デンソー、トウゴマ由来の樹脂製ラジエータータンクを開発
デュポンと共同開発し、2009年春より量産開始

開発したラジエータータンク(ラジエーター上下部分)



  デンソーは1月14日、植物由来樹脂製のラジエータータンクを開発したと発表した。2009年春より国内外で販売される一部車両向けの量産を開始する。

  今回開発したラジエータータンクは、デュポンと共同開発したもの。ひまし油の原料となるトウゴマ(ヒマ)から抽出した有機化合物に、石油を原材料とする有機化合物を加えて化学反応させ、ガラス繊維などの添加剤を加えて製造する。これまで、高い耐熱性や耐久性が要求されるラジエータータンクにおいて、植物由来樹脂の比率が高い材料での製品化は困難であったが、今回の開発により可能となった。

  植物由来樹脂製であるため、使用後に燃やして熱エネルギーを回収する場合でも、化石燃料製の従来製品と比較して大気中のCO2量の増加を抑制することができると言う。また、寒冷地では凍結防止剤として散布される融雪塩に多く含まれる塩化カルシウムへの耐久性が求められるが、従来製品より耐塩化カルシウム性を7倍以上に向上させることに成功しており、塩化カルシウム対策を施した特別仕様品を用意する必要がなく、コスト低減に貢献できるとしている。

  デンソーでは、植物由来樹脂製ラジエータータンクの搭載車種拡大を目指すほか、植物由来樹脂の使用製品の拡大を図ることで、石油資源の使用量削減や、製品ライフサイクルにおけるCO2排出量削減と地球温暖化抑制に取り組むとしている。

 

URL
株式会社デンソー
http://www.denso.co.jp/
ニュースリリース
http://www.denso.co.jp/ja/news/newsreleases/2009/090114-01.html

(編集部:大久保有規彦)
2009年1月14日