ホンダ、低重心ミニバン「オデッセイ」をフルモデルチェンジ

オデッセイ(アブソルート)
10月17日発売
259万円~314万円



  ホンダは、7人乗りミニバン「オデッセイ」をフルモデルチェンジし、10月17日より発売する。販売価格は259万円~314万円。

  オデッセイは、1994年より発売されている3列シートを搭載した7人乗りミニバンで、今回発表された新型オデッセイは4代目。3代目の「低床・低重心・低全高」コンセプトを受け継だ上で、「人とクルマの一体感」「全席の爽快感」「独自の存在感」という新しいコンセプトを取り込んだ。

フロント(L)リア(L)

エクステリアのデザインスケッチ
  フロントには、最近のホンダ車のアイデンティティとなっている、フロントグリルからボンネットへと広がる立体的なV字ライン入れた。サイドビューは、フロントノーズからルーフエンドまでワンモーションで描き、キャビン後方を大きく絞り込みつつリアウインドウを湾曲させてリアビューをコンパクトに表現。塗装では、中塗りとクリア層の中間で、アルミ顔料を含んだ2種類のカラーベースを散布することで、光沢の陰影を強調しボディ面構成を際立たせる新塗装技術「スーパープラチナ塗装」を採用している。

  薄型チャンバーや偏平したサイレンサーを利用した排気システムをはじめ、偏平した60Lの樹脂製フューエルタンク、低床に対応させたダブルウイッシュボーン・リアサスペンションなどを採用した低床設計により、全高1545mmながら室内高1220mmの空間を確保した。また、新工法により強度を高めつつも約30%スリム化したフロントピラーを採用しており、右左折時の視界確保や後列シートからの展望性を向上させている。

  3代目との比較では、2列目シート下の構造を改良して3列目乗員の足元空間を拡大したほか、サイドエアバッグをリアクォーターピラーからリアクォーターウインドウ上部に移動することでリアクォーターピラーを約40mmスリム化し、3列目シートへの乗降性を向上させた。また、2列目シートの着座位置を約25mm内側に動かすことで、1列目から3列目までがV字型となるシートレイアウトととなり、後席でも前方の景色を楽しめるとしている。


低重心シャシーイメージ「低床・低重心・低全高」パッケージのイメージスーパープラチナ塗装
3列目足元スペースの拡大イメージフロントピラースリム化イメージシートV字レイアウトイメージ

インストルメントパネル(L)
  インテリア機能では、鳥が翼を広げた姿をモチーフとした2層構造のインストルメントパネルを搭載。メーターは、立体的なデザインの自発光メーターを採用している。また、一部グレードでは運転席の電動パワーシートや、運転席/助手席/2列目と3列目シートごとに温度設定ができるオートエアコンを装備している。

  ラゲッジルームには、3代目と同様に3列目シートを床下に格納できる機構を採用しているほか、スペアタイヤを応急パンク修理キットに変更することで、床下に22Lの収納スペース「ラゲッジルームアンダーボックス」を新設した。また、ラゲッジルームアンダーボックスの蓋を、収納した3列目シートと2列目シートの間に装着することでラゲッジルームの拡大も可能。ラゲッジルームの収納容量は、5人乗車時で最大708Lを確保している。このほか、リアサスペンションや床下構造の見直しによってテールゲート開口部下部の幅を3代目よりも拡大している。


自発光メーター3列目シートを収納した状態ラゲッジルームアンダーボックス
シートアレンジ

  エンジンは、直列4気筒 DOHC 2.4リッターの「K24A」型エンジンを搭載し、「VTEC(可変バルブタイミング・リフト機構)」と「VTC(連続可変バルブタイミング・コントロール機構)」を組み合わせた「i-VTEC」を採用。最高出力は127kW(173PS)/6000rpm、最大トルクは222Nm(22.6kgm)/4300rpm。トランスミッションは、前輪駆動の2WD車ではトルクコンバーター付CVTを、フルタイム4WD車では5速ATを搭載する。また、エンジン/CVT/エアコンを協調制御することで約3%~10%の低燃費化ができる運転モード「ECONモード」を搭載しており、10・15モードで13.2km/L、JC08モードで12.4km/Lの低燃費と、一部グレードを除き燃費基準で「2010年度燃費基準+25%」を達成している。

K24A型エンジントルクコンバーター付CVT「ECONモード」スイッチ

  安全機能では、同社の衝突安全技術「G-CON(G-FORCE CONTROL TECHNOLOGY)」を採用し、サイドカーテンエアバッグを3列目まで対応させている。また、車速や車間距離を制御する「ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)」や、車線維持を支援するシステム「LKAS(レーンキープ・アシストシステム)」、操舵力アシスト制御システム「モーションアダプティブEPS」などの機能も搭載。このほかメーカーオプションで、前後左右の魚眼CCDカメラで捉えた映像から上方視点の映像を合成し、運転や駐車を支援する「マルチビューカメラシステム」を用意している。 

アブソルート(プレミアムミスティックナイト・パール)
  グレードは「M」「L」「Li」の3グレードと、上級グレード「Absolute(アブソルート)」を用意。アブソルートは、エクステリアでは専用エアロパーツや18インチアルミホイール、フォグランプなどを、インテリアではスポーツシートやステンレス製ペダルパッド、センターコンソール、本革ステアリングホイールなどを追加装備。また、搭載するエンジンはチューニングによって最高出力151kW(206PS)/7000rpm、最大トルク232Nm(23.7kgm)/4300rpmに引き上げられているほか、2WD/4WD車に搭載される5速ATでは専用ギアレシオ設定が施されパドルシフトを追加装備している。11月13日には助手席シートにリフトアップ機能を搭載した福祉車両も発売する。

  ボディカラーは、新色の「ディープボルドー・パール」のほか、「プレミアムホワイト・パール」「クリスタルブラック・パール」「ポリッシュドメタル・メタリック」「スーパープラチナ・メタリック」の全5色を用意。内装色は「ダークグレー」のほかポリッシュドメタルメタリック/スーパープラチナメタリック以外では「ベージュ」も選択可能。アブソルートは、内装色が「ブラック&ブルー」のみとなるが、ボディーカラーでは新色かつ専用色の「プレミアムミスティックナイト・パール」も含めた全6色を用意する。ボディサイズは4800×1800×1545~1565mm(全長×全幅×全高)で、重量は1600~1690kg。最小回転半径は5.4mとなる。

M(ディープボルドー・パール)L(ポリッシュドメタル・メタリック)Li(プレミアムホワイト・パール)
アブソルートのインパネアブソルートに装備のフォグランプ18インチアルミホール
ステンレス製ペダルパッドアブソルート搭載のK24A型エンジンと性能曲線
ダークグレー内装(L)ベージュ内装(M)ブラック&ブルー内装(アブソルート)
カラーバリエーション福祉車両

URL
本田技研工業株式会社
http://www.honda.co.jp/
ニュースリリース
http://www.honda.co.jp/news/2008/4081016-odyssey.html
製品情報
http://www.honda.co.jp/ODYSSEY/

(編集部:大久保有規彦)
2008年10月16日