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日野チームスガワラ、ダカール・ラリーに向け新体制発表。ボンネットタイプの新型車も公開

菅原照仁氏がチーム代表に就任

2019年6月3日 開催

ダカール・ラリーに向け新体制で臨む「日野チームスガワラ」

 日野自動車と日本レーシングマネージメントで構成されるダカール・ラリー参戦チーム「日野チームスガワラ」は6月3日、日野自動車本社(東京都日野市)で新体制を発表した。

 今回発表された新体制では、“ダカールの鉄人”こと菅原義正氏に代わり、すでにエースドライバーとして参戦している菅原照仁氏がチーム代表に就任する。また、2020年のダカール・ラリーに先立ち7月に開催されるシルクウェイラリーに参戦し、従来のキャブオーバータイプのレンジャー(HINO500シリーズ)に加え、北米専用のボンネットタイプのキャブを持つHINO600シリーズを新開発して投入する。

キャブオーバー型の日野レンジャー HINO500シリーズ(左)と、新たに投入される北米専用のボンネットキャブを採用したHINO600シリーズ(右)

 ドライバーはレンジャーに菅原照仁氏、新型車両にはBAJA1000をはじめ国内外のオフロードレースの参戦経験も豊富な塙郁夫選手を起用。ナビゲーターやメカニック、サポートメンバーも刷新し、今後のダカール・ラリーに臨む。

 報道陣に向けた発表会冒頭では、日野自動車 取締役会長 市橋保彦氏が挨拶を行ない、「ダカール・ラリーは私たち日野自動車が最も大切にしている“挑戦”“チームワーク”を具現化する場であるとともに、技術陣やメカニックの人材育成の場としてとても大きな意義があると考えています。菅原照仁新代表の下、ここにいるメンバー、関係者が一丸となって失敗を恐れることなくチャレンジをしていただきたい」と語った。

「日野チームスガワラ」のチーム代表に就任した菅原照仁氏
日野自動車株式会社 取締役会長 市橋保彦氏

 マシンが搭載するエンジンは、ともに4サイクルの直列6気筒8.866リッターディーゼルターボ「A09C-TI」型。最高出力は750PS/2600rpm、最大トルクは236kgfm/1200rpm。トランスミッションはレンジャーには従来からの6速MT、新型車両にはAllison製3000シリーズのトルコン式6速ATが組み合わされ、駆動方式はどちらもフルタイム4WD。新たに採用されたATは乗員負担の軽減とともに加速性能の向上を目的とし、将来的には2台ともにATになるだろうとチーム代表の菅原照仁氏は語った。

 そのほか、屋台骨であるフレーム剛性の向上やサスペンション、ステアリング系などの大幅改良により、走行姿勢や制御姿勢など悪路での高速走行時の安定性を図った。また、今回よりレンジャー、新型車両ともに3名乗車仕様とし、ドライバー、ナビゲーターに加えてメカニック経験が豊富な乗員を追加。トラブル時の対応力を向上させた。

日野レンジャー(HINO500シリーズ)。写真右から菅原照仁氏(ドライバー)、望月裕司氏(ナビゲーター)、染宮弘和氏(ナビゲーター)
日野レンジャー(HINO500シリーズ)は2018年のダカールラリー参戦車両がベース
3名の乗員は1列の横並び
ボディサイドを開けると捩り剛性が2倍になったというBOX断面フレームも見える
今回新たに投入されるHINO600シリーズ。写真右から塙雄大氏(ナビゲーター)、塙郁夫氏(ドライバー)、鈴木誠一氏(ナビゲーター)
ボンネットキャブタイプのHINO600
3名の乗員は中央席だけが後方となる
量産車のライトが描かれたボンネットキャブはアメリカンな雰囲気

 新体制となった「日野チームスガワラ」は、マシンの熟成と新メンバーを含む個々のスキルアップ・結束力の強化のため、今回披露された2台で7月6日~16日(現地時間)にロシア・モンゴル・中国で開催されるシルクウェイラリーに参戦する。