スバル、「レガシィツーリングワゴン」と「B4」「アウトバック」をモデルチェンジ
ドライバーだけでなくパッセンジャーにも快適なレガシィ

5世代目へと進化したレガシィシリーズ

2009年5月20日
236万2500円~(ツーリングワゴン)
220万5000円~(B4)
267万7500円~(アウトバック)



 スバル(富士重工業)はレガシィとアウトバックをモデルチェンジし、5月25日より発売する。モデルチェンジをしたのは、レガシィのワゴンタイプ「ツーリングワゴン」とセダンタイプ「B4」、そしてアウトバックの3車種。グレードはツーリングワゴンとB4に、2.5リッターエンジンと2.5リッターターボエンジン搭載モデルが、アウトバックには2.5リッターエンジンと3.6リッターエンジン搭載モデルが用意される。また、2.5リッターエンジンには新開発のCVT「リニアトロニック」が組み合わされる。価格は以下のとおり。

車名グレードグレードエンジン変速機価格
レガシィ ツーリングワゴン2.5i-水平対向4気筒 SOHC 2.5LCVT

236万2500円

L Package

267万7500円

S Package

283万5000円

2.5GT-水平対向4気筒 DOHC 2.5Lターボ5速AT

294万円

L Package

320万2500円

SI-Cruise

343万8750円

S Package

336万円

6速MT

336万円

レガシィ B42.5i-水平対向4気筒 SOHC 2.5LCVT

220万5000円

L Package

252万円

S Package

267万7500円

2.5GT-水平対向4気筒 DOHC 2.5Lターボ5速AT

278万2500円

L Package

304万5000円

SI-Cruise

328万6500円

S Package

320万2500円

6速MT

320万2500円

アウトバック2.5i-水平対向4気筒 SOHC 2.5LCVT

267万7500円

L Package

294万円

3.6R-水平対向6気筒 DOHC 3.6L5速AT

346万5000円

SI-Cruise

370万1250円

レガシィツーリングワゴン 2.5iレガシィB4 2.5GTアウトバック 3.6R

 今回のモデルチェンジでは、商品コンセプトとして、従来からレガシィが求めてきた運転する楽しさ「ドライバーズファン」に加え、助手席や後席に座る同乗者にも快適な「パッセンジャーズファン」、時代が求める環境性能に応える「エコパフォーマンス」を実現すべく進化したと言う。

 主な特徴としては、先代に比べ、室内長、室内幅、室内高の拡大、リアトランク、リアゲート開口部の拡大、サッシュ付ドアの採用によるドア開口部の拡大などにより、広い室内空間とユーティリティー性を向上。前席シートバックの形状を工夫することで、ゆとりの後席足元スペースを実現している。また、電動パーキングブレーキの採用により、ハンドブレーキレバーをなくし開放的な前席空間を作っている。

エクステリア&インテリア
 エクステリアデザインでは、「力強さ」と「存在感」をテーマに、レガシィらしいスポーティさや機能性の高さを持たせつつも、新しさを感じさせるデザインにしたと言う。ツーリングワゴンとアウトバックでは、従来のガラスtoガラスデザインだったDピラーをボディー同色とし、大きな変化を感じさせる。また、クロームパーツを各所に採用し存在感を強調している。

