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スーパーフォーミュラ サタデーミーティング、オートポリス大会の代替となる岡山戦について会見

ファンからの声もあって西日本で開催

2016年7月16日 開催

7月16日に行われたスーパーフォーミュラ第3戦富士の予選でポールポジションを獲得したストフェル・バンドーン選手

 全日本スーパーフォーミュラ選手権を運営するJRP(日本レースプロモーション)は7月15日にプレスリリースを発行し、平成28年熊本地震によりサーキット施設などに被害が出たことを受けて中止が決定していた第5戦オートポリス戦(9月10日~12日予定)の代替大会を、同じ開催日で岡山国際サーキットにおいて開催すると明らかにした。

 富士スピードウェイで開催されている第3戦の会場において、JRPは記者説明会を開催。オートポリスの代替戦となる第5戦岡山国際サーキットでのレースの詳細を明らかにした。

 それによれば、第5戦岡山国際サーキットのレースは、土曜日、日曜日それぞれに予選決勝が行なわれる特別ルールで実施される。日本レースプロモーション 代表取締役社長 倉下明氏によれば「第2戦が降雨により赤旗中断でレース終了になってしまったことを受けての措置で、リスク分散の意味もある」とのこと。第2戦岡山が降雨により赤旗レース終了になってしまったことへの対応であることを明らかにした。

第2戦が降雨で赤旗終了レースとなってしまったリスクを軽減するため土日2レース制に

 平成28年熊本地震では、大分県にあるオートポリスサーキットにも、サーキット施設や周辺道路などにも被害が出たため、9月10日~11日の予定で計画されていたスーパーフォーミュラの第5戦に関しては中止であることがすでに発表されていた。その代替がどこになるのか、これまでも検討されてきたが、7月15日にJRPが発行したプレスリリースで、それが同日程で、岡山国際サーキットで行われることが明らかになった。

株式会社日本レースプロモーション 代表取締役社長 倉下明氏

 倉下明氏は「オートポリスの代替はさまざまな可能性を検討してきた。可能であれば別の日程でオートポリスで開催できないかも含めて検討してみたが、SUPER GTと同時にやることはできないし、スーパーフォーミュラのドライバーにはWEC(世界耐久選手権)に参戦しているドライバーもいる。そうしたことを考慮すると、元々の第5戦の予定だった日程でやるしかなく、オートポリスでの開催は難しいとはっきりした段階でほかのサーキットに声をかけた。その中で第2戦岡山大会が降雨でレース中断のまま終了してしまったこと、また特に西日本のファンの方からやるなら東日本ではなく西日本でやってほしいという声も頂戴し、岡山国際サーキットの片山社長と話をして、同日程で岡山で開催できる運びとなった」と述べ、ファンからの声もあったことなどを挙げて岡山国際サーキットに決めたと語った。

株式会社日本レースプロモーション 取締役業務部長 山口秀樹氏

 それを受けて日本レースプロモーション 取締役業務部長 山口秀樹氏が、具体的な岡山の開催概要を説明した。

・特例ということで、土日それぞれ予選決勝を行なう。
・土曜日に1時間のフリー走行(金曜日の占有走行はなし)、20分の予選(全員走行)、夕方に決勝レースを111km/30ラップで行なう。
・日曜日はフリー走行なしで、ノックアウト型の予選(Q1:20分/9位以下が脱落、Q2:10分/1位~8位を決定)、夕方に189km/50ラップの決勝レース(タイヤ交換義務づけ)。
・ポイントは、土日それぞれ半分ずつ、ただし予選のポールにはそれぞれ1点ずつ。最終戦の2レース制とは異なりボーナスポイントはない。
・ドライタイヤの持ち込みは、通常と同じくウィークエンドを通じて6セット(新品4セット、前戦までの利用済み2セット)。

 山口氏は「土日を通じてお客様に楽しんでもらえるレースをやりたい、この内容は13日に行なわれたJAFのレース部会で承認された。また、2レース制にした背景には、第2戦が雨で中断終了してしまったということも影響している。9月ということで天候リスクがあるので、この大会に限り土日決勝レースということでリスク分散したいと考えた」と述べ、土日の2日間レースがあれば、観客にレースを見てもらう可能性が高まるからということを明らかにした。

