スバル、「レガシィツーリングワゴン」と「B4」「アウトバック」をモデルチェンジ ドライバーだけでなくパッセンジャーにも快適なレガシィ |
スバル(富士重工業)はレガシィとアウトバックをモデルチェンジし、5月25日より発売する。モデルチェンジをしたのは、レガシィのワゴンタイプ「ツーリングワゴン」とセダンタイプ「B4」、そしてアウトバックの3車種。グレードはツーリングワゴンとB4に、2.5リッターエンジンと2.5リッターターボエンジン搭載モデルが、アウトバックには2.5リッターエンジンと3.6リッターエンジン搭載モデルが用意される。また、2.5リッターエンジンには新開発のCVT「リニアトロニック」が組み合わされる。価格は以下のとおり。
車名 | グレード | グレード | エンジン | 変速機 | 価格 |
レガシィ ツーリングワゴン | 2.5i | - | 水平対向4気筒 SOHC 2.5L | CVT | 236万2500円 |
L Package | 267万7500円 | ||||
S Package | 283万5000円 | ||||
2.5GT | - | 水平対向4気筒 DOHC 2.5Lターボ | 5速AT | 294万円 | |
L Package | 320万2500円 | ||||
SI-Cruise | 343万8750円 | ||||
S Package | 336万円 | ||||
6速MT | 336万円 | ||||
レガシィ B4 | 2.5i | - | 水平対向4気筒 SOHC 2.5L | CVT | 220万5000円 |
L Package | 252万円 | ||||
S Package | 267万7500円 | ||||
2.5GT | - | 水平対向4気筒 DOHC 2.5Lターボ | 5速AT | 278万2500円 | |
L Package | 304万5000円 | ||||
SI-Cruise | 328万6500円 | ||||
S Package | 320万2500円 | ||||
6速MT | 320万2500円 | ||||
アウトバック | 2.5i | - | 水平対向4気筒 SOHC 2.5L | CVT | 267万7500円 |
L Package | 294万円 | ||||
3.6R | - | 水平対向6気筒 DOHC 3.6L | 5速AT | 346万5000円 | |
SI-Cruise | 370万1250円 |
レガシィツーリングワゴン 2.5i | レガシィB4 2.5GT | アウトバック 3.6R |
今回のモデルチェンジでは、商品コンセプトとして、従来からレガシィが求めてきた運転する楽しさ「ドライバーズファン」に加え、助手席や後席に座る同乗者にも快適な「パッセンジャーズファン」、時代が求める環境性能に応える「エコパフォーマンス」を実現すべく進化したと言う。
主な特徴としては、先代に比べ、室内長、室内幅、室内高の拡大、リアトランク、リアゲート開口部の拡大、サッシュ付ドアの採用によるドア開口部の拡大などにより、広い室内空間とユーティリティー性を向上。前席シートバックの形状を工夫することで、ゆとりの後席足元スペースを実現している。また、電動パーキングブレーキの採用により、ハンドブレーキレバーをなくし開放的な前席空間を作っている。
■エクステリア&インテリア
エクステリアデザインでは、「力強さ」と「存在感」をテーマに、レガシィらしいスポーティさや機能性の高さを持たせつつも、新しさを感じさせるデザインにしたと言う。ツーリングワゴンとアウトバックでは、従来のガラスtoガラスデザインだったDピラーをボディー同色とし、大きな変化を感じさせる。また、クロームパーツを各所に採用し存在感を強調している。
インテリアは、室内空間の拡大による「ゆとり」と、立体的な造形が作る陰影と、素材の質感によって「品格」を表現。内装色には、オフブラックとアイボリーの2色が用意される。機能面においても、シートの座面の広さをアップするとともに、クッション性も向上。スライド量の拡大やランバーサポート調整の追加など、調整幅を大きくすることで、最適なポジションをとることができると言う。さらにフロントカップホルダーは前席左右間に並列に配置され、フロアコンソールボックスは大型化することで、アームレストとしても活用できる形に変更、ドアポケットの大型化など、収納スペースを十分に確保している。
オーディオは、従来より定評のLEGACYマッキントッシュサウンドシステムと、LEGACYプレミアムサウンドシステムの2種類を設定。カーナビには、8インチの高精細VGAワイドモニターやリアビューカメラを装備したG-BOOK ALPHA対応のHDDナビゲーションシステムを設定している。
定評のあるマッキントッシュサウンドシステムは健在。カーナビはG-BOOK ALPHA対応のHDDカーナビだ | 別体のプリアンプとパワーアンプを備えたマッキントッシュサウンドシステム | レガシィプレミアムサウンドシステム |
■エンジン
エンジンは、全車伝統の水平対向エンジンとしながらも、従来の2.0リッターエンジンをNA、ターボともに2.5リッターに、3.0リッターエンジンを3.6リッターに排気量アップしている。また、スイッチ操作により、インテリジェント/スポーツ/スポーツ・シャープの3つのモードを切り替えることができる「SI-Drive」を全車に採用している。
3つのドライブモードを切り替えられるSI-Driveは全車に標準装備 | エンジンとミッションは、クレードル構造マウントに搭載される | クレードル構造マウントによりエンジンの支持部の位置が変わり、エンジン振動の低減や静粛性を向上している |
・水平対向4気筒 SOHC 2.5リッターエンジン
