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日本損保協会、車両盗難被害はランクル、プリウス、レクサスがワースト3位

損保会社18社で調査した第21回自動車盗難事故実態調査結果を発表

2020年5月7日 発表

日本損害保険協会が「第21回自動車盗難事故実態調査結果」を発表

 日本損害保険協会は5月7日、「第21回自動車盗難事故実態調査結果」を発表した。これは損害保険会社18社を対象に、全国で発生した自動車本体盗難および車上ねらい(部品盗難含む)で2020年2月1日~2月29日の間に車両保険金を支払った事案について調査を行なったもの。内訳は車両本体の盗難が232件、車上ねらいが224件。

車両本体盗難の車名別盗難状況

 車両本体盗難の車名別盗難状況は、ワースト3車種が昨年度と同じになるなど、特定の車種に被害が集中する傾向が続いている。ワースト1位のトヨタ自動車「ランドクルーザー」は昨年度調査の35件から42件と増加傾向にある。トヨタ「プリウス」は昨年の41件よりは減少したものの39件と多く、昨年に引き続きワースト2位となっている。レクサスは、今回から車種別で調査を実施したところ、レクサスの中でも「LX」が25件と最も盗難被害が多くなった。他に「LS」「RX」「GS」が被害にあっており、レクサス全体では56件の被害となっている。

車名別盗難状況

車両本体盗難1件あたりの支払保険金

 車両本体盗難1件あたりの平均支払保険金は近年増加傾向にあり、昨年度調査では361.4万円だったところ、今回は401.4万円となっている。車両本体盗難に関する車名別盗難状況からも、比較的高額な車両が狙われることが多いと推測できる。

1件あたりの支払保険金の推移

盗難発生時間帯

 車両本体盗難の発生時間帯は、「深夜~朝(22~9時)」が70.3%と最も多いがその割合は減少傾向で、日中の発生比率が昨年と比べ増加傾向にある。これは、例年11月のデータを基に調査を行なっているところ、今回は日の入りが早い2月のデータを基に調査したことから、日中時間帯でも薄暗い時間の犯行が増えたものと推察している。

盗難発生時間帯

盗難発生場所の割合

 車両本体盗難の発生場所については、過半数以上(51.3%)が「自宅(屋外)」で発生。さらに「契約駐車場(屋外)」も含めると、車両本体盗難の74.1%が屋外で発生しており、屋外駐車場の車両が圧倒的に狙われやすい傾向が見られる。

盗難発生場所

自動車盗難認知件数・盗難等防止対策について

 警察庁「犯罪統計資料」によれば、自動車盗難認知件数は、2003年の年間6万4223件をピークに減少傾向が続いており、2019年は年間7143件となっている。これは、同協会が民間側の事務局を務める「自動車盗難等の防止に関する官民合同プロジェクトチーム」が長年にわたり自動車盗難の対策および減少に向けて取り組んできた結果だという。

 盗難等防止対策としては、普段から「バー式ハンドルロックや警報装置などの盗難防止機器を使用する」「防犯設備が充実した駐車場を利用する」「貴重品は車内に放置しない」など、複数の防犯対策を講じることが有効だといい、自宅の駐車場でも安心せずに、防犯カメラや防犯灯などを利用して窃盗犯が心理的・物理的に侵入しづらくすることも重要とのこと。そのほか、「自動車盗難等の防止に関する官民合同プロジェクトチーム」のWebサイトでも、自動車盗難防止対策を紹介している。

 同協会では、今後も警察庁などと連携し、自動車盗難防止関連の取組みを推進していくとしている。