋内で2台同時走行するのは、今回がWRC史上初
スロープの上の行列は、サイン会を待つ人々場内放送のインタビューに答えるスバル（富士重工業）のペター・ソルベルグ選手。ソルベルグ選手の行くところすべてで人垣ができる大人気同じくインタビューに答えるポイントリーダー、シトロエンのセバスチャン・ローブ選手。史上初となる5度目のチャンピオンを狙う
サインするローブ選手やはりサインする新井選手奴田原選手


ラリーをテーマとした映画に出演して、プライベートでもラリーにハマってしまった俳優の哀川翔氏はN3クラスのドライバーとして出場

  セレモニアルスタートは、「開会式」にあたるもの。ラリーは特定の区間でスピードを競う「SS」（スペシャルステージ）と、SS間つなぐ移動区間「リエゾン」で構成され、1日にいくつかのSSをこなし、その成績を総合することで最終的な順位が決まる。したがって競技のスタートはSSごとにある。セレモニアルスタートは競技の始まりとしてのスタートではなく、大会の始まりを告げる儀式として全競技車が1台ずつスタート台に上り、紹介されるもの。

　セレモニアルスタートはプライベートのエントラントからはじまり、PWRCのエントラント、WRCのエントラントと進み、最後にポイントリーダーのセバスチャン・ローブ選手がスタート台に上った。

セレモニアルスタートに先立つ開会式典では、スバルの電気自動車「ステラ・プラグインコンセプト」がスタート台に上り、スーパーSSコースを走った開会式典の飛び入りゲスト、元WRCドライバーのマーカス・グロンホルム氏Nクラスからセレモニアルスタートが始まった
哀川選手のマシンはフォード・フィエスタ奴田原選手とそのマシン。地元北海道恵庭市在住とあって大人気世界中で大人気のソルベルグ選手。ソルベルグ選手といえばハコ乗り。スタート台を降り、会場を出るまでハコ乗りで運転した


ローブ選手はファンに贈られたというハッピを着て登場

  なお、競技は31日朝から始まるが、SS3とSS7は天候により路面状態が悪いためキャンセルされた。

 

■URL
パイオニア・カロッツェリア ラリージャパン
http://www.rallyjapan.jp/

（編集部：田中真一郎）
2008年10月31日