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三菱重工、ENEOSと防爆ロボット第二世代機の共同開発契約を締結

EX ROVRの実用化に向け、マニピュレーターを実装

2020年9月10日 発表

マニピュレーターを実装した第二世代機のイメージ

 三菱重工業は9月10日、ENEOS株式会社と製油所向けプラント巡回点検防爆ロボットの共同開発契約を締結した。EX ROVRの実用化に向けた第二世代機が対象になるという。

 これは、引火性ガスの中でも自らが出す電気火花や熱などで爆発や火災を引き起こす危険性を抑えた防爆性能を有するプラント巡回点検防爆ロボット"EX ROVR(エクス ローバー)"の実用化に向け、第二世代機を共同で開発していくことで合意したというもの。両社が2018年4月に締結した「防爆型現場監視ロボットのフィールド適用可能性に係る共同研究契約」に続く取り組みとなる。

 同社は、2019年度までの共同研究契約においてENEOSと共同で、すでにプロトタイプ機による製油所内での複数階層間移動を含めた自律巡回走行ならびに各種センサーによるデータ取得をフィールド実証を通じて行なっており、プラント巡回点検ロボットが具備すべき基本的な機能要件は満たしていることを確認済みという。さらに今回の開発では、計器に正対して撮影するためのマニピュレーターの実装やソフトウェア改良などにより、現場より取得するデータの量と質を向上させるとともに、顧客のユーザビリティを高め、防爆機能を持つロボットとしてさらなる実用化を目指すとしている。

 防爆プラント巡回点検ロボットは、三菱重工業が原子力発電プラント事故収束支援活動などで成果を挙げたロボットの技術などをベースに開発しているといい、日本における国内防爆指針および欧州をはじめ世界で広く採用されている防爆認証のATEX/IECExに適合した防爆設計で、可燃性ガスのある危険場所(Zone1)で安全に使用することができるものだとしている。