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ボーイング、“空飛ぶクルマ”のテスト飛行に成功

最大50マイル(80.47km)の移動を可能にする電動垂直離着陸機

2019年1月23日(現地時間) 発表

 米ボーイングは1月23日(現地時間)、自律型の“空飛ぶクルマ”として開発したPAV(Passenger Air Vehicle)のプロトタイプが、最初のテスト飛行に成功したと発表した。

 テスト飛行に成功したPAVのプロトタイプは、同社子会社オーロラフライトサイエンスが開発した電動垂直離着陸(eVTOL)機。電気による推進システムを採用して、最大50マイル(80.47km)までの範囲で、離陸から着陸まで完全な自動飛行を実現する設計とした。機体サイズは、長さ30フィート(9.14m)、幅28フィート(8.53m)、推進システムと翼システムを統合して、効率的なホバリングと前進飛行を実現させるという。

 PAVプロトタイプのテスト飛行では、制御された飛行の中で、離陸、ホバー、着陸に成功。そして自律機能や地上管制システムなどのテストも行なった。

 将来的に、前進モード、翼型フライト、さらに垂直モードと前進モード間の移行フェーズをテスト。この移行段階はあらゆる垂直離着陸機にとって最も重要な技術的課題としている。

 同社は、今回のPAVに加えて、最大500ポンド(226.80kg)の輸送を実現させる無人の完全電気貨物航空機のCAV(Cargo Air Vehicle)の開発も進めている。CAVについては、2018年にその最初の屋内飛行を成功させ、2019年は屋外飛行試験に移行予定。

 同社では、都市における航空移動の取り組みとして、今後も安全性と信頼性を高めるためのテストを継続するという。