三菱、「i」と「デリカD:5」ベースの「ITS-Safety2010」参加車両を開発
開発中の「マルチアラウンドモニター」新機能も公開予定

(左から)デリカD:5 ASV-4 情報交換型運転支援システム実験車、i スマートウェイ実験車、i DSSS実験車



  三菱自動車工業は1月26日、ITS推進協議会によるITS(Intelligent Transport System)の実証実験「ITS-Safety2010」の参加車両を開発したと発表した。

   ITS-Safety2010は、ITS推進協議会が東京都の臨海副都心にて1月12日より順次実施する実証実験。2月25日からは一般向けの公道走行公開デモンストレーションの実施も予定している。三菱は、同実験の参加車両「i DSSS実験車」「i スマートウェイ実験車」「デリカD:5 ASV-4 情報交換型運転支援システム実験車」を開発し、参加する。

  i DSSS実験車は、軽自動車「i」をベースとした、警察庁が推進する「DSSS(Driving Safety Support Systems:安全運転支援システム)レベルII」の実験車。臨海副都心での実証実験や、2月に実施する新交通管理システム(UTMS)協会主催のデモンストレーションへの参加を予定している。道路に設置された光ビーコンから自車周辺の規制や接近車情報を受信し、音声およびダッシュボード上のインジケーターで安全運転支援情報を表示する。

i DSSS実験車ダッシュボード上インジケーター

  i スマートウェイ実験車は、iをベースとした国土交通省道路局が推進する「スマートウェイ」の実験車。3月に実施予定の首都高速道路および愛知県での実証実験への参加を予定している。道路に設置された電波ビーコンから自車進路前方の道路交通状況情報や合流車情報を受信し、カーナビに画像と音声で情報提供を行う。

i スマートウェイ実験車カーナビディスプレイ表示例

  デリカD:5 ASV-4 情報交換型運転支援システム実験車は、ミニバン「デリカD:5」をベースとした、国土交通省自動車交通局が推進する「ASV(Advanced Safety Vehicle:先進安全自動車)」の実験車。すでに広島地区での地域実証実験に参加しており、1月下旬開催予定の臨海副都心でのASV公道総合実験や、公開デモンストレーションに参加する予定だ。自車の位置、走行状態、運転操作などの情報を周辺走行中のASV車両と無線通信で情報交換し、周辺車両との接近度合いに応じて音声やモニターの簡易図形表示で通知する。

  デリカD:5実験車は、公開デモンストレーション参加時にはDSSS車載システムやスマートウェイ情報提供システムも搭載。また、デリカD:5の一部グレードに標準装備している「マルチアラウンドモニター」に開発中の機能を追加。ノーズビューカメラに接近物体検知機能を追加し、左右からの接近物体の存在を音と表示で通知する機能と、4台のカメラ映像を合成し、車両全周囲の上方からの映像を生成する機能が体験できる。

デリカD:5 ASV-4 情報交換型運転支援システム実験車モニター表示例(上:出会い頭衝突防止システム、下:右折時衝突防止システム)マルチアラウンドモニターのディスプレイ表示例

 

URL
三菱自動車工業株式会社
http://www.mitsubishi-motors.co.jp/
ニュースリリース
http://www.mitsubishi-motors.co.jp/publish/mmc/pressrelease/news/detail1886.html
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(編集部:大久保有規彦)
2009年1月26日