トヨタ、燃費38km/Lの3代目「プリウス」 エンジンを1.8リッターに拡大、動力性能を向上 |
トヨタは5月18日、3代目となるハイブリッドカー「プリウス」を発売した。価格は205万~327万円。助手席リフトアップシート装備車やフレンドマチック取付用専用車、車イスをルーフ上に電動で格納できる「ウェルキャリー」装備車などの「ウェルキャブ」もラインアップする。
S(アイスバーグシルバーマイカメタリック)(オプション装着車) | S(アクアブルーメタリック)(オプション装着車) |
グレード | 価格 |
L | 205万円 |
S | 220万円 |
S“ツーリングセレクション” | 245万円 |
G | 245万円 |
G“ツーリングセレクション” | 270万円 |
G“ツーリングセレクション・レザーパッケージ” | 327万円 |
ウェルキャブ | ベースグレード | 価格 |
助手席リフトアップシート車“Aタイプ” | S | 235万5000円 |
G | 255万8000円 | |
助手席リフトアップシート車“Bタイプ” | S | 242万5000円 |
G | 262万8000円 | |
フレンドマチック取付用専用車“タイプI” | S | 229万1000円 |
G | 250万4000円 | |
フレンドマチック取付用専用車“タイプII” | S | 249万7000円 |
G | 270万円 | |
フレンドマチック取付用専用車“タイプIII”(ウェルキャリー付) | S | 267万9000円 |
G | 288万2000円 | |
フレンドマチック取付用専用車“タイプIV”(ウェルキャリー付) | S | 299万4000円 |
G | 319万7000円 |
アトキンソンサイクルのガソリンエンジンと電動モーターの出力を、プラネタリーギアで合成・分割して動力とするハイブリッドカー。1997年に初代が発売され、2003年の2代目を経て、累計125万台を販売し、ハイブリッドカーの代名詞とも言える存在になった。
3代目のパワートレーンは名称や仕組みこそ2代目と同じ「THS II(TOYOTA Hybrid System II)」で、バッテリーもニッケル水素だが、エンジンを1.5リッターから1.8リッターに拡大し、モーター、インバーターを小型軽量・高効率化するなどシステムの90%以上が新開発されている。
これによりシステムの最高出力を82kW(113PS)から100kW(136PS)に高めると同時に、10・15モード燃費35.5~38.0km/L(JC08モード燃費は30.4~32.6km/L)を達成した。燃費性能の向上には、Cd値0.25の空力ボディ-、排気ガスを冷却して再循環させるクールEGRシステム、電動ウォーターポンプ、排気熱再循環システムによるヒーターとエンジン暖機、ヘッドランプ等のLED、フリクションロスを低減する動弁系のローラーロッカーアームなどの採用も貢献している。
3代目プリウス | 2代目プリウス | |
全長 | 4460mm | 4445mm |
全幅 | 1745mm | 1725mm |
全高 | 1490mm | 1490mm |
ホイールベース | 2700mm | 2700mm |
重量 | 1310~1350kg | 1260~1300kg |
エンジン | 2ZR-FXE 直列4気筒DOHC 1.8リッター | 1NZ-FXE 直列4気筒DOHC 1.5リッター |
最高出力 | 73kW(99PS) | 56kW(76PS) |
最大トルク | 142Nm(14.5kgm) | 110Nm(11.2kgm) |
モーター | 3JM 交流同期電動機 | 3CM 交流同期電動機 |
最高出力 | 60kW(82PS) | 50kW(68PS) |
最大トルク | 207Nm(21.1kgm) | 400Nm(40.8kgm) |
バッテリー | ニッケル水素×28個、6.5Ah |
パワートレーン | ハイブリッドシステムの概要 | パワーコントロールユニット |
ニッケル水素バッテリー | 後席をフルフラットにしたラゲッジルーム | Cd値0.25のボディー |
プリウスSの各部寸法 |
ドライバーは「通常走行」「エコドライブ」「EVドライブ」「パワー」の3つのモードを選択できる。エコドライブモードではアクセル操作に対して出力を抑え、空調制御を省エネ化する。EVドライブモードではTHS IIの状態が許す限りモーターのみでの走行が可能。パワーモードでは、アクセル操作のレスポンスが鋭くなる。
新たに、経済運転を支援するエコドライブモニターを採用。エコドライブモニターはセンターメーター内に設けられ、バーグラフでエネルギーの消費・回生状態を表示する。また、HDDナビゲーションシステム&プリウス・スーパーライブサウンドシステム搭載車は、エコドライブの持続度やワンポイントアドバイスをカーナビ画面に表示することができる。
オーディオやエアコンなどの操作は、ステアリングのタッチスイッチで可能だが、タッチした場所をセンターメーターのディスプレイに表示することで視線移動を減らす「タッチトレーサーディスプレイ」が採用された。
室内長は、1890mmから1905mmに拡大。前席シートバックを薄型化やルーフ後端の延長により、室内のゆとりを増やした。またバッテリーの小型化、配置の見直しなどにより、ラゲッジルームも30リッター拡大した。後席は6:4で分割可倒式。
オプションでソーラーパネル付きムーンルーフを用意。ソーラーパネルの電力でファンを回し、エンジン停止中に室内を換気する。乗車前にエアコンを作動させることができるリモートエアコンシステムとあわせ、炎天下での乗車時の暑さを軽減する。
外観は2代目同様にファストバックの5ドア・6ライト形式で、同社が「トライアングルシルエット」と呼ぶ、ノーズからテールまでワンモーションで描くフォルムも継承。ヘッドランプクラスターの輪郭、ボディーサイドのキャラクターライン、バンパーコーナー部などにエッジを際だたせ、先代よりもシャープなイメージでまとめている。
G “ツーリングセレクション・レザーパッケージ”(アクア)(オプション装着車) | |
G “ツーリングセレクション”(ミディアムグレー)(オプション装着車) | |
G(アクア)(オプション装着車) | |
S “ツーリングセレクション”(ミディアムグレー)(オプション装着車) | |
S(アクア)(オプション装着車) | |
L(ミディアムグレー) |
(編集部:編集部:田中真一郎)
2009年 5月 18日