ビクター、新型「ライフ」などに対応したホンダ車向け純正カーナビ
ワンセグやBluetoothなどを拡張機能としてシンプルに

VXM-090CV
11月7日発売
9万3450円、11万4450円


VXM-090。CD/DVDドライブを省略したほかは、VXM-090CVと同一
  日本ビクターは、ホンダのディーラーオプション向けカーナビゲーション「VXM-090」と「VXM-090CV」を11月7日に発売する。販売価格はVXM-090が9万3450円、VXM-090CVが11万4450円。

  今回発売するカーナビは、ホンダがディーラーオプションとして提供しているカーナビ「Gathers(ギャザズ)」向けにOEM提供する2DINタイプのインダッシュ型カーナビ。ビクターは、海外市場ではカーナビのOEM供給を行っているが、日本市場では今製品が初めて。ホンダ車向けの純正アクセサリーを開発・販売する「ホンダアクセス」との共同開発製品で、ホンダが11月に発表予定の新型「ライフ」をはじめ、「フィット」「ゼスト」「パートナー」などに対応し、ホンダのディーラー「ホンダカーズ」を通じて販売する。

  特長としては、カーナビ機能を搭載した前面パネルと、このほかの機能を搭載したシャシーとが分離できる「ユニットナビ構造」を採用。パネルやシャシーに専用拡張ユニットのスロットを装備しており、各種機能をユニットを追加するのみで拡張できる。拡張ユニットは、ワンセグ放送の視聴機能を追加できる「ワンセグ拡張ユニット(1万3650円)」、VICSの受信が可能となる「FM VICS拡張ユニット(1万3650円)」、Bluetooth搭載携帯電話のハンズフリー通話ができる「Bluetooth拡張ユニット(2万8350円)」をあわせて発売する。

  また、ビクターによればパネルとシャシーを分離させる構造を採用したことで、AV機能の設計スペースに余裕が生じ、カーナビからのノイズ遮断も可能となったためAV機能の高音質化に貢献できたとしている。なお、パネルの分離や拡張ユニットの追加は品質を確保するためとしてディラー作業となり、ユーザー自身ではできない。

パネルを分離したVXM-090CVと各種拡張ユニットなどシャシーに装備された拡張ユニットのスロット。分解や拡張はディーラー作業となるBluetooth拡張ユニットのスロットはパネル裏面に。パネル内にカーナビ機能を搭載している

  標準機能では、タッチパネルを搭載した6.5型ワイドEGA(400×234ピクセル)表示の液晶モニターを装備。OSにはWindows Automotive 5.0を採用し、2GBのフラッシュメモリーと2GBのSDカードを併用した合計4GBのメモリーを内蔵する。SDカードは地図更新時などのデータ更新時の利便性を向上させるために採用したもので、ユーザー自身でSDカードの着脱や交換はできない。

  ナビ機能では、約3400万件の住所検索、約3000万件の電話番号検索、約218万件の周辺施設検索などが利用可能なほか、4ルートまでの複数ルート探索、自車マークをホンダのロボット「ASIMO(アシモ)」などに変更できる機能を搭載。このほか、盗難防止機能、ホンダアクセスがすでに販売しているリアビューカメラやドライブレコーダー、ETC車載器などとの連動機能を搭載する。

  オーディオ機能では、45W×4chのアンプを搭載し、本体前面にAUX入力端子を装備。別売りの「iPod接続コード(8400円)」を利用してiPodの音楽再生や操作もできる。また、VXM-090CVのみCD/DVDドライブを装備しており、CD/DVDの再生ができるほか、DVDではVRモードの、CDではCD-R/RWに保存したMP3/WMA/AAC/WAVファイルの再生が可能だ。

iPod接続コードでiPod nanoを接続。前面接続で、別途コントロールユニットなどは不用ワンセグ放送を視聴している状態。字幕表示に対応するが、録画機能は非搭載VXM-090とVXM-090CVの概要
VXM-090とVXM-090CVの基本機能ユニットナビ構造の概要このほかの製品特長

  同製品について、ビクター カーエレクトロニクス事業部長の阿部重徳氏は「日本国内でのPND(Personal Navigation Device:ポータブルナビゲーション機器)の需要は急増しているが、PNDからの買い換えでは約半数が車載型の変更を要望している」としたうえで、「無駄な付加機能を省略し、ルート検索の精度を向上させた、基本機能の充実を望む声が多いため」という開発背景を明らかにした。また、拡張機能については、自動車本体の電子マニュアルを新型ライフに試験的に搭載するほか、ホンダのカーナビサービス「インターナビ」、無線LANやモバイルWiMAXへの対応、音声認識への対応拡大を検討。市販化は現在のところ予定していない。

  なお、同製品の開発にはビクターと経営統合したケンウッド、および両社の持株会社であるJVC・ケンウッド・ホールディングスはかかわっていないが、2009年春にはJVCケンウッドHDが開発している市販向けカーナビ新製品を販売する予定であるという。

日本ビクター株式会社カーエレクトロニクス事業部長の阿部重徳氏同社のカーナビ技術の変遷。PNDやモバイルPCの開発技術によって、カーナビ機能をパネルに搭載できたと言うユニットナビ構造の今後の展開

 

URL
日本ビクター株式会社
http://www.victor.co.jp/
株式会社ホンダアクセス
http://www.honda.co.jp/ACCESS/
ニュースリリース
http://www.jvc-victor.co.jp/press/2008/vxm-090.html

(編集部:大久保有規彦)
2008年11月5日