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マツダ、NAロードスターのレストア車両の納車式を開催

これまで5台のレストア完了、6台目に着手

2019年11月27日 開催

レストアが完了したロードスターの前に立つ、左からオーナーの板垣氏、マツダ株式会社 商品本部 ロードスターアンバサダー 山本修弘氏、テュフ ラインランド ジャパン株式会社シニアセールスエグゼクティブ 栗田隆司氏

 マツダは2017年12月から初代「ロードスター」(NA型)のレストアサービスを行なっているが、11月27日に5台目のレストアを完了し、神奈川県横浜市のマツダR&Dセンター横浜において納車式を実施。新車同様の外見となったNAロードスターがオーナーに引き渡された。

合計5台がレストアを終えてオーナーのもとへ

レストアが完了した初代「ロードスター」(NA型)

 これまで4台のレストアを完了してオーナーのもとに引き渡されているが、5台目はオーナーの厚意で納車式が報道向けに公開された。

 5台目のレストアメニューは基本メニューとインテリア、エンジン&パワートレーン、シャシー&サスペンション、エアコンといったほぼフルレストアで、ホイールとタイヤだけは元のままとしたもの。また、マッドフラップは新品がないため補修と塗装を実施したほか、受け入れ後に判明したさびで交換部品が増え、オプション料金が発生している。

 完成したロードスターはオーナーが新車時から所有するクルマ。乗る頻度が少く一時は処分も検討したそうだが、お金を出しても買えないクルマということでレストアを依頼するに至った。走行距離は約4万6000km。

 作業は7月26日にマツダR&Dセンター横浜で車両を受け付け、8月から広島に送って作業を続けていた。納車まで約4か月かかったことになる。

タイヤとホイールは元のままだが、ボディ外板や内装まで一新。塗装もクリア層を追加して新車時よりも輝きを増している
テールレンズなどパーツも新しくしている
ナンバーは以前の2桁のまま。ただし、今回のレストアに合わせて同一番号で再交付した新品のプレートになっている
エンブレム類も新品に交換
バンパーも新しくなっている
エンジンもレストア。ボンネット内部もボディ外装と同様に塗装を施している
トランク
ボンネットを交換すると貼られないこともある、裏の注意書きステッカーなども新しいものを貼り付けている
内装も新しくなっていて、シートは表皮を張り替えている
インテリアも新車同様に仕上げられている
ドアトリムも新しくなっている
タイヤとホイールはレストアでは交換してないが、奥に見えるサスペンションやブレーキ部品は一新
レストアし、下まわりもピカピカの状態になっている
新車時からのオーナーの証。当時の販売店「ユーノス」の車検証入れ
レストア時の状態も記録写真で残されていた
ビフォア・アフターでレストア前後を比べた写真

 納車式ではロードスターアンバサダーの山本修弘氏とレストア担当者から詳細な説明が行なわれた。作業途中の経過については板垣氏に報告されており、一度は作業中の工場にも出向いたそうだが、エンジンをかけて以前との振動の違いなどに驚いた様子。今回はエンジンのレストアの作業も行なわれており、ピストンのバランス取りも実施した。

納車時にはオーナーが詳細説明を受ける。下まわりもレストア対象なのでリフトアップして説明を受ける
ロードスターアンバサダーの山本修弘氏から説明を受けている様子
シートやミラーにはビニールがかかっていたが、新車のようにオーナー自らはがす

 確認作業などの受け取りの手続きが行なわれた後、板垣氏はマツダR&Dセンター横浜の社員の見送りを受け、帰路についた。

確認作業や諸手続きが終われば、いよいよオーナーが帰路へ。マツダR&Dセンターの中なのでマツダ社員である山本氏が運転
マツダR&Dセンター横浜の正面玄関まで移動すると、待ち構えていた社員がレストアしたロードスターに群がった
拍手で送り出され出発。オーナーが帰路についた
Be a driver.のポーズで記念写真

板金対応などレストアサービスの内容に変化。パーツも買ってもらいたい

 納車式の後、ロードスターアンバサダーの山本修弘氏、カスタマーサービス本部リージョン商品推進部 NAロードスタープロジェクト担当の松野圭馬氏、テュフ ラインランド ジャパン シニアセールスエグゼクティブの栗田隆司氏によってレストア事業ついての説明が行なわれた。

レストア事業について語るマツダ株式会社 商品本部 ロードスターアンバサダー 山本修弘氏(中央)と、マツダ株式会社 カスタマーサービス本部 リージョン商品推進部 NAロードスタープロジェクト担当 松野圭馬氏(左)、テュフ ラインランド ジャパン株式会社 シニアセールスエグゼクティブ 栗田隆司氏(右)

 山本氏は今回納車したロードスターを含めて5台のレストアが行なわれ、すでに6台目に着手していることを振り返り、当初は2か月と設定していた期間も「なかなか終わらない」と遅れ気味な点を指摘。また、フルレストアは485万円(税別)という費用設定から、「CX-8以上のお代を頂いているので、見合うサービスが必要」とし、フォトブックなどを作成してレストアしたオーナーに渡しているのだという。

 また、当初はボディの状態などで受け入れ基準を厳しくしていたため、申し込み台数は多かったものの、チェック後に実際に受け付けできたのは1台だけになってしまった。そのため、板金ができるようにテュフの認証を取り、2台目、3台目を受け入れた。もし板金をしていなかったら「1号車で終わっていた」と語った。

 レストアの日程が遅れ気味な点については。レストアの工程でオーナーと話し合いが必要な点がクルマに見つかった場合、相談をする時間が必要なことが挙げられた。また、部品がそろわないこともあり、新しくレストアに取り掛かる場合は最初に部品を発注するよう作業工程を見直したという。

 山本氏はレストアサービスの一方でパーツ供給の重要性を挙げた。10月からWebサイトで「NAロードスターパーツ情報サービス」を開始した。これは、レストアまではいかなくても、部品を交換してリフレッシュさせたいという要望に答えるもの。山本氏によればまだ20人ほどの利用があったのみで、まだ軌道に乗っていないという。

 レストアサービス開始にあたって復刻したパーツもあるが、想定ほど売れていないという。パーツは供給していても需要がなくなると供給を停止せざるを得ないため、山本氏は「パーツを買ってもらいたい」と希望を述べ「パーツがなくなるとレストアもできない」と訴えた。

レストアオーナーに手渡されるフォトブックの認証書には、1台目(左)と2台目(右)では板金ができるように認証が変わっている
ロードスターアンバサダー 山本修弘氏によるレストアサービスの志
レストアオーナーに手渡されるフォトブックまたはコピー。これまでの5台分で、2台目以降からフォントが新しくなっている

 一方、レストアメニューの拡充について、山本氏はアンケートでエンジン単品とシート単品の要望があることを明かした上で、検討はしているものの、受け入れの問題があるとした。そして、現在はNA6のみ受け付けているが、NA8も“お客さまとの約束”として検討を進めているとした。

 クラシックカー・ガレージ認証を行なっているテュフ ラインランド ジャパンからは、栗田氏が認証について説明を行なった。栗田氏によれば、認証プロセスの半分は板金塗装で、レストア特有のこととしては、作業中の依頼者とのやりとりなどの作業フローができていることなどが挙げられた。

 テュフではクラシックカーを維持しやすい環境を作ることも目標としており、例えば車両保険では古いクルマは保険で出る金額が極端に安くなってしまうが、栗田氏は「金額をかけてレストアしたものは適正な価格で保険をかけたい」と話し、保険会社と交渉を進めているとした。

レストアが完了したロードスターが帰路についた