ニュース

日産、伊藤かずえさんの「シーマ」をレストア

取り組みの様子を順次日産公式SNSで公開

2021年3月17日 発表

 日産自動車は3月17日、女優の伊藤かずえさんの愛車「シーマ」を4月より一時預かりして、レストアを実施すると発表した。これは、伊藤さんが30年以上にわたってシーマを愛車として乗り続けていることに感謝して「この先も快適で楽しいドライブをしていただきたい」との想いから実施されるもの。

 伊藤さんの愛車、初代シーマ FPY31型はスペイン語で「頂上」の名を持ち「日本的な味を持った、世界に通用する新しいビッグ・カー」をコンセプトに、1988年に発売。従来の国産大型セダンになかった伸びやかで気品あるスタイリングとインテリア、パーソナルな乗り味や優れた運動性能など、数々の新しい価値が好評となり、当時の経済メディアが「シーマ現象」と報道するほどの爆発的人気車になった。発売翌年には物品税廃止(消費税導入)も追い風になり、当時のいわゆる「3ナンバー車ブーム」の発端にもなった。

 今回レストア対象となるのは、高級パーソナルクーペ「レパード F31型」にさえ先んじて採用されたV型6気筒3.0リッター「VG30DET」型ターボエンジン(最高出力187kW/255PS)や、先進の電子制御エアサスペンションを持つ最上級グレード「タイプIIリミテッド」。

 今回のレストアが実施されるきっかけは、2020年10月に伊藤さんの愛車シーマの1年点検の際のSNSへの投稿で、伊藤さんが30年以上にわたり、このシーマを愛車として大切にされていることがSNSやメディアで話題となったこと。

 日産に対しては、これらの投稿などを見た人から「やっちゃえ、日産!」「日産はレストアを検討して!」といった多くのコメントがあったといい、日産社内でも何かできないのかとの声も上がり、有志によるチームが立ち上がり、伊藤さんへの「日産からの感謝の想い」をレストアという形で応える取り組みが開始された。

伊藤かずえさんのプロフィール。1966年12月7日生まれ。1979年のデビュー以降さまざまなドラマ、映画、情報・バラエティ番組に出演。趣味は書道、洋裁、インラインスケート、スキューバーダイビング、乗馬

 シーマのレストアに対して、伊藤さんは「この度、このようなお話をいただき感謝しています。父と塗りなおした塗装やへたってしまったシートなど思い出が詰まっているけれども、きれいにしたい部分がどうなるのか楽しみです。レストア中も見学できるということなので、毎日のように作業の様子を見に行ってしまうかもしれません。30年乗り続けた『シーマ』とお別れするのはすごく寂しいですが、戻ってくるのを楽しみにしています」とコメント。

 また、チームリーダーとなる日産自動車 日本事業広報渉外部 部長 遠藤和志氏は「伊藤さんが30年以上にわたり、『シーマ』を大切に乗り続けていただいていることに感謝するとともに、大変嬉しく思います。『シーマ』は日本における自動車の歴史において、一石を投じたクルマの1つであると自負しております。30年以上お乗りいただいた車両を、伊藤さんが期待する“新車時と同じ状態”に戻すレストアは非常に難しい作業となりますが、『技術の日産』に恥じぬよう、総力をあげて、伊藤さんにご満足いただける仕上がりにしたいと思います。ぜひ、皆さまもご期待下さい」とコメントしている。

 今回のレストアの実施に際して、伊藤さんの愛車のシーマを預かる期間、伊藤さんには現在の日産のラインアップの中から選んだ車両を代車として使用してもらう。また、3月17日より、レストアの状況などを、日産公式Twitterなどで発信していくという。