「力強さ」と「存在感」をテーマにしたエクステリアデザインボディー同色となったDピラーが、リアから見た印象がガラリと変わるツーリングワゴンとB4のグリル。スバルブランドの象徴であるウイングモチーフを継承
ツーリングワゴン2.5i(スティールシルバー・メタリック)ツーリングワゴン2.5i L Package(グラファイトグレー・メタリック)ツーリングワゴン2.5i S Package(サテンホワイト・パール)
ツーリングワゴン2.5GT(クリスタルブラック・シリカ)ツーリングワゴン2.5GT L Package(カメリアレッド・パール)ツーリングワゴン2.5GT S Package(ダークアメジスト・ギャラクシー)
ツーリングワゴン2.5GT SI-Cruise(ギャラクシーブルー・シリカ)
B4 2.5i(スティールシルバー・メタリック)B4 2.5GT L Package(カメリアレッド・パール)B4 2.5i S Package(サテンホワイト・パール)
B4 2.5GT(スティールシルバー・メタリック)B4 2.5GT L Package(ギャラクシーブルー・シリカ)B4 2.5GT S Package(クリスタルブラック・シリカ)
B4 2.5GT SI-Cruise(ダークアメジスト・ギャラクシー)
アウトバック2.5i(サテンホワイト・パール)アウトバック2.5i L Package(ギャラクシーブルー・シリカ)
アウトバック3.6R(カメリアレッド・パール)アウトバック3.6R SI-Cruise(クリスタルブラック・シリカ)
アウトバック(スティールシルバー・メタリック)アウトバック(グラファイトグレー・メタリック)アウトバック(サンライトゴールド・オパール)
アウトバック(セージグリーン・メタリック)アウトバックのグリルもウイングをモチーフにしている

 インテリアは、室内空間の拡大による「ゆとり」と、立体的な造形が作る陰影と、素材の質感によって「品格」を表現。内装色には、オフブラックとアイボリーの2色が用意される。機能面においても、シートの座面の広さをアップするとともに、クッション性も向上。スライド量の拡大やランバーサポート調整の追加など、調整幅を大きくすることで、最適なポジションをとることができると言う。さらにフロントカップホルダーは前席左右間に並列に配置され、フロアコンソールボックスは大型化することで、アームレストとしても活用できる形に変更、ドアポケットの大型化など、収納スペースを十分に確保している。

「品格」と「ゆとり」をテーマにしたインテリアデザイン前席左右間を30mm、前後席間を68mm増やし、同乗者にとっても快適なドライブを目指すシート調整幅を広げるとともに、後席の足下を広げる形状の前席シート
電動パーキングブレーキの採用でサイドブレーキレバーがなくなり、室内は広々とした前席シートバックをえぐるような形とすることで、後席の膝前方のスペースを広くしている
2.5iのインパネは、シルバーの加飾パネルが組み合わされる2.5GTもシルバーの加飾パネル。センターの小物入れにふたが付く木目調の加飾パネルが組み合わされるL-Package
カーボン調の加飾パネルが組み合わされるS-Packageオプションのアイボリー本革シート電動パーキングブレーキのスイッチ、すぐ横にはヒルホールドアシストのスイッチも付く
運転席と助手席の間に横位置にならぶドリンクホルダーアームレストにもなる大型フロアコンソールボックスドアポケットにもドリンクホルダーが設けられる
パワーシートにはメモリー機能も付く。ポジションは2つ設定可能後席のアームレストにはドリンクホルダーを内蔵ツーリングワゴンとアウトバックは、ラゲッジ後方にあるレバーからも、後席シートのシートバックを倒すことができる
サッシドアとしたことで、後席のドア開口が広くなった従来よりも広くなったというラゲッジルーム。ダブルウィッシュボーンとなったリアサスペンションの張り出しもないB4のトランクも容量を拡大している

 オーディオは、従来より定評のLEGACYマッキントッシュサウンドシステムと、LEGACYプレミアムサウンドシステムの2種類を設定。カーナビには、8インチの高精細VGAワイドモニターやリアビューカメラを装備したG-BOOK ALPHA対応のHDDナビゲーションシステムを設定している。

定評のあるマッキントッシュサウンドシステムは健在。カーナビはG-BOOK ALPHA対応のHDDカーナビだ別体のプリアンプとパワーアンプを備えたマッキントッシュサウンドシステムレガシィプレミアムサウンドシステム

エンジン
 エンジンは、全車伝統の水平対向エンジンとしながらも、従来の2.0リッターエンジンをNA、ターボともに2.5リッターに、3.0リッターエンジンを3.6リッターに排気量アップしている。また、スイッチ操作により、インテリジェント/スポーツ/スポーツ・シャープの3つのモードを切り替えることができる「SI-Drive」を全車に採用している。

