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【メディア4耐 2019】モリゾウ選手こと豊田章男氏、「ロードスターとともに人馬一体となる、Be a Driver.」

メディア4耐レースに初出場で抱負を語る

2019年9月7日 開催

入場無料

パドックパス 2000円(中学生以下無料)

参戦するロードスターを前にマツダ株式会社 代表取締役社長兼CEO 丸本明氏とトヨタ自動車株式会社 代表取締役社長 豊田章男氏

 マツダ「ロードスター」のワンメイクレース「第30回メディア対抗ロードスター4時間耐久レース」(メディア4耐)が9月7日、筑波サーキット(茨城県下妻市)で開催され、「MORIZO(モリゾウ)」ことトヨタ自動車の豊田章男氏が「トヨタイムズ」のドライバーとして参加した。

 本戦を前に、マツダの代表取締役社長兼CEO 丸本明氏と、トヨタ自動車の代表取締役社長 豊田章男氏が報道陣の取材に応え、メディア4耐の意義、ロードスターの感想、そして、豊田氏は参加した理由を語った。

 豊田氏は「ロードスターとともに人馬一体となる、Be a driver.」と発言するなど、ロードスターを高く評価、ロータリーエンジンやディーゼルエンジンを積んでほしいなどの発言も飛び出し、マツダの丸本氏も担当者に指示するなどの場面も見られた。

 また、豊田氏はメディア4耐に以前から興味を持っており、今回、誘いがあって参加したことなどが明かされた。

 以下に、報道陣との一問一答を紹介する。

マツダの代表取締役社長兼CEO 丸本明氏と、トヨタ自動車の代表取締役社長 豊田章男氏

──メディア4耐が30年続いてきたが、その思いをお聞かせください。

丸本氏:1989年に初代ロードスターの販売を開始して、その年にメディア対抗4時間耐久レースを始めました。弊社は何回か経営危機に陥ったが、実行委員会やメディアの方々のお力添えで30年続けてきた。非常に感謝している。記念すべき30回目ということで、トヨタイムズ主催でありオーナーである豊田章男氏のモリゾウさんに出ていただきたいとお願いして、出ていただくことになりました。

マツダ株式会社 代表取締役社長兼CEO 丸本明氏

豊田氏:すごいことだと思います。30年間、日本のスポーツカーの代表選手であるロードスターと日本のクルマ業界を応援いただいてるジャーナリストが一緒に作り上げてきた30年間。丸本さんからお誘いいただいて、非常に光栄であると、受けさせていただきました。

──モリゾウ選手として、ロードスターのレースに初出場する意気込みは?

豊田氏:モリゾウは美しく走れないかもしれませんが、ロードスターとともに人馬一体となり、ドライバーとなりたいと思います。Be a driver.(笑)。やらせでもなんでもないですから……。

トヨタ自動車の代表取締役社長 豊田章男氏

──今回、豊田社長がロードスターで出るのは初めてですが、その魅力は?

豊田氏:ロードスターというクルマは初代から同じカタチ、同じパッケージにこだわってこられたと思います。単に馬力を上げる、単にスペックを追求するのではなくて、Be a driver.のように運転をして楽しいとか、人馬一体とか、そして、どんなドライバーを対象とするか、多くのクルマ好きのドライバーを対象としているのか、自動車業界としては、学ぶ点が多々あると思います。それで、できれば、こういうクルマにね、ロータリーを積んでくれるといいなと思いますけどね。

丸本氏:(ロードスター担当の)藤原さんがそこにいますよ(笑)。

豊田氏:ロータリーとかディーゼルとか、いろいろなメニューがあるわけですから、マツダさんが強いものを合わせると、どんなクルマになるのか、クルマ好きとしては非常に楽しみだと思います。

マツダの代表取締役社長兼CEO 丸本明氏と、トヨタ自動車の代表取締役社長 豊田章男氏

──豊田社長はニュルブルクリンクでご自身でステアリングを握っていますが、耐久レースとサーキット走行からのみ、自動車メーカーが得られるものを教えてください。

豊田氏:クルマというのは新車保有、中古車保有と20年以上のライフがあると思います。耐久レースという場でいろいろなドライバーが変化点のなかで走ることが、20年間、安心安全にお使いいただく際の不具合をぐっと出すいちばんいい方法だと思っています。もちろん、早く走るということも必要なんですが、天気が変わり、ドライバーが変わり、道が変わり、クルマの状態が変わり、そのなかで人よりも早く安全に長く走る、ということが、乗っていいただく方の安心安全につながるんじゃないかと思います。やはり耐久レースというのは、一般向けのクルマを作るカーメーカーにとって非常に価値のあるものだと私は思っています。

トヨタ自動車の代表取締役社長 豊田章男氏

丸本氏:自ら耐久試験をされてるってことですね?

豊田氏:やっぱりプロがいて、うち(トヨタ)の凄腕、社内のプロがいて、一般の方々がいて。私は一般の方々と社内のプロの真ん中くらいに入ってくると思います。そう思うと、一般の方と、プロの方々のそれぞれの層の意見を理解し、それをつなぎ、最終商品をどこにもっていくかというのを、トヨタ自動車の場合は、最後のフィルターとしてやらせていただいてます。社内では、以前ほどではないですが反対が多いなか、続けてきてよかったなと思うのと、自分ができる“センサー”というのは、価値があるんじゃないかなと思ってます。

──メディア4耐をこれまで続けてこられた意義は?

丸本氏:(併催のパーティーレースなどを指して)ロードスターのファンの方々が、すごくお金を使って、このレースに参加してくださってる。まさに、愛車を操る楽しみを今日1日味わっておられると思うんですけど、愛車を作っていくという志というか、マツダもトヨタさんも非常に似てると感じます。そういった、(豊田氏を指して)会社の最後のフィルターの方に出ていただけるのは極めて光栄。こういった関係を続けていきたい。

──豊田氏がレースに参加を決めた理由は?

豊田氏:ロードスターによるレースを30年間お続けになっていることは、たいへんなこと。30年間で平成から令和となりましたけど、日本にもマツダさんにもいろいろなことがありました。クルマを使ってる方々にもいろいろなことがあった30年間と思いますが、1年に1度ここでレースを続けて30年経ったことは、日本の自動車業界として誇るべきことではないでしょうか。以前から興味はありました。ただ、私の所属してる会社が……ちょっと違う会社ということもありまして遠慮してたところ、お誘いをいただきましたので。断るという選択肢はないでしょうということで、喜んで引き受させていただきました。

 ただ、メディア対抗なので無理やり「トヨタイムズ」をメディアとして参加していますので、本家本元のメディアからは、なんだと思うかもしれませんが、盛り上げに一役買いますので、ぜひ、お許しいただきたいなと思っていいます。