ツインリンクもてぎで導入されるより柔らかいタイヤはソフトタイヤという名称に

 山口氏は、日曜日のノックアウト予選が通常Q1、Q2、Q3と3回行なわれているのに、今回は2回であるのは「ドライセットの持ち込みは通常のレースと同じだが、予選決勝が2回あることで、日曜日のノックアウト予選でQ3までやると、ニュータイヤが不足する可能性があるため、Q2までとした」と述べ、Q2までとしたのは持ち込みセットの問題であるとした。

 なお、この第5戦岡山では土曜日の予選/決勝、日曜日の予選(Q1/Q2)/決勝(2スティント)となるが、すべての予選(3回分)、決勝レース(土曜日1スティント+日曜日2スティント)で6回タイヤを履くチャンスがあることになるが、ニュータイヤは4セットしかないので、日曜日の予選でQ2までいったドライバーは予選で3回ニュータイヤを使うことになるので、1セットしかニュータイヤを決勝レースで使えない計算になる。従って、各チームともにどこでニュータイヤを投入するのか、それが戦略的に面白いレースになるのではないだろうか。

 また、JRPは、横浜ゴムと協力して、現在スーパーフォーミュラ向けに利用しているタイヤよりも柔らかめのタイヤを、第4戦ツインリンクもてぎのレースに投入することを明らかにしているが、その名称を"ソフトタイヤ"としたい意向であることを明らかにした。JRPの倉下氏は「横浜ゴムさんと話し合ったところ、Sタイヤという呼び方はすでに存在しており、ソフトとミディアムという形で統一したらどうかという話になった。新しいソフトタイヤに関しては、このレース翌日の月曜日にチームに試してもらって、その結果を見て今年のツインリンクもてぎのレースで導入しようという話でなっていた。ソフトタイヤには赤い印をつけて、観客からすぐわかるようにしたい。そうしたマーキングに関しても月曜日に合わせてテストする。横浜ゴムさんには短い期間で英断してやってもらい感謝している」と述べ、今シーズンの始めから使っている現行のタイヤはミディアムタイヤ、今レース後の月曜日に初めてテストされるより柔らかいタイヤをソフトタイヤという名称で区別していくと説明した。

 倉下氏によれば「スーパーフォーミュラは、ワンメイクに近い状態でタイム差が小さく、順位が入れ替わるというレースの楽しさが実現しにくいという面がある。そこで、2つのスペックのタイヤを用意することで、戦術の幅が広がり、2種類のタイヤを必ず使うという制限をかけることで、チーム側の戦い方が多様化し、レースを戦う醍醐味が広がってくる」と述べ、レース戦略に幅を持たせることで、レースをより面白くするための施策だと説明した。

 そのツインリンクもてぎでのソフトタイヤの使い方だが、持ち込みセット数はソフト2セット、ミディアム2セット、持ち越し2セットの6セットとなる。どのタイミングでソフトを使うのか(予選Q1、Q2、Q3、どのタイミングで使うのか、ソフトでスタートするのか、ミディアムでスタートするのか)などを含めて、様々な可能性が考えられるため、面白いレースが期待できそうだ。

 なお、JRPの関係者などによれば、現状では今年のレースでこのソフトタイヤが登場するのは、第4戦ツインリンクもてぎだけになりそうな見通しだという。このため、山口氏は「もてぎで利用したソフトタイヤを、第5戦岡山に持ち込みタイヤとして持ち越しすることはできるが、予選や決勝などで順位の認定に関わる走行ではこのソフトタイヤを利用することはできない」と、ツインリンクもてぎのレースで利用したソフトタイヤを第5戦などに持ち越しタイヤとして持ち込むことは可能だが、予選、決勝などでは事実上利用することができないので、これを持ち込むチームがでてくる可能性はかなり低いのではないだろうか。

マクラーレン・ホンダのリザーブドライバーを務めるバンドーン選手がポールポジションを獲得

 同日行われた全日本選手権スーパーフォーミュラ第3戦 富士スピードウェイの予選は、ストフェル・バンドーン選手(41号車 DOCOMO DANDELION M40Y SF14)が、スーパーフォーミュラのデビュー3戦目にして初めてのポールポジションを獲得した。2位は前戦優勝の石浦宏明選手(1号車 P.MU/CERUMO・INGING SF14)、3位はジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手(19号車 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14)が続いている。

 決勝レースは、明日14時から富士スピードウェイで開催される。観戦チケットなどの情報は富士スピードウェイのWebサイトを参照いただきたい。

予選2位の石浦宏明選手(1号車 P.MU/CERUMO・INGING SF14)
予選3位のジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手(19号車 ITOCHU ENEX TEAM IMPUL SF14)