3つのドライブモードを切り替えられるSI-Driveは全車に標準装備エンジンとミッションは、クレードル構造マウントに搭載されるクレードル構造マウントによりエンジンの支持部の位置が変わり、エンジン振動の低減や静粛性を向上している

・水平対向4気筒 SOHC 2.5リッターエンジン

 従来はアウトバックのみに用意されていた2.5リッターエンジンを、ツーリングワゴン/B4のベースグレードにも搭載。樹脂製インテークマニホールドの採用やピストン形状の最適化などにより、軽量化とフリクション低減を図っている。
インテークマニホールドが樹脂になった2.5リッターエンジン出力、トルクともに全域で従来の2リッターエンジンを上回る

・水平対向4気筒 DOHC 2.5リッターターボエンジン

 従来型の2.0Lターボエンジンから排気量を拡大、さらにターボユニットをエンジン前方下部に配置する「直下置きターボ」とすることで、最大トルクを2000rpmからフラットに持続させ、応答性の良い加速、優れた走行性能と扱い易さを実現。さらに、触媒などのエキゾーストシステムのレイアウトを最適化することで、排出ガス浄化性能も高めている。
2.5リッターに排気量アップされたターボエンジン。インテークマニホールドやインタークーラーは従来と同型状だエンジン前方下部にタービンを搭載。短いエキゾーストマニホールドで効率的に背圧を利用できる2000~5500rpmで最大トルクを発生する扱いやすいトルク特性

・水平対向6気筒 DOHC 3.6リッターエンジン

 従来の3.0リッターエンジンから外寸を大きく変えずに排気量を拡大。低回転からの力強いスムーズなトルク特性で上質な走行性能と優れた環境性能を実現し、また、レギュラーガソリン仕様とし経済性にも配慮している。
従来の3.0リッターエンジンと外寸はほとんど変わらないと言う3.6リッターエンジン。国内向けで搭載されるのが、今回が初全域で3.0リッターエンジンを上回るが、特にトルクの増加が大きいようだ

トランスミッション
 トランスミッションは、2.5リッターエンジンに新開発のCVTを、2.5リッターターボに5ATと6速MTを、3.6リッターエンジンに5速ATを組み合わせる。

・CVT「リニアトロニック」

 新開発のCVTは、バリエーター(主変速機機構)にチェーン式を採用。コンパクトな設計により、前席の足元スペースを確保するとともに、広いレシオカバレージを実現。優れた伝達効率と相まって、全速度域でのゆとり走行性能と燃費性能を実現している。また、車速とエンジン回転上昇に一体感をもたせることで、一般的にエンジン回転に車速があとから付いてくるようなCVT特有の違和感をなくしている。さらに、6速マニュアルモードを採用。パドルシフトも組み合わされ、シフト操作に対し、わずか0.1秒以内の素早い変速を実現していると言う。
新開発のCVT「リニアトロニック」二つのプーリーをつなぐのに、一般的な金属ベルトではなく、チェーンを採用しているクランク軸よりプライマルプーリーの位置を上に上げることで、ミッション本体の横幅を抑えている
低速側はよりローギアに、高速側はよりハイギアになったレシオカバレージの広いCVTAWDのため、複雑な構造となるCVT通常は無段変速のCVTだが、マニュアルモードでは、擬似的にギア比を設定する
ステアリングにはパドルシフトも備えるシフトレバーでもマニュアルモードへの切り替え、操作が可能

・5速AT

 緻密な制御とスムーズな変速フィーリングを持つ5速ATを採用。フリクションの低減と軽量化を図り、燃費性能を向上させてるとともに、ダウンシフトブリッピングコントロールの改良により、マニュアルモードの変速レスポンスを向上。また、スムーズなシフトダウンにより変速時のショックを軽減している。

・6速MT

 軽量、コンパクトの新設計6速マニュアルトランスミッションを採用。専用のギア比により動力性能と燃費性能をともに向上させている。
2.5GTにのみ設定される6速MT。シフトパターンやレバーの形状は従来と同じだ6速MTには、最適なギアを示すシフトアップインジケーターを備える

