アウディ、A4シリーズのフラッグシップスポーツ「S4」
A4に「2.0 TFSI クワトロ」の追加も

2009年3月25日より順次発売
495万円~803万円




 アウディ ジャパンは、ミッドサイズセダン「A4」シリーズのスポーツモデル「S4」「S4 アバント」を、5月11日より発売する。またA4シリーズに2リッターターボエンジンと4WDシステムを搭載した「2.0 TFSI クワトロ」を追加して、3月25日より発売する。

 価格は次のとおり。

モデル価格
S4795万円
S4 アバント803万円
A4 2.0 TFSI クワトロ495万円
A4 アバント 2.0 TFSIクワトロ513万円

縦置き用デュアルクラッチATを搭載する「S4」
 S4は、ミッドサイズセダンA4のフラッグシップとなるスポーツモデル。A4とほぼ同サイズ(車高が低くなっているだけ)のボディーに、3リッターのV型6気筒 DOHC スーパーチャージャー付き直噴ガソリンエンジンをフロントアクスル上に縦置きに搭載し、4輪を駆動する。セダンと、「アバント」と称するワゴンボディーが用意される。

S4(左)とS4 アバント。フロントアクスル上にエンジンを縦置きにし、4輪を駆動する3リッター V型6気筒 DOHC スーパーチャージャー付き直噴ガソリンエンジン

 A6と同様のエンジンで、Vバンクの間にスーパーチャージャーと水冷式インタークーラーを収めてコンパクトにしたレイアウトも同じ。しかしS4専用のチューンが施されており、出力/トルクはA6の213kW(290PS)/420Nm(42.8kgm)から、245kW(333PS)/440Nm(449kgm)に高められている。

 前モデルのS4は4.2リッター V型8気筒DOHC 直噴ガソリンエンジンを搭載していたが、新型は排気量を下げ、過給することで、燃費を7.3km/Lから8.6km/Lに改善。最高出力は11PS落ちたが、最大トルクは30Nm増え、最大トルクの発生回転域が3500rpmから2900~5300rpmに広がった。

 組み合わされるトランスミッションは、7速デュアルクラッチAT「Sトロニック」。これまで同社では横置きエンジン車にのみ搭載されてきたデュアルクラッチATだが、ついに縦置きエンジン車にも搭載されることになった。日本にはSトロニック仕様のみ導入されるが、MT仕様がある欧州での計測では、MTよりも3%燃費がよいと言う。

 4WDシステムは、通常は前後に40:60の割合でトルクを配分し、状況に応じて20:80~60:40に変化させる。リアデファレンシャルには新たに「スポーツデファレンシャル」を採用。後輪の左右輪のトルク差を0~100の間で自動制御するもので、コーナーリング時に外側のタイヤへのトルク配分を多くして回頭性を高めたり、オーバーステア時には内側のタイヤのトルク配分を増やして安定させるなどの効果がある。

 さらに標準でアウディドライブセレクトを搭載。エンジンやシフトスケジュール、ステアリングレシオ、サスペンションなどの設定を、コンフォート、オート、ダイナミックの3モードで統合制御できる。

スポーツデファレンシャルの仕組み。センサーで車体の動きを検知し、リアデファレンシャルの左右にある2組の多版クラッチで、左右のトルク差を制御する
リアのトラペゾイダルサスペンションとスポーツデファレンシャルエンジン、トランスミッション、ダンパーなどを統合制御するドライブセレクトを標準装備

 外装にはシングルフレームグリルと縦格子基調のバンパー、アルミ調ドアミラー、ブレーキキャリパー、18インチアルミホイール、リアバンパー、ディフューザー、左右2本出しエキゾーストパイプなど、内装にはスポーツシートやカーボンデコラティブパネル、シルプレートなどの専用デザインのパーツが与えられる。

 また電動シート、ドライバーインフォメーションシステム、クルーズコントロール、3ゾーンオートエアコン、DVDカーナビ、12セグTVチューナー、MMIマルチメディアインターフェイス、14スピーカーのバング&オルフセンサウンドシステム、バイキセノンのアダプティブヘッドライト、リアビューカメラ付きパーキングアシスト、アドバンスドキーシステムなどを標準で装備。オプションとして用意されるのはアダプティブクルーズコントロールとサイドアシスト(車線変更支援機能)のセットと、サンルーフ程度となっている。

 サスペンションはフロントが5リンク、リアがトラペゾイダル。車体サイズは 4715×1825×1420mm(全長×全幅×全高、アバントは全高が1445mmとなる)、ホイールベースは2810mm。重量はセダンが1780kg、アバントが1830kg。

リアランプはLED左右2本ずつ、4本出しのマフラーアルミ調ドアミラー
カーボンデコラティブパネルや専用スポーツシートを装備する
2.0 TFSI クワトロ(S-lineパッケージ装着車)

ミッドレンジのミッドレンジたる「2.0 TFSI クワトロ」
 2.0 TFSI クワトロは、2リッターターボエンジンと4WDシステムを搭載した、1.8 TFSIと3.2 FSI クワトロの中間に位置するモデル。セダンとアバントが用意される。

 主な違いはパワートレーンで、エンジンはターボ付きの直列4気筒 DOHC 2リッター 直噴ガソリン。3.2 FSIと同様に「アウディ・バルブリフトシステム」を搭載した。可変バルブタイミング機構に加え、吸気側のバルブリフト量を2段階で切り替える高出力と低燃費を両立させる。

 トランスミッションはS4と同じ7速Sトロニック。4WDシステムも同様だが、スポーツデファレンシャルは付かない。

電子パーキングブレーキの手前の「A」スイッチが、ホールドアシスト。ATセレクターの脇に設けられている

 1.8TFSIとの装備での違いは、バイキセノンヘッドライト、アドバンスドキーシステム、パドルシフト付き本革巻ステアリング、3ゾーンフルオートエアコン、リアカップホルダー、シートアンダートレーなどが標準で備わり、アルミホイールが10スポークになること。2.0 TFSI(とS4)のみの装備として、停車時にブレーキを踏み続けなくても車を静止させられ、アクセルを踏むとブレーキが解除される「アウディ ホールドアシスト」がある。

 このほか、DVDカーナビ、12セグTV、ミュージックインターフェイス、MMIマルチメディアインターフェイス、電動シートなどを標準で装備。オプションとしてスポーツサスペンションやスポーツシート、バンパーなどのセット「S-lineパッケージ」や、本革シートやシートヒーターのセット「SEパッケージ」、サンルーフ、14スピーカーのバング&オルフセンサウンドシステム、アウディドライブセレクト、アダプティブクルーズコントロール、リアビューカメラ付きパーキングアシストなどが用意される。

(編集部:田中真一郎)
2009年 3月 25日