北関東自動車道真岡IC~桜川筑西IC間が開通
東北縦貫自動車道と常磐自動車道が高速道路で接続

真岡IC~桜川筑西IC間の開通によって、東北道と常磐道が結ばれた。これにより北関東道の8割が完成したことになる。壬生PA(パーキングエリア)、笠間PAも12月20日にオープンした
12月20日15時開通

 かねてから建設中であった北関東自動車道真岡(もおか)IC(インターチェンジ)~桜川筑西(さくらがわちくせい)IC間14.9kmが、12月20日15時に開通した。

 NEXCO東日本(東日本高速道路)の管轄する北関東自動車道(北関東道)は、関越道(関越自動車道)高崎JCT(ジャンクション)~東北道(東北縦貫自動車道)岩舟JCT、東北道栃木都賀JCT~ひたちなかICにいたる総延長約150kmの高速道路で、群馬県、栃木県、茨城県の3県を横に貫く路線。この開通によって残る工事区間は、関越道と東北道を結ぶ太田桐生IC~岩舟JCT間のみで、北関東道の全通予定は2011年度となっている。

 今回の開通により、栃木県を縦に貫く東北道と茨城県を縦に貫く常磐道が直接高速道路で結ばれ、両県の横方向の人や物の移動の大幅な活性化などが見込まれている。NEXCO東日本の試算によると、例えば栃木県庁と茨城県庁間の移動では、距離にして9km、時間にして30分短縮されると言う。また、常陸那珂港という物流拠点や大洗海岸などを持つ茨城県と、日光や那須塩原という有数の観光地を持つ栃木県間の活発な移動も予想され、両県の発展につながるとしている。

NEXCO東日本によると、栃木県庁、茨城県庁間で30分の時短効果が見込まれるこの時短効果で、30分以内で24時間体制の救命救急センターに搬送可能な人が増え、1万5000人の医療環境が向上するとしている栃木県から常陸那珂港や茨城空港への交通の便が向上する

両県ともさまざまな観光地域を持ち、行き来が容易になることで、人、物、文化の交流が活発に北関東道は全線高機能舗装が施されている。これにより降雨時のハイドロプレーニング現象などが抑制され安全性が向上している

 開通に先立つ11時には、桜川筑西ICにほど近い北関東道上で鋏入れ式、走り初めパレードが行われ、橋本昌茨城県知事、福田富一栃木県知事のほか両県の国会議員や地権者代表に加え、八木重二郎NEXCO東日本代表取締役会長が出席した。

鋏入れ式では、茨城、栃木両県知事がオープンカーに乗って登場オープンカーの前に立つのが福田栃木県知事。その横が橋本茨城県知事両県知事間で県木の苗木の交換が行われた。茨城県の県木である梅の木の苗木は栃木県に位置する壬生PAに、栃木県の県木であるトチノキの苗木は茨城県に位置する笠間PAにそれぞれ植えられる
両県知事を含め、国会議員、県議会議長、沿線市町長、地権者代表、NEXCO東日本関係者などによって鋏み入れ式が行われた走り初め式の先導車は、茨城県警、栃木県警のパトカー両県警のパトカーを先頭にして、走り初め式が始まった。両脇に立つのはNEXCO東日本のスタッフ
NEXCO東日本の発行するクレジットカード「E-NEXCO pass」のプロモーションカーも登場。ドハデなカラーのカローラレビン(AE86)が県警パトカーの直後に走り去っていった会場となった北関東道のガードレールにはこんなメッセージも北関東道のKP(キロポスト)表示。通常KP表示は緑色だが北関東道は紫色。この理由についてNEXCO東日本に聞いたところ、「群馬、栃木、茨城の3県の“県の色”をあわせるとこの色になる」とのこと

 開通式は場所を移し真岡ICにほど近い、栃木県二宮町の町民会館で実施された。橋本茨城県知事が別の公務があるとのことで先立って挨拶。橋本茨城県知事は、「茨城県は常陸那珂港を抱えており、ぜひこの港の利用を栃木県、群馬県のみなさんにしていただければ」と語りつつ、来年3月に開港予定の茨城空港については、この開通が空港の利用促進になるだろうとしていた。また、昨今の景気後退についてもふれ、「雇用不安がいろいろ言われていますが、栃木県と茨城県が北関東道で結ばれたことにより、両地域の持てる可能性を発揮するために大変よい条件がそろった。北関東道を有効に活用していきたい」と結んだ。