ボディー
 要所に超高張力鋼板を採用することで、剛性と軽量化を両立させる合理的なボディー構造としている。また、従来クロスメンバーが装着されていたフロント回りに、クレードル構造マウントと呼ばれるサブフレームを採用。フロントまわりを中心に軽量化を図るとともに、サスペンション取り付け部の剛性を確保している。

ポイントを絞って剛性をアップすることで、無駄な重量増加を防いでいるフロントサスペンションアームはクレードル構造マウントに装着される。また、スタビライザーを強化し、ロール剛性をアップダブルウィッシュボーン式になったリアサスペンション
パワーステアリングは電動式に変更されている最小回転半径は5.5mで、従来型と比べ0.1mの増加に抑えている伝統のシンメトリカルAWDは今回も健在
4輪独立でブレーキ制御することで、コーナリング中の走行姿勢を安定させるVDC従来のVDC、トラクションコントロール、パワーステアリングを総合的に制御するVDC新制御
平均燃費に対する瞬間燃費の差を表示するECOゲージ

環境性能
 新型レガシィでは、全車で、国土交通省「平成17年度排出ガス基準75%低減レベル」(SU-LEV)を達成。ゆとりのトルクを持つ2.5リッターエンジンと伝達効率に優れるCVTとの組み合わせや、クレードル構造マウントによるターボシステムを大幅変更、エンジン各部のフリクションロスの低減などにより、優れた走行性能と燃費性能を両立したとしている。また、メーター内のECOゲージ、シフトアップインジケーター(6速MT車)などにより、ドライバーに燃費のよい走りを促すと言う。

安全性能
 安全性能としては、前面衝突対応として、衝突時にクレードルフレームを曲げることでパワーユニットを斜め下方向へ後退させ、キャビンを保護するとともに、効率的にメインフレームで衝撃を吸収。側面衝突対応としては、Bピラー内側、サイドシルへ超高張力鋼板を採用。また後面衝突対応には、リアフレーム構造の最適化などにより、衝突エネルギーを効率的に吸収するボディー構造としている。

 また、SRS サイドエアバッグ+SRS カーテンエアバッグを標準装備しました(一部グレードはメーカーOPで設定)。シートは、フレームの剛性向上やエネルギー吸収に優れるヘッドレストの採用など、シート全体で衝突時の衝撃を抑制、吸収する構造としている。

衝突エネルギーを効率的に吸収する新型レガシィのフレーム前方衝突時には、クレードルが曲がることで、エンジンやミッションをフロア下部に逃がし、キャビンのスペースを守る衝突実験の模様。フロントタイヤより前がつぶれることで、キャビンが守られているのが分かる
軽微な衝突ではフレームの補修が必要ないように、前後にバンパービームを採用するほか、フロントパネルをボルトによる固定としている運転席、助手席のデュアルエアバッグと、サイドエアバッグ、カーテンエアバッグが装備されるシート全体で衝撃を吸収するフロントセイフティシート

その他機能・装備
 全車速追従機能などの機能を備える「SIレーダークルーズコントロール」を採用したグレードを設定。新たに停止保持機能を追加し、発進、停車を繰り返す渋滞などでのドライバーの負荷を軽減する。また、キーレスアクセス&プッシュスタートを装備(一部グレードはメーカーOPで設定)。ヘッドランプウォッシャー、およびオートライト、オートワイパーなど充実の装備もメーカー装着オプションで設定している。

レーダーで先行車を補足し、自動で車速調整を行うSIクルーズ。先行車が停車した場合は、自車も停車するSIクルーズの操作はステアリングに設けられたスイッチで行う。前走車との車間の調整も可能キーを持って近づくだけで自動で解錠するキーレスアクセスも装備
 
【お詫びと訂正】記事初出時、価格表表組みにおきまして、B4のエンジンがすべて「水平対向4気筒 SOHC 2.5L」という表記になっておりました。お詫びして訂正させていただきます。
 

(編集部:瀬戸 学)
2009年 5月 20日