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アップル、2021年型BMW 5シリーズでiPhoneが自動車のデジタルキーになると発表

2020年6月22日(現地時間) 発表

BMW 5シリーズでデジタルキーのデモが行なわれた

 アップルは6月22日(現地時間)、開発者向けの年次プライベートイベントとなるWWDCをデジタル開催している。WWDCは例年、アップルの新方針が発表される場として活用されており、新しいiPhone用のOS(iOS)やmacOSなどに関する新しい発表が行なわれた。

 この中でアップルは同社の自動車向けのソリューション「CarPlay」(カープレイ)に関するアップデートを行なった。アップルが今後導入するiOS 14(アイオーエスフォーティーン)で導入される新しいCarPlayでは壁紙を変更できるようになることを明かすととともに、新しいアプリのオプションも追加されるという。さらにアップルは今後BMWが北米で来月から販売する2021年型の5シリーズで、同社が「デジタルバージョンの自動車鍵」と呼んでいる、iPhoneがデジタルキーになる仕組みを導入することを明らかにした。

iOS 14の新機能としてデジタルキー機能を導入。物理的な鍵を置き換える物になる

iOS 14でCarPlayを拡張、壁紙の変更機能や出前注文の新しいアプリを提供

 アップルによればワールドワイドで販売されている自動車の80%にCarPlayの機能が搭載されているという。今回アップルがWWDCで発表したのはCarPlayの拡張で、これまではできなかった壁紙の変更をできるようにする。これにより、自動車のカラーなどに合わせて雰囲気を合わせた表示が可能になる。また、CarPlayで利用できるアプリは、安全のためにマップなどの対応するアプリだけとなっているが、それにデジタルウォレットへの課金や出前の注文といった機能が追加される。

CarPlayの新機能紹介
壁紙の変更が可能となる
こちらはカラフルな壁紙に
EV向けアプリなども装備される

2021年型BMW 5シリーズでiPhoneがデジタルキーになる、他人への貸し出しなどもアプリから

iPhoneでBMW 5シリーズを解錠
エンジンスタートスイッチを押すだけでよい
BMW 540iという文字が見える

 そして大きな発表として、アップルは2021年型BMW 5シリーズで、iPhoneをデジタルキーとする仕組みを導入すると発表した。この仕組みはiOS 14で導入される新しい機能(先にiOS 13でもサポートされる予定)で、iPhoneに搭載されているNFC(近距離無線通信規格、セキュアエレメントを利用して近距離で安全に通信できる仕組み、決済などに利用されている)を自動車の鍵にすることができる。

 デモではiPhoneをBMWのドアに近づけるとドアの鍵がアンロック(解錠)され、車内にiPhoneを置くことで、エンジンスタートスイッチを利用してエンジンを始動することができる様子が説明された。

 また、このデジタルキーはiPhoneユーザーに対してオーナーから貸し与えたりする仕組みが用意されている。アプリからほかのユーザーに鍵の貸し出しを行なったり、その貸し出した鍵を無効にしたりということを行なうことができる。これにより、自動車の物理鍵が必要なくなるので、より安全に自動車を運用することができる。

デジタルキーの貸し出しが行なえるようになっている
デジタルキーの貸し出し。自動車の鍵をメッセージで送ることが可能になる

 カーシェアなどで自動車を貸し出す場合にも、これまでのように自動車の物理的な鍵を渡す必要がなく、デジタルキーだけを渡してレンタルが終了したらその鍵を無効にすればよいので、オーナーにとってはこれまでよりも安全にカーシェアを活用することができるようになる。

 アップルによれば、2021年型のBMW 5シリーズは米国で来月から提供開始される予定になっているということだ。