栃木県二宮町民会館で開催された開通式。向かって左に茨城県関係者が、右に栃木県関係者が主に着席していた常陸那珂港や茨城空港にふれつつ、北関東道に対する熱い思いを語った橋本茨城県知事

 続いて壇上に立った、NEXCO東日本代表取締役会長の八木氏は、真岡IC~桜川筑西IC間14.9kmについて事業着手以来10年の歳月をかけたこと、この開通によって栃木県と茨城県をつなぐ新しい高速ネットワークが形成されたことにふれつつ、当初の予定を11カ月前倒しで完成できたと語った。これはNEXCO東日本からの解説も行われたのだが、真岡IC~桜川筑西IC間にある小貝川橋の工事の工夫によるもの。小貝川はたびたびはんらんしたことでも知られるように水量の多い川で、主たる工事を水量の減る冬季にしかできないなどの制約があった。そのため、1度に4台の大型クレーンを工事に投入することで、2シーズンに渡って予定されていた小貝川橋の工事を1シーズンで済ませ、11カ月の短縮に成功したとのこと。

開通式の主催者でもあるNEXCO東日本代表取締役会長の八木重二郎氏。関係各位へのお礼を述べ、今回の開通で高速道路ネットワークが進展すると語った

 八木会長はNEXCO東日本が民間会社となって4年目を迎えたことにも言及し、これからも「効率的」で「公正」な業務運営を柱に「地域の発展につくす」会社を目指すと言い、高速道路の建設に協力していただいた地権者や地元の方にお礼を述べた。

 来賓代表として最初に挨拶した福田栃木県知事は、この開通を「太平洋に続く高速道路の完成」と紹介、「海を持たない栃木県においては歴史的な出来事」と位置付けた。その上で栃木県には“世界遺産の日光の社寺”“現在噴煙を上げる那須岳”“関東屈指の清流の鬼怒川”“歴史ある温泉である塩原”などの名勝地がたくさんあり、最近ではアウトレットモールや県内のIC近くには各種産業団地などもできているとアピール。また、東北道には黒磯板室ICも設置予定で、北関東道を利用して大いに周遊できるようになると語った。さらに「栃木県では県南の方が新潟のほうに海水浴行くような話もありますが、ぜひこの高速を使って大洗海岸に海水浴に行っていただきたいですし、茨城県からも多くの方に栃木県の温泉を楽しんでほしい」と両県の交流の活性化への期待を述べた。最後にこの開通式が行われた二宮町が日本一のいちごの産地であることに絡めて「ぜひ開通式の帰りには、いちごを買っていっていただけるとありがたい。高速道路の開通によって鮮度を保ったまま(いちごを)遠くへ運べるようになった」と語り、会場からの大きな拍手を受けていた。

福田栃木県知事は、開通式が開かれた二宮町の名産品であるいちごを例に出し、高速道路開通によるメリットを分かりやすくスピーチ

 その後両県選出の国会議員やNEXCO東日本からの工事説明などがあり開通式は終了。開通時刻である15時に真岡ICに行ってみたが、開通を待つ車列ができており、その数は100台近くにもなっていた。15時のオープン後15分ほどで車列は解消したが、地元の大きな期待を改めて感じることができた。北関東道が全通し、関越道、東北道、常磐道が結ばれるのは2011年度になるが、東北道と常磐道がつながることだけでも十分な地域の活性化が起こって行くのではないだろうか。

開通10分前の真岡ICには、開通を待つ長い車列ができていた長い車列ができたため、一部の車を高速道路の誘導路まで入れていた。開通時には始めに本線上の車を流し、落ち着いたところで誘導路を開放。長い車列がなくなったのは開通後15分してから

 

URL
東日本高速道路株式会社
http://www.e-nexco.co.jp/
ニュースリリース
http://www.e-nexco.co.jp/pressroom/press_release/head_office/h20/0925/
北関東自動車道
http://www.e-nexco.co.jp/road_info/local_info/open_kitakan/

(編集部:谷川 潔)
2008年12月22日