従来はアウトバックのみに用意されていた2.5リッターエンジンを、ツーリングワゴン/B4のベースグレードにも搭載。樹脂製インテークマニホールドの採用やピストン形状の最適化などにより、軽量化とフリクション低減を図っている。インテークマニホールドが樹脂になった2.5リッターエンジン | 出力、トルクともに全域で従来の2リッターエンジンを上回る |
・水平対向4気筒 DOHC 2.5リッターターボエンジン
従来型の2.0Lターボエンジンから排気量を拡大、さらにターボユニットをエンジン前方下部に配置する「直下置きターボ」とすることで、最大トルクを2000rpmからフラットに持続させ、応答性の良い加速、優れた走行性能と扱い易さを実現。さらに、触媒などのエキゾーストシステムのレイアウトを最適化することで、排出ガス浄化性能も高めている。2.5リッターに排気量アップされたターボエンジン。インテークマニホールドやインタークーラーは従来と同型状だ | エンジン前方下部にタービンを搭載。短いエキゾーストマニホールドで効率的に背圧を利用できる | 2000~5500rpmで最大トルクを発生する扱いやすいトルク特性 |
・水平対向6気筒 DOHC 3.6リッターエンジン
従来の3.0リッターエンジンから外寸を大きく変えずに排気量を拡大。低回転からの力強いスムーズなトルク特性で上質な走行性能と優れた環境性能を実現し、また、レギュラーガソリン仕様とし経済性にも配慮している。従来の3.0リッターエンジンと外寸はほとんど変わらないと言う3.6リッターエンジン。国内向けで搭載されるのが、今回が初 | 全域で3.0リッターエンジンを上回るが、特にトルクの増加が大きいようだ |
■トランスミッション
トランスミッションは、2.5リッターエンジンに新開発のCVTを、2.5リッターターボに5ATと6速MTを、3.6リッターエンジンに5速ATを組み合わせる。
・CVT「リニアトロニック」
新開発のCVTは、バリエーター(主変速機機構)にチェーン式を採用。コンパクトな設計により、前席の足元スペースを確保するとともに、広いレシオカバレージを実現。優れた伝達効率と相まって、全速度域でのゆとり走行性能と燃費性能を実現している。また、車速とエンジン回転上昇に一体感をもたせることで、一般的にエンジン回転に車速があとから付いてくるようなCVT特有の違和感をなくしている。さらに、6速マニュアルモードを採用。パドルシフトも組み合わされ、シフト操作に対し、わずか0.1秒以内の素早い変速を実現していると言う。・5速AT
緻密な制御とスムーズな変速フィーリングを持つ5速ATを採用。フリクションの低減と軽量化を図り、燃費性能を向上させてるとともに、ダウンシフトブリッピングコントロールの改良により、マニュアルモードの変速レスポンスを向上。また、スムーズなシフトダウンにより変速時のショックを軽減している。・6速MT
軽量、コンパクトの新設計6速マニュアルトランスミッションを採用。専用のギア比により動力性能と燃費性能をともに向上させている。2.5GTにのみ設定される6速MT。シフトパターンやレバーの形状は従来と同じだ | 6速MTには、最適なギアを示すシフトアップインジケーターを備える |
■ボディー
要所に超高張力鋼板を採用することで、剛性と軽量化を両立させる合理的なボディー構造としている。また、従来クロスメンバーが装着されていたフロント回りに、クレードル構造マウントと呼ばれるサブフレームを採用。フロントまわりを中心に軽量化を図るとともに、サスペンション取り付け部の剛性を確保している。
平均燃費に対する瞬間燃費の差を表示するECOゲージ |
■環境性能
新型レガシィでは、全車で、国土交通省「平成17年度排出ガス基準75%低減レベル」(SU-LEV)を達成。ゆとりのトルクを持つ2.5リッターエンジンと伝達効率に優れるCVTとの組み合わせや、クレードル構造マウントによるターボシステムを大幅変更、エンジン各部のフリクションロスの低減などにより、優れた走行性能と燃費性能を両立したとしている。また、メーター内のECOゲージ、シフトアップインジケーター(6速MT車)などにより、ドライバーに燃費のよい走りを促すと言う。
■安全性能
安全性能としては、前面衝突対応として、衝突時にクレードルフレームを曲げることでパワーユニットを斜め下方向へ後退させ、キャビンを保護するとともに、効率的にメインフレームで衝撃を吸収。側面衝突対応としては、Bピラー内側、サイドシルへ超高張力鋼板を採用。また後面衝突対応には、リアフレーム構造の最適化などにより、衝突エネルギーを効率的に吸収するボディー構造としている。
また、SRS サイドエアバッグ+SRS カーテンエアバッグを標準装備しました(一部グレードはメーカーOPで設定)。シートは、フレームの剛性向上やエネルギー吸収に優れるヘッドレストの採用など、シート全体で衝突時の衝撃を抑制、吸収する構造としている。
■その他機能・装備
全車速追従機能などの機能を備える「SIレーダークルーズコントロール」を採用したグレードを設定。新たに停止保持機能を追加し、発進、停車を繰り返す渋滞などでのドライバーの負荷を軽減する。また、キーレスアクセス&プッシュスタートを装備(一部グレードはメーカーOPで設定)。ヘッドランプウォッシャー、およびオートライト、オートワイパーなど充実の装備もメーカー装着オプションで設定している。
レーダーで先行車を補足し、自動で車速調整を行うSIクルーズ。先行車が停車した場合は、自車も停車する | SIクルーズの操作はステアリングに設けられたスイッチで行う。前走車との車間の調整も可能 | キーを持って近づくだけで自動で解錠するキーレスアクセスも装備 |
(編集部:瀬戸 学)
2009年 5月 20日