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三菱自動車、「eK」「デイズ」など60万7429台をリコール。エンジンが始動できなくなるおそれ

同時に「坂道で後退する」CVT ECUの不具合で52万3570台の改善対策も届け出

2017年1月27日 発表

改善箇所の説明図。エンジンECUのプログラムが不適切で、スターターモーターピニオンギヤがエンジンのリングギヤに強嵌合して始動できなくなるおそれと、触媒が劣化しても警告灯が点灯しないおそれでリコールが行なわれる

 三菱自動車工業は1月27日、「eKワゴン」「eKカスタム」「eKスペース」「eKスペースカスタム」計4車種のリコールを発表した。対象となるのは2013年5月17日~2016年4月18日に生産した計15万4385台。また、日産自動車に供給する「デイズ」「デイズルークス」も該当し、こちらは2013年4月25日~2016年4月18日に生産した計45万3044台で、合計60万7429台となる。

 リコールの内容はエンジンECUに関連する2種類で、1つめはエンジンスターターのプログラムが不適切で、エンジンクランキング開始直後にシフト操作を行なうと、スターターモーターピニオンギヤがエンジンのリングギヤに強嵌合。衝撃によってギヤが破損することがある。このため、エンジン始動時に異音が発生したり、最悪の場合はエンジンが始動できなくなるおそれがある。

 2つめは、アイドリングストップ機能付きの車両に採用されているエンジンECUの制御プログラムが不適切で、触媒劣化診断が適正に実施されないことがあり、触媒が劣化しても警告灯が点灯しないおそれがある。それぞれの改善措置として、全車両で制御プログラムを対策仕様に書き替える。

 このほか、同6車種を対象としたCVTの改善対策も同日に発表されており、不具合はCVTのコントロールユニット(CVT ECU)の制御が不適切で、CVT内部のクラッチの結合が遅れて発進時に駆動力が伝わらないことがある。これにより、坂道での発進時にブレーキペダルを放すと、一時的に車両が坂道を下がるおそれがある。この対策として、全車両で制御プログラムを対策仕様に書き替える。

 改善対策の対象は、eKシリーズが2013年5月17日~2015年11月18日に生産した計13万8699台、デイズシリーズが2013年4月25日~2015年11月18日に生産した計38万4871台で、合計52万3570台となっている。