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川崎重工、“空飛ぶ軽トラック”大型ドローン試験機の浮上試験に成功

「Ninja ZX-10R」のエンジン3台で発電、100km以上の航続距離を目指す

2020年5月18日 発表

大型ハイブリッドドローン試験機の浮上試験に成功

 川崎重工業は5月18日、“空飛ぶ軽トラック”の可能性を検証する大型ハイブリッドドローン試験機の浮上試験に成功したと発表した。

 同社が開発したのは、約7×約5×約2m(全長×全幅×全高)の大型ドローン。200kg以上の貨物を搭載して、100km以上の航続距離がある“空飛ぶ軽トラック”の可能性を検証する試験機。

 同試験機は、高性能モーターサイクル「Ninja ZX-10R」のエンジン3台で発電した電力で、8基のモーター・プロペラを駆動。モーター駆動に必要な電力はエンジンで発電するため、バッテリーのみを動力源としたドローンとは異なり、大出力を長時間持続することができるという。

「Ninja ZX-10R ABS」のエンジン3台で発電

 同社では、ヘリコプターでは経済的に困難な近・中距離の中量物資輸送でリーズナブルに利用できる空の物資輸送手段として、ヘリコプターと小型ドローンとの隙間を埋める位置付けとしている。

 同試験機はハイブリッドシステムの成立性を確認することを主眼として、機体構想検討から設計・製作までをモーターサイクル&エンジンカンパニーが、航空宇宙システムカンパニー、技術開発本部の協力を得て完了させたとしている。