日立製作所、オートモーティブ事業を分社化
社長が川村隆氏に交代

記者会見にて

2009年3月16日発表




 日立製作所は3月16日、社長交代と、自動車用部品やシステムを扱うオートモーティブシステム事業及びデジタルメディア製品を扱うコンシューマー事業の分社化を発表した。

 新たに執行役社長に就任するのは、現在日立プラントテクノロジー取締役会長、日立マクセル取締役会長の川村隆氏で、執行役会長を兼任する。現社長である古川一夫氏は執行役副会長に就任し、取締役会長の庄山悦彦氏は、取締役会議長に就任する。なお、川村氏は、6月下旬の定時株主総会において選任された場合、取締役会長に就任の予定だと言う。

次期代表執行役 執行役会長 兼 執行役社長の川村隆氏現取締役 代表執行役 執行役社長の古川一夫氏現取締役会長の庄山悦彦氏

 現社長である古川氏は、今回の人事について、就任後3年間構造改革に取り組んできたが、昨年からの世界的な景気の低迷に対し、より迅速に業績を回復するためにもより強力な人事が必要と考え、会長である庄山氏とも合意の上で今回の人事を決定したと述べた。また、川村氏が社長と会長を兼任することについては、昨今の経済状況の急激な変化に対し、より迅速な行動をするためとその理由を述べた。

 また、金融危機の影響を特に強く受けているオートモーティブ事業とコンシューマー事業に関しては、これら事業を分社化することにより、抜本的な構造改革を行い、「迅速な意思決定」「能動的な事業運営」「他社とのアライアンスの可能性の拡大」を目指すと言う。

 オートモーティブ事業においては、ハイブリッド車向けのリチウムイオン電池や直噴エンジンシステムといった環境対応に関する事業や、安全走行支援システムといった安全に関する事業に対し経営資源を集中する。一方で、国内外の拠点は、複数の拠点で生産しているエンジン制御システムやパワーステアリングなどを集約するなど、事業運営の効率化を図ると言う。新会社の分割期日は7月1日を予定。

(編集部:瀬戸 学)
2009年 3月 16日