日産、新型「キューブ」の発表会を開催
MTVジャパンなどと共同プロジェクト開始。12月には新「フェアレディZ」も

新型キューブ
11月19日開催



日産自動車株式会社最高執行責任者(COO)の志賀俊之氏
  日産自動車は11月26日に発売する新型「キューブ」の発表会を11月19日に開催した。

  発表会では、はじめに最高執行責任者(COO)の志賀俊之氏が登壇。「初代は、コンパクトカー市場にハイトワゴンという新カテゴリーを開発し、35万台以上販売するヒット商品となった。2代目は、独自のコンセプトと一目でキューブと分かるデザインで高い評価をいただき、50万台以上販売しキューブブランドを決定付けるモデルとなった」と、これまでのキューブの歴史を振り返り、「一目で分かるキューブのスタイルを継承しつつも、より普遍的なデザインに磨き上げ、快適性を高めた」と新型キューブを紹介した。

  また、今モデルより海外販売も開始することに触れ、「日本で育ったキューブが世界に羽ばたき、独自の世界観やデザインが日本発の新たな価値として、グローバルに支持されると確信している」とコメントした。日産の販売展開については、2008年度に発売した「ティアナ」「エクストレイル20GT」「ムラーノ」「キックス」はいずれも厳しい市場環境の中で検討しているとしており、12月には新型「フェアレディZ」を発売することも明らかにした。新型キューブは日産追浜工場で生産され、販売台数は月間4200台を計画している。

  続いて、開発を担当した商品企画本部商品企画室セグメント・チーフプロダクトスペシャリストの岩佐洋介氏による開発コンセプトの説明が行われた。新型キューブのターゲットは若者で、岩佐氏によれば「最近の若者は、既存の画一的な価値観に疑問を持ち、争いを好まず、心の平和を求めている。そういった人々に共感を得られるよう開発した」とのこと。開発にあたっては、グローバルモデルでありながら5ナンバーサイズであること、先代の左右非対称デザインをキープすることに特にこだわったとしており、左右非対称デザインは左ハンドル仕様車では左右逆になるという。

商品企画本部商品企画室セグメント・チーフプロダクトスペシャリストの岩佐洋介氏新型キューブのアピールポイント開発にこだわった点。左ハンドル仕様車はリアデザインも左右逆となる
インテリアのポイントパッケージのポイントHR15DE型エンジンとエクストロニックCVT
安全装備の概要新型カーウイングスナビゲーションシステムとオーディオの概要SHOJIシェードを閉じた状態のスタイリッシュガラスルーフ
新型キューブのエンジンルームe・4WDとエクストロニックCVTの組み合わせは新型キューブが初4.3型液晶モニター付きCDプレーヤーは、バックモニターの映像表示も可能

  また、デザインを担当したブロダクトデザイン部アソシエートブロダクトチーフデザイナーの渡辺誠二氏によるデザインコンセプトの説明が行われた。キューブのデザインについては、「仲間とのコミュニケーション」「マイペース」「マイルーム」といった意味を込めた「ピースフルデザイン」というコンセプトを紹介。フロントウインドウをオーバル形とし、乗員をフォトフレームの写真に見立てる「ピクチャーフレームウインドウ」や、ダンボールの無垢な素材感を表現したという新色「クラフトダンボール」がコンセプトを象徴していると言う。インテリアの波紋のデザインについては「一滴の滴から輪が広がって共鳴しあうように、人とのつながりを大切にするキューブのスピリッツを表現したもの」と説明。インテリア機能については「ユーザーのアイディアで装飾にも収納にもなる。自分のスタイルを自由に表現してもらいたい」と語った。

ブロダクトデザイン部アソシエートブロダクトチーフデザイナーの渡辺誠二氏新型キューブのデザインコンセプト前モデルから余分な混ざりものを取り除いた「純化」したデザインだとしている
新型キューブのフロントマスクは「サングラスをかけたブルドッグ」がモチーフインテリアはジャグジーの中にいるような気分にさせるデザインを採用新型キューブの主なインテリア機能
ボディーカラーの新色「クラフトダンボール」波紋のデザインのコンセプト波紋デザインが施されたキューブの内外装
発表会会場では、「ピクチャーフレームウインドウ」をイメージした写真を展示ウインドウのない右リアクオーターにも波紋をデザインスピーカーも波紋をデザイン

  このほか、マーケティング本部マーケティング・ダイレクターの森田聡氏による販売戦略の説明が行われた。新型キューブでは、「I'm Peaceful」というキーワードを元にTVCMを展開。また、新型キューブが若者文化の象徴として受け入れられるようなコミュニケーション活動として、MTVジャパンとの共同プロジェクト「meetalk」を立ち上げると発表した。meetalkは、“MEET(会う)”と“TALK(話す)”」をかけあわせた造語。プロジェクトでは、ミュージシャンのコブクロの楽曲「ベテルギウス」のオリジナルミュージックビデオをMTVで放送するほか、キャンペーンイメージスポットの放送、キャンペーングラフィックの広告展開などを行う。

マーケティング本部マーケティング・ダイレクターの森田聡氏(左)。会場には、MTVジャパン株式会社代表取締役社長のピーター・ブラード氏(右)も登場放送されるTVCM
新型キューブの販売戦略のイメージ発表会には、MTVでVJも行っているファッションモデルの浦浜アリサさんも参加18才になったという浦浜アリサさんは、「免許を取ったら、第1号車はキューブにしたい」とのこと
キューブの「I'm Peaceful」に賛同したという梱包品会社のレンゴーによる、実物大のダンボール製キューブコラボレーション企画として、デザイン家具を販売するカッシーナ・イクスシーが発売する、キューブのシート生地を使用したソファー「ブーメランソファ キューブ スペシャルバージョン」

  なお、日産は新型キューブのデビューイベントを、東京都中央区の「日産本社ギャラリー」および「日産銀座ギャラリー」にて、11月19日から30日まで実施する。

 

URL
日産自動車株式会社
http://www.nissan.co.jp/
ニュースリリース(コラボレーション企画)
http://www.nissan-global.com/JP/NEWS/2008/_STORY/081119-03-j.html
ニュースリリース(デビューイベント)
http://www.nissan-global.com/JP/NEWS/2008/_STORY/081119-02-j.html
ニュースリリース(レンゴー)
http://www.rengo.co.jp/topics/2008/2008_topi_006.html
製品情報
http://www.nissan.co.jp/CUBE/
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【2008年11月19日】日産、四角いコンパクトカー「キューブ」をフルモデルチェンジ
http://car.watch.impress.co.jp/docs/news/20081119_38135.html

(編集部:大久保有規彦)
2008